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飲んべえ

酒飲みのことを例える言葉は随分あるもので、上戸、辛党、左党、左利き、飲んべえ、飲み助などざっと記しただけでもこんなにあります。

まさにこれらは、しばしば酒を飲みながらノートを書いている小生のことです。

もちろん今もそうなのですが...

日本はよく酒飲みに寛容な国と言われますが、確かに、これだけ酒飲みに関する言葉が存在するのですから良く分かります。

しかし、例えば上戸と書いても思い浮かべるのは上戸彩で、一緒に飲めれば、うれしいなあ~!飲むならクリアアサヒ?(ちょっと古いか?一緒に飲めるなら高畑充希でもいいな)といった具合で使用頻度としては少ない言葉です。

当然、上戸は「うえと」ではなく「じょうご」と読むのですが、実はこの言葉の起源は古く、701年に発令された大宝律令に発していると言われています。

家の制度として、成年男子が6人から8人いる家を上戸、4人または5人いる家を中戸、3人までの家を下戸と呼んだそうです。

その後、働き手の多くいる家とそうでない家と言う発想から、経済的な豊かさの違いを表すようになって、さらにその経済力にともなって婚礼の時などに
「酒を多く振る舞える上戸」「あまり振る舞えない下戸」その後「酒を多く飲む上戸」「あまり飲めない下戸」と変化していったのが始まりだと言われています。

なるほど、お酒は経済力というわけですね。

ということは貧乏な小生でも酒が飲めるというのは、良い時代ということなのでしょうか?

他には辛党という言葉があります。

これは、酒好きの好きな酒はアルコール度数が高かったり、糖分の少ない酒で、これらが辛いということと、酒好きは辛いものや塩からいものが好きだから肴にそれらのものを食べるという理由で辛党と言われます。

対義語の甘党は、甘いものが好きな人のことですが、チョコレートを食べながらのウイスキーを飲む場合は何党になるのでしょうか?

そして、党と言えば左党、あるいは左利きいう言葉もあります。

当然ですが、お酒の好きな人が革新的でも左利きが多いというわけでもありません。

この言葉の由来は江戸時代で大工や鉱夫が右手に槌、左手にノミを持つことから、右手の事を槌手、左手の事をノミ手といい、このノミ手と飲み手の語呂合わという説。

また武士が、いつでも刀を抜けるよう右手を開けておき、左手で杯を持っていたからという説。

そして酒飲みは右手は肴を食べるために箸をもって左手でお酒を持つため、あるいは手酌では徳利を右手に、猪口を左手に持って酒を注ぐことになるからという説など由来は諸説存在します。

何れの言葉も簡単に言ってしまえば飲んべえのことで、この飲んべえが酒飲みのことをいう最もポピュラーで親しみやすい言葉かもしれません。

これは飲んべえは飲兵衛(呑兵衛)と書き、この兵衛は酒飲みや酔っ払いを人名っぽく固有名詞のように呼ぶためにつけられたためで、これは飲み助(呑助)にも同じことが言えるのです。

ですから本来、酒を飲むのは飲んべえあるいは飲み助なのですが、なぜか小生は酒を飲むと、助兵衛になってしまうのです....これは如何に?

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