【読書】葬送のフリーレン(1巻)

2021年に漫画大賞を受賞した葬送のフリーレン。

魔王を倒した勇者一行のその後を描く後日譚ファンタジー

このあおりだけで読んでみたくなるのは自分だけ?でも漫画大賞を取ったのだから、そうじゃないよね。
あらすじとか詳細はWikipