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後悔、それ非公開。

近頃、ユニコーンの「HELLO」をよく聴いている。

タイムマシーンが歌詞に登場する曲で

到着、5'02"前」針は君を指してる

と始まる。

何事も始まる前・到着前、そこに至るまでが一番楽しくて幸せだと、私は思っている。勿論、その只中にあっても楽しくて幸せなのだが、始まってしまったら終わってしまうのだ。

私がタイムマシーンに乗って、どこを目指したいか。それはもうずっと変わらなくて。
「始まってしまったら、終わってしまうじゃないか」と言われたあの日。始まれば終わる。当たり前のことなのに、それまで私にはその考え方はまるっきりなかったので、密やかな驚きに包まれたものだ。
そのひとと遠く離れて、恐らくこの先も人生が交わることはないのだろうけど、あの密やかな驚きは私の中に深く根付いている。

「ワンダフルライフ」という映画は御存知だろうか?
亡くなったひとがひとつだけ思い出を持っていける、あの世に行く前にそれを選択するという内容なのだが、ひとつだけの思い出というと考えてしまう。
出産体験としたいところだが、2人分あるからどちらかひとつは選べない。
結婚式はこどもたちがいないから、選びたくない。
日々緩やかだから、ひとつだけの思い出に相応しいものが思いつかない。
それでも、深く根付いている密やかな驚きよりも、家族の風景を選びたいと思う。

タイムマシーンは、また味わいたい瞬間へ。
ひとつだけの思い出は、それだけあれば充分というもの。

もっと思い出を積み重ねよう。
いつか選べるように。

#コラム #エッセイ

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