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情報の正確性

#検察庁法改正案に抗議します

昨今、このハッシュタグをつけて、Twitter上で政治的見解をツイートしている人をタイムラインで散見する。

まず前提として、この記事で、法改正についての私の政治的見解を書くつもりはない。

では何について書くのか。現代の情報が溢れる社会における人々のメディアリテラシーの低さについてだ。

前提として、Twitterで、上記のようなハッシュタグに参戦することは私個人としては全く構わないが、自分の政治的思想や、右左翼思考が、プライベートで関係を持つような周囲の人間に伝わることで、SNSで政治的見解を見る事に嫌気がさして人間関係を阻害してしまう可能性が考えられる。

しかし、Twitterで政治的な発言する際の本当に怖いところとは、大してソース・現行法・改正案を調べもせずに、Twitter上にある偏った情報だけで問題に白黒を判断してしまう、その浅はかな思考プロセスを周囲に露呈してしまうところだと思っている。

ハッシュタグを見かけたら、まずその法律についてネットニュースや新聞、その他多くの出来るだけ真ん中寄りのメディアからのソースを多く参考にして、持論を固めた上で参戦してほしいものだ。その上で持論を右左に偏向させるのは自由である。自らその案件の近傍で直に携わっていない限り、第三者の思考を一度媒介したうえで発信される情報は少なからず、その人間の咀嚼が加えられているため、まったくの事実を受け取ることは不可能である。そのため、いくら詳しい専門家の意見と言えど、100%の事実かつ真実を参照することも不可能である。

だから私も、不特定多数の人間に展開されるような場で、政治的な発言をすることには躊躇いがある。

ただ、明らかに第三者の恣意的な咀嚼が加えられ、事実を捻じ曲げ、悪意的に情報を拡散しようとしている情報については、明確に「NO」と判断できる必要がある。

例えば、「安倍首相が逮捕されないために黒川検事長の定年が延長されている」など、ちょっと他の媒体から情報を得たら「そんなわけないだろ」と言えることですら、Twitterからのみの情報で「安倍はクソだ」という意見が拡散されていて、危険を伴う。(安倍さんが実際にクソかどうかについては、あえて今は触れないでおく)

これは、「このアカウントをフォロー&リツイートするだけで、全員に100万円をプレゼント!」みたいなアカウントを信じて、リツイートしてる人と、メディアリテラシーの点では大差ない。(前澤社長などの信頼できる人間以外が行う企画はマルチ商法、または、ただのフォロワー稼ぎであり、フォロワー数が増えたアカウントを業者に売ることで利益を上げる手法なので、そのようなアカウントの企画に絶対に加担してはならない)

また、政治的事項について芸能人がSNSを通じて発信することはグレーの領域とされてきたが、これに対して最近、ハッシュタグ等で参戦してくる有名人も増えてきた。

このこと自体は、とても良い傾向だと思っている。日本国民は政治に無関心であるという風潮を壊し、国民(特に若年層)が政治に興味を持つようになる一歩目を促すインフルエンサーとして、働きかけることは素晴らしい行いであると思う。

しかし、無知な人や、リプライツリーなら群がる多くの盲信的なファンが一定数現れる現状を考えて、カリスマ的な存在である人物こそ、しっかりとソースを調べ、情報について判断した上で、発言してほしいと願っている。

「〇〇さんがこういうことを言っている!なんかよくわからないけど、私もこれはヤバイ気がする!△△法案には抗議します!#△△法案反対」

みたいなリプライがいっぱい溢れていて、完全に義務教育の敗北、情報社会が生んだ癌である。

また、「メディアリテラシーという言葉で情報発信に鎖を掛けるな!SNS上での政治参加の動きを停滞させるな」ということを言っている人もいたが、これは言語道断であり、メディアリテラシーという言葉について勉強し直してきてほしい。

とはいえ、私も人に説教垂れるほど社会について詳しい訳でもなければ、政治に直接文句を言うほど、日本を変えたいと思っている訳でもない。ただ、せっかく応援していた芸能人や周囲の仲良くしていた人が「そんな浅い思考回路の持ち主だったのか」と失望したくないだけである。

SNSがテレビや新聞の役割を奪いつつある現代で、情報伝達スピードが早い、情報量が多くあるというメリットを考えて、SNSの利便性は大いに認める。しかし、デメリットも十二分に踏まえ、情報の正確性やソースの確認など、拡散する前に最低限の行いを心がけてもらいたい。


takk



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