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【P-MODEL】「LIVE電子悲劇 COLOR-5」(1998.01.27.TUE 仙台MACANA)

【概要】

LIVE電子悲劇 COLOR-5
1998年1月27日(火)仙台MACANA

■LIVE電子悲劇とは(出典:平沢博物苑
http://www.pinkytrick.com/p/img/flier/1998lived_1.jpg
■簡単に言うと
要はP-MODEL版インタラクティブ・ライブ
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1. ライブ中に難関が発生
2. 会場の観客が決めたプロジェクト名と共に、P-MODELがオンラインボイジャー(要は宅オ、以下OV)へ救援を依頼
3. OVが問題解決ページにて解決策を探し、次のライブ会場へ託す
4. 次の会場でそのプロジェクトを開き、問題解決していればライブ続行
5. 解決しない場合はツアー中止となる。だってそうでしょ?だってそうだもん。(平沢さん談)
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というのを合計8日間、7回続けます。
病原体ENOLAを撃退するには、COLOR-0にある「COOSHIN(くうしん)プロトコルの書」が必要なので、我々はP-MODELの乗船する「Black in White船団」と共に旅をする、というお話です。
■他の日のレポート
COLOR-6(東京) COLOR-4(札幌) COLOR-3(名古屋) COLOR-2(大阪) COLOR-1(博多) COLOR-0!(東京)

【セットリスト】

A-FILE(COLOR-7とアンコール含めて同じ)
1. ENOLA
2. ASHURA CLOCK
3. Spiritus
4. LAYER-GREEN
5. Rocket Shoot II
6. ソリトン
7. BOGY
8. Fune
9. AFFIRMATION
10. 夢見る力に
11. COLORS
12. Solid air
13. HIDDEN PROTOCOL
14. BA-DA-DHA
15. 衛星ALONE
16. Black In White
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17. Heaven
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18. ATOM-SIBERIA

【開演前】

小西さんのRoland JP-8000のロゴに貼り付けられた缶バッジが、COLOR-6から若干進化しており、

画像1

こんな感じでテープで細工がされ、「P land」に見えるようになってましたw。そうここはPの国、仙台…もしくはポーランド…

さて、COLOR-6からの5日間。OV達はCOLOR-6で起きた難関の解決に、めちゃくちゃ難航しておりました。思わず平沢さんから「難しくないってばお客さん」と諭されるレベルで。

OVの問題解決ページとは、基本は「色んな写真が並んでいるページの画像をクリックして、解決になりそうな画像を見つけたら、それを掲示板で報告」というシンプルなものでしたが、航路のズレに必要だとヒントにあった「ある物」の写真がどこにも無いのです。

現在、船団のエネルギーはBlackがちょっとだけ足りず、バランスの取れていない状態。そのせいでまっすぐに進めず航路がズレています。これを解決するには「ALONE WHITEを呼び、あえて船団からWhiteエネルギーを分離させてバランスを取ることが必要」だということまでは分かったものの、この一文がOV達を悩ませました。

「ALONE WHITE」を呼ぶには人形焼を用意しなければならない。

に、にんぎょうやき…?

画像2

にんぎょうやき…?

この、当時の鉄骨デストロイP-MODELらしからぬ一文に翻弄され、仙台公演当日まで本気でどうしたらいいのか分からず、答えが出せないOV達。

人形焼が必要ならば持ってくればいい!と、どこかで拾ってきた「キティちゃんの人形焼」の画像を貼るOV、万一の時は現地でステージに差し出せばライブは続行されるハズ…!と、本物の人形焼をカバンに入れて現地入りする観客、人々の想いを乗せてBlack in White船団は進みます。

【前説】

お馴染み4DEMのご挨拶から始まり、影アナとスクリーン情報のみで、COLOR-6の難関が解決しているかを確認します。

■COLOR-6の難関のおさらい
・「ALONE BLACK」のせいで船団からやはりBlackエネルギーが少し分離してしまった
・その結果、航路にズレが生じ、このままではコースを大きく外れてしまう
⇒プロジェクト名「kumo」でOVに解決を依頼

先述の通り、解決には「人形焼」が必要なため、カバンに入れた人形焼を思いながら固唾をのんで掲示板を見守る我々。小西さんが、解答が分からず半ばやけくそで貼られた「キティちゃんの人形焼」の画像を見て、

小西「これはキティちゃんの人形焼だな?」

いまキティちゃんて言いました?小西さんが?!
そして「人形焼の画像を引っ張ってきて貼る」のが正解だったようで、無事ALONE WHITEを呼ぶことに成功し、この難関は解決!ありがとうOV!小西さんに「キティちゃん」って言わせたなんてすごい功績!(?

