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怖い夢と君

連日睡眠不足だったからか、今朝は特に寝覚めが悪かった。自分の偽物が好き勝手してるんだけど、誰も偽物だって気づいてくれないって夢。妙にリアルなのが気味悪いなぁ。

こういう奇妙な夢を見ると、現実に自分と同じ姿をしたやつが現れた時に、

「こいつは偽物だ!」

って断言出来る人って、どのくらいいるんだろうと思う。よく関わる友人も、血の繋がった家族でさえ、気づけないんじゃないかなと僕は思う。いつ何時もその人らしく振る舞う人なんていないんだ。


このような旨の話をしたところ、

「SFとか都市伝説とか結構好きだぞ!」

と言われた。そういう話じゃないんだけどな……。

「もし僕の偽物が現れた時に、おるばくんはちゃんと気づいてくれる?」

おるばくんは首を傾げる。

「うーん、いつもましゅのこと見てるし、気づけるとは思うんだけど。声とか癖とかまで全く本物と同じだと、遭遇しても俺の勘違いかなって思う気がする」

「そうだよね」

こんなこと考えたって仕方ないよね、と話題を変えようとしたらそれより先におるばくんが僕の顔を覗き込む。

「じゃあさ、俺ら2人にしか分からない合図を決めようぜ。そんで、怪しいなと思ったらそれを試す!どう?」

我ながらいいアイデアだと言わんばかりのドヤ顔とにらめっこしてたら、思わず笑ってしまった。

「いいね、どういう合図がいいかな」

いつの間にかわくわくした気持ちでいっぱいになっていた。見た目が違っていても、こうやって話をしていたら、必ず君のこと見つけると思うな。

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