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整備士の作業着をリユースしたバッグが大人気

環境に優しい社会の実現を目指そうとANAグループは使い古した全国の整備士の作業着を集め、綺麗に洗ってバッグに仕立て直して販売するプロジェクトを始めました。

このプロジェクトは社員の提案から企画されたもので昨年5月にクラウドファンディングで試験販売を行い、今年5月から本格的な販売が始まっています。

整備士の作業着はほぼ綿でできていて航空機の整備の作業に耐えられるよう丈夫かつ動きやすく作られています。普段は1人あたり8着支給されていますが作業の中で破れたり汚れたりすると廃棄していました。

今回のプロジェクトでは北海道から沖縄まで全国の整備士の使い古した作業着を集め、綺麗に洗濯します。その上で破れや汚れがひどくないものを選び出し、トートバッグ専門ブランド「ROOTOTE(ルートート)」の協力を得て、胸や背中の部分の布を活かしたデザインを考えバッグに仕立て直します。

これまでトートバッグやサコッシュなど7種類が作られていて、このうちトートバッグ(大)は作業着の背中にあるANAの大きなロゴや胸のポケットを活かしたデザインになっています。

またサコッシュは左胸にあるロゴとポケットを使った小さめのバッグで、パスポートや携帯電話などを気軽に入れて持ち運ぶことを想定して作られています。

動画でもバッグをご紹介→https://vt.tiktok.com/ZSRkTRpcQ/

今年の販売は3回に分けて行う予定ですが、初回の5月はすぐに完売したほか、2回目の8月の予約もすでに販売数を上回る予約が入り抽選販売となっています。

3回目の販売は12月を予定しています。

ANA 整備センター 機体事業室 機体技術部 作業基準チーム 高橋 秀弥さん
「初めは私の母親に作業着をバッグに仕立て直してもらったのが始まりでした。ただ作るのではなく、しっかりとした裏地をつけるなど商品として良い物になるようこだわりました。なかなか手に入りにくい状態でお客様にご迷惑をお掛けしておりますが、廃棄する作業着が出ないと作れないのでご理解いただければと思います」

ANA 整備センター 機体事業室 機体技術部 作業基準チーム 白石 明華音さん
「私も自分の作業着についた汚れは、どの作業を行なっていた時についたものか、よく覚えていてとても愛着をもっています。それぞれの整備士によって汚れる場所も違いますし、洗った回数によって色の風合いも違います。世界に一つしかないバッグなのでぜひ整備士の思いを感じてもらえればと思います」

ANA 整備センター 機体事業室 ドック整備部 整備第二課 前橋 寛大さん
「整備士は普段はあまりお客様と接点がない仕事ですが、このバッグを通してお客様とつながっている感じがしてとても嬉しいです。環境と安全を守るという思いを感じてもらえればと思います」

左から、ANA 整備センター 機体事業室 ドック整備部 整備第二課 前橋 寛大さん、ANA 整備センター 機体事業室 機体技術部 作業基準チーム 高橋 秀弥さん、白石 明華音さん