【開演】

『ENOLA』
当時は移転前の仙台MACANA。インディーズバンドの人たちでも使用する感じの小さい会場で、バリゲートとステージの間にスペースが無く、キレるほど近いことでおなじみ。どれぐらい近いかというと、普通に機材に手が届いてしまうし、前に出てこられたら本人に触れてしまうレベル。

\ お兄さん足首細い! /

もちろん最前に来るような出来たファンは触りませんが、推しがあんまり近いと一周回って「それ以上近づかないでくれ…!」みたいな気持ちになるやつですね…。ふと小西さんを見上げると、額に赤い般若の入墨シールが。

その御顔で「キティちゃん」言ったんですかあああ👹

『Spiritus』
ライブ版のこの曲は、イントロのあのメロディーが平沢さんのギターになる特別アレンジ。本日はPHOTONの他にタルボも復活していて、この曲以外にもギター炸裂のぎっちぎち。ギターの鳴りの良い会場だったのかもですが、なかなかに堪能。

【航行ストップ】

『Affirmation』
毎回、福間さんがノリまくるというかグネグネになるこの曲。今日はやけにおとなしい…これはおかしい…と思ったら、4DEMにより航行がストップ。そんなタイプのネタバレはひどくないですか福間さんw

「キティちゃんの人形焼」のおかげで、Black in White船団のエネルギーバランスは正常になり、航路も正常になりましたが、代わりにスピードが落ちてしまっているそう。このままのんびり進んでしまっていたら、ENOLA感染者は次々増え、LAYER-GREENの住民達は全滅してしまいます。

【プロジェクト名を設定】

という訳で本日もOV達に何とかしてもらうべく、プロジェクト名を設定。しかしこの流れ、ネットも追っていないと正直急には理解できない為、4DEMのアナウンスだけではなく、本日からは急遽平沢さんから口頭で説明。

平沢「…問題が発生いたしました」(眼をカッと見開く)

ヒッ

長々と(失礼)補足が入ったのち、観客がプロジェクト名を設定するのですが、とっさに挙げられたプロジェクト名は「鼻水」。は…鼻水?!という感じでしたが、さすが芸歴の長い平沢さん、まったく動じることなく、

(小西さんに小声で)ダイジョブ?鼻水で…文字数とか…」
「では鼻水。プロジェクト名は鼻水です」
「鼻水の「ズ」は「z」ですか?」
「OV達にhanamizuと知らせました」

孤高のカリスマ、鼻水言いすぎです。
あと文字数より先にアーティストイメージを気にしてくださいw

【航行再開】

という訳で、本日COLOR-5の難関は下記のようになりました。

■COLOR-5の難関
・キティちゃんの人形焼のおかげで航路のズレは修正できた
・その代わりスピードが落ちてしまっている
・このままではCOLOR-0に辿り着くのが遅れてしまう
⇒プロジェクト名「hanamizu」でOVに解決を依頼

『夢見る力に』
元々この曲は間奏(3番の直前のところ)で三者三様の振りがあり、アルバム「舟」(電子舟訪日行脚ツアー)の時は、手旗信号のように3人で統一感のある動きでしたが、この頃はおそらくもう完全に全員ただのアドリブになりw、今回は小西さんはロックコンサートのように頭上でクラップ。

全員両腕だけ動かすのは変わらずでしたが、平沢さんに至っては、ファンが振り真似をすることを知っていて、わざと絶対に出来ない動きで翻弄。思えば「夢見る機械」のサビも、最初は真似するファンをおちょくっての指ポーズ高速変更でしたよね…えっ、我々愛されてるんじゃ?(詭弁)

『Solid Air』
小西さんも改造パワーグローブで大暴れ。そして相変わらず平沢さんが「シャーイニーン」を間違える。しっかりおし。

しかしそんなこと(そんなこと)より、間奏でキレまくった福間さんが、JP-8000でキーボードスタンドをなぎ倒し!キャー!慌てて駆け寄るローディ。今日まだ演奏あるのにメインのシンセに何てことするの!w

