続き:中国税関におけるマスク水際対策

皆様お疲れ様です。今、やむを得ず外出する時にマスクは欠かせませんね。
昨日は、一般用マスクが輸出通関検査を受ける際に、着目されるパッケージ印字についてお話しました。今日は続きをお話しします。

FDA(アメリカ食品医薬品局)と並んでよく見かける印字として、CEマーク(欧州適合性)がありますが、これについてはどうなのでしょうか?

関係専門員が下記のようにコメントしています。

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要するに、FDAは必ず医療用とされ、一方、CEは医療用或いは一般用の双方が考えられ、個別の執行標準により、医療用か一般用かが判定される。よって、パッケージにFDA印字があるマスクの執行標準が、中国の民用マスクの標準である場合は、税関においてその矛盾を指摘されるというわけだ。

昼夜休みなく稼働しているマスク工場責任者は、日々変化する税関の検査規範に右往左往させられている。

二、マスクに「KN95」の印字があれば医療用マスクか?

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よく見ると、執行標準がEN149となっている。よって、一般用防塵マスクと判定される。


三,商品合格証が不合格?

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上2つの合格証を見てみよう。

あなたなら、どちらのマスクを手に取るだろうか?

当然ながら下画像のだろう。上画像の「合格証」には、メーカー名、製造年月日、有効期限、執行標準等が印字されていない。所謂「※三無商品」に近い。※メーカー名及び所在地、製造年月日、製造衛生許可証等が不明な商品

商品合格証の他に、パッケージ表面にも製造年月日が印字されていることが求められ、記載がない場合は規範に反するとし、通関できない可能性がある。

以上、最近業務の中、図らずも触れることになった情報を共有した。

一言いいたい。

権威による日々変化する規範に、現場の関係者達はよく耐え、よく勉強し、昼夜問わず本当によく働いている。彼ら相互のコミュニケーションは迅速で合理的であり且つ柔軟、知力と胆力に溢れるプロフェッショナルなのだ。




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