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海から連想するもの(にこさんとの文通)

にこさんと文通です。前回のお手紙はこちら。


にこさん、こんばんは。6月15日22時前です。今日は細々した用事を色々やってたら、もう1日が終わろうとしています。この前の文通で紹介した、今泉監督の新作ドラマ(1122 いいふうふ)の配信を見たり、親と電話したり、ちょっとうたた寝したり…。明日は予定が詰まってるので、あまり自分の時間が取れないから、寂しい気持ちです。もう少しひとりのゆっくり時間を味わっていたかった。

それと同時に、この時間になって、どうしようもない寂しさが襲ってきます。久しぶりの感情にちょっと戸惑いつつ、創作にうってつけなこの渇き、やり過ごせてないのに喜んでいる自分もいて、我ながら面倒くさいと思います。これを読んでいるにこさんは尚更面倒くさく思うかもしれませんが、悪筆をお許しください。

にこさんは中学時代にテニス部だったんですね。なんだか新鮮な気持ちがします。ずっと文学少年/青年だったのかな、と思っていたから。運動部を想像したこともなかったです。きっとこの手の過去のお話、Twitterでお話してのみだったら出てこなかったかもな、などと思って、にこさんのことを知ることができて嬉しく思います。ちなみに私は中学から大学までずっと軽音部だったので、THE文化部といった感じでした。

文通を読んでると言われる件ですが、よく考えたら不思議だなと思います。にこさんの方がnoteのフォロワーが多いと思いますし、私は同じくらい貢献できてないなと思うのに。テキトーに書いて投稿してるわけじゃない、というのは私も同じ気持ちです。にこさんへのお手紙であるとともに、人に見せてるものということで、この少しの緊張感が良いスパイスのようにも感じます。スイカに塩をかけるように、梨に山椒をかけるように。

これまで見た映画、セレクトがこれまで映画見なかった人の取り合わせに思えず、興味深いです。セイントフランシス、観たことなかったけど、にこさんの感想聞いて好ましく思いました。私も起承転結やメッセージがハッキリしてる作品はあまり好まなくて、ストーリーがない/ぼんやりした作品が好きです。人に好きな映画を聞くと、今書いたどちらの種類の作品が好きな系統なのかわかる気がします。大抵、ストーリーがない/ぼんやりした作品の方が好き、という人とは仲良くなれる気がします。

それから、感受性が合わないな、と思うのに、映画を見続けるにこさんのことを、不思議に思いました。今まで触れてこなかったものにチャレンジして、殻を破りにいこうとしてるのか。はたまた、映画の良い作品に出会うまで見続けているのか。どんな気持ちで見ているのか、気になってしまいました。どうか私の映画やおすすめ作品も、苦しかったら無理しないでくださいね。心が痛くなってしまいます。

また、感想を書こうとしてくれてるのも、真摯に向き合ってもらってるみたいで嬉しいです。重荷にはしたくないですが。前も、六本木の美術館をおすすめした時、実際に行ってくださって、noteに感想も書いてくれましたよね。

こういう受け取りっぱなしにしないで、きちんと観たり行ったりして、感想まで書くということは、できる人多くないと思います。それだけ、誠実で行動力のある方なんだな、というふうに認識してます。にこさんのそういうところが素敵だなと思います。

字数カウント、ほぼぴったりなのが凄い!さすが小説たくさん書いてきただけありますね。私は仕事で記事書く時に3,000字がひとつの基準だったので、3,000字でセンサーが働きます。ちょっと少ないな~と思うときは大体1,000字未満、ぼちぼちかなで1,500字、まあまあ書いたなというときは、3,000字です。今何字か当てようと思いましたが、その前に字数見てしまいました。1,584字。

最近のにこさん、夏や海の話をよくしていますよね。きっと、にこさんにとっての夏がやってきたのでしょうね。吉本ばななさんの「TUGUMI」、初めて聞きました。Twitterで検索かけたら、こんなフレーズが出てきて良いなあと思いました。何か2人の前に、海という共有をすることで、言葉がいらなくなってしまう、とか。

海と聞いて思い浮かべるもの。私は現実の海の思い出があまりないです。小さい時に親に江ノ島に連れて行ってもらって、海水浴をしたくらい。そういうことで、創作や作品のモチーフとしての海が私にとっての海です。

昨年、知り合いの編集者の方が主催してる、海をテーマにした文芸誌に寄稿しました。その時に、海をテーマにした小説を書いたのが記憶に新しいです。やっぱり、海と聞くと、ロマンスを思い浮かべます。昼間のキラキラした水面に白ワンピースと麦わら帽子の女性なんて、下手な風景も浮かべば、夕焼けが反射してる海を前に打ち明け話をする恋人たち、なんていうのも好きです。

この話とは別に、にこさんに海行こうって言った日は、特別に海に行きたい感情が昂っていったんです。大好きなライフスタイル系のYoutubeやってる方がいるんですが、お友達とふらっと逗子の方に海を見に行って、近くのカフェでお茶してる様子が素敵だった。海そのものもだし、お友達と連れ立って、海行かない?と行って、サクッと行ける軽やかさも良かった。

そんなときに、にこさんが海連れていって、ってツイートしてるのを見て、とびついてしまいました。私はフッ軽すぎるところがあるというか、怖がらせてしまっていたら、ごめんなさいね。でも嬉しかったなら、良かったです。海行けたら楽しそうだけど、初対面で行くところでもないな、と思います。

それにツイートでも言いましたが、文通相手とは早々に会うのはもったいないというか、会いたくないというと言い過ぎですけど、文だけで話すから感じられるものが尊いなって思います。良い例えじゃないけど、目隠してると聴覚が鋭くなるのと同じで、文だけだから鋭敏に相手の感性や感受性を受け取れるって、あると思いませんか。

そんなわけでとても海に行きたくなりました。今年の夏は、フィルムカメラをもって、ひとりでふらっと行こうかなとも思います。

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