【MC】

最後の曲前のMCで色々と喋ってる間、平沢さんの左手が、シンセの端に両面テープで紛失しないように貼り付けてあるギターピックを、剥がしては付け、剥がしては付けを無意識に繰り返しておりw、お師匠、ほんと進行のことで頭がいっぱいで、ついに変な手遊びを…

そういえば久々の仙台と仰ってましたが、もしや80年代後半ぶりとかです…?他にもタイナコ2の紹介をしつつ、明後日(COLOR-4)は北海道の親元の所へ行く(※大和久さんは当時北海道在住)という話の中で、

平沢「まだ親に発注していませんが、ver.3では言葉でカウントします」

5日前に(COLOR-6アンコールMCで)言ってたのに、まだ発注してなかったことが判明。依頼もせずに告知だけ先に進めていくという、恐ろしいタイプのクライアントですね…!

生身の人間も紹介しつつ、福間さんに何故「課長」という歓声が飛ぶのか分からないとぼやく平沢さん。お師匠、彼はのちに親方になったり股が裂けたりしますよ…。

【アンコール】

『Heaven』
小西さんと福間さんはシンセですが、歌い出しの所から4拍ごとに、右・左と体の向きを変えながら演奏。サビの「Heaven」(ジャーン)ではしゃがみこむなどの振りがあり、なんとも楽し。

『Welcome』の振りだったり、こういった動きを、ファンも周囲に迷惑にならない程度にちょっとだけ真似っこするの、良かったですね。

【アンコールその2】

メンバー退場して時刻は20:43。まだ東京行の新幹線最終は間に合いますね!と思っているとタイナコ2だけ先にスクリーンに登場。

ツアー初日(COLOR-7)でもありましたが、何とタイナコ2が観客の拍手を先導して煽る煽るw。こういうのって大体、裏でこっそり平沢さんが操作して楽しんでらっしゃるパターンですよね…?👀

『アトム・シベリア』
キマシタワー!ほんの数センチ先で小西さんがデジタル大折檻。鞭を振り回すわ、蹴りが飛んでくるわ、殺されるかと思いました…!(満足げ)
そしてその様を、ビデオカメラを肩に担いだ平沢さんが歌いながら中腰で撮影。

■デジタル大折檻、折檻とは
小西さんが機材をしばき倒して演奏する様の公式表現。センサーの付いた鞭を振るうなどする為、そのような表現になります。

ビデオカメラを肩に担いだ平沢さん(出典:平沢博物苑
※当時としても「どうしてwww」って感じなので、ご安心ください。

何なんですかこの人たち。観客もステージ床のトリガーに手が届いてしまう為、いつしか小西さんと交互にトリガーを叩く餅つきセッションに。
最後の「アートームシーベリアー!」では、平沢さんと福間さんそれぞれキメがあり、

■平沢さん
中腰の状態から、さらに腰を落とし、大きく上体を反ってカメラをパンさせる(斜め上に上げるので正確にはパンじゃありませんが)

■福間さん
COLOR-7…指でピストルを作って頭上に挙げる👆
COLOR-5…同上且つ、銃口を客席に向け観客を狙撃💘

ああああああバーンって!💘いやバーンって何だその破壊力!新譜発売おめでとうございます!!!あれっ、この新譜、このライブの時のメンバー揃ってるじゃないですかヤダー!(高い演技力)

さあ、次はCOLOR-4!(つづく)

という感じで改訂レポを終わります。

【お知らせ】
田村指圧治療院

指圧・骨盤調整のゴッドハンドのお店です。
ライブ前後でここで治療を受けておくと、遠征や長時間のスタンディングでも身体のラクさがほんとに違うので、馬骨の皆様も是非。何故かTB-303(シンセ)、TR-909(リズムマシン)も完備しているぞ!

先の見えない状況でストレスが多くなると、身体にも影響が出やすくなりますが、治療で緊張した心身がだいぶラクになります。肩こりや腰痛など慢性的なお悩みのある方も、一度相談してみてください。

ニューウェーブ周りの音楽にも大変詳しいですが、2014年『パラレル・コザック』(赤坂BLITZ)の時に、カフェ「Gazio」で楽屋弁当を食べながら限定ライブ中継を観た伝説の先生なので、お話もしやすいと思います。

■田村指圧治療院
https://tamura-shiatsu.com/
☆茨城県:取手治療室…JR常磐線/関東鉄道常総線「取手」駅より徒歩6分
☆東京都:上野治療室…JR山手線/京浜東北線「御徒町」駅より徒歩2分
※診療時間など詳細は上記URLへ