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ピアノ即興ってどうやるの? by ピアノ即興系VTuber あれぐろもると

即席でピアノ曲を作曲・披露する「ピアノ即興」。これをやるためにとても大事な2つの秘訣である、①普段からの意識的な訓練によるレパートリーの充実化と、②曲全体の構造を俯瞰しながらアウトプットすること、についてピアノ即興系VTuberあれぐろもるとが解説します。

※ 全く同じ内容を動画にしておりますので、動画形式をご希望の方はこちらをご覧ください。

1. ピアノ即興ってなに?

これは配信でピアノ即興曲「潮騒」を即興演奏したときのようすです。しんみり系というコンセプトで、その場で頭に浮かんだ音楽を弾いています。即興曲とはこのように「机に向かって作曲」という手順をスキップし、ただちに音楽としてアウトプットする一種の芸術活動のカタチといえます。

今日はこのピアノ即興をあれぐろもるとがどのように行っているか、その一端をお伝えすることで、皆さんの今後の活動の参考にしていただけたら幸いです。

2. 和音進行デッキを作る

即興演奏の完成度は、その時々においていかに魅力的な出力ができるかにかかっています。特に、伴奏における和音の選び方は、楽曲の魅力に密接に影響してきます。和音の動きのレパートリーを自分の中にたくさん揃えておくことができれば、即興演奏に必要な要素のうち9割は、もう習得できたものといっても過言ではないと思います。

この「和音の動き」を、自分のレパートリーに加えていくコツは、普段から演奏のときに「自分がいま何の和音を弾いているか」を強く意識する習慣をつけることです。どの和音から、どの和音に行くと "エモい" のか、その感覚を普段から耳で実感しながら弾く、この訓練を徹底的に繰り返していくことで即興演奏のための「和音進行デッキ」が自分の中で醸成されていきます。ここまで来たら、もうゴールは目前です。

ね?簡単でしょう?

…と、まあ冗談はさておき、和音進行デッキを充実させておくことでその時々でより良い伴奏が出せるようになります。「今回の即興では "エモい" 和音進行のカードをデッキから何回切ることができたかな?」とあとから振り返って数えてみるという楽しみ方も個人的にはおすすめです!

3. "エモい" カードを切る

和音進行デッキから "エモい" カードをどのようにして切ればよいでしょうか。

デッキから良いタイミングで良いカードを切るコツは「楽曲全体の構造」を俯瞰的に見ることにあります。良い曲というものは、盛り上がる場所を曲の中心に取っておくものです。例えばJPOPでは「サビ」がそれにあたる部分であり、ソナタでは「展開部」がそれにあたります(たぶん)。一番 "エモい" アウトプットは、一番盛り上げたいサビの部分でやりたいですよね。したがって、それぞれのカードの "エモさ" を自分の中でランク付けしておく必要があります。

ぼくの場合は、「和音の種類が多い」和音進行を、よりエモい進行としています。例えば、Am→C→Am→C よりAm→C→E♭→F のほうがエモいです。ただしこのランク付けのやり方には、個人差があるので注意してください。和音進行の感じ方は個人の感性に依存するので、自分の感覚を信じることが大事だと思います。

そしてまた、強調したい部分は、何度も繰り返すことが重要です。繰り返すことで、その部分が作曲者にとって、最もドラマチックに表現したい箇所であると、念を押す形で、オーディエンスの耳に強く印象付けることができます。

まとめると、曲全体の構造を意識し、強調したい箇所は出し惜しみしつつ、一度出したあとは何度も繰り返して強く印象付けることが即興の秘訣ということです。リアルタイムで楽曲をつむぎながらも曲の全体を意識するということは、慣れるまでは少し大変かもしれませんが、頑張ってみてください!

4. おわりに

ここまで長々と、ぼくなりのやり方を解説しましたが、本質的に即興というものは自由なものです。ですので、今回紹介した方法にとらわれすぎず、自己流の即興を探していくのが良いと考えています。

また、今回は主に伴奏に関して解説しましたが、メロディーについてはかなり自由度が高いのであまり解説する必要はないかなと思います。思ったように弾くのが一番いいのではないでしょうか。

ここまで読んでいただきありがとうございました!少しでも皆さんの参考になればと思います。良い即興ライフを!

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