居飛車か振り飛車か
湊かなえ作品が大好き。
中でもNのためにが響きすぎて原作もドラマも何度も見た。
究極の愛を描いたミステリーだが、主人公は将棋が好きで、それを強みにしていろんな人と関わりながら物語は展開していく。
社会人になりたての頃、職場の大先輩が将棋が大好きな人で『将棋やってると先読めるようになるんだよ』と話していた。
その頃のわたしはスポンジだったので、そうかと思ってミニ将棋盤を買って持ち歩いたり、詰将棋をひたすらやっていたりしていたことがある。
そもそも二人でやるものだが、実際にはあまり人と将棋をさしたことはない。そして、いざやろうとなるとなんだか恥ずかしさが出る。なぜなら、わたしの中では将棋の指し方一つで性格が伝わってしまうと思っているからだ。
勉強していくと、戦法がいくつもあることに気づく。攻めていく方法もあれば、守る方法もある。そういうタイプなの!!と思われるのがなんとも言えない羞恥心を生む。
だから将棋がスマートにできる人ってわたしはとてもかっこいいと思うし、尊敬している。
その頃なんで将棋がいいのかわからなかったが、やってみると将棋の面白さに気づくことができたし、先をみるということのたいせつさも知ることができた。
あの手にはこう対処する。しかし、遠くて睨みをきかせているやつらがいることを忘れてはならない。真っ直ぐ突っ込んでくるやつもいる。じわじわと攻められていることに気づかずに自分の思うがままに進んで後悔することがないよう、よく見る、考える。俯瞰して冷静に物事をとらえることは、何事にもつながるなと今でも思う。
Nのためにでは、将棋をきっかけにある会社の社長さんと仲良くなるシーンがある。
経験が将来につながる可能性はゼロではないということ。
何歳になっても様々なことを吸収できる人間でいたいものである。
将棋ラバーズはぜひお手合わせ願いたい。居飛車か振り飛車か、手の内は、実際に対局したときに。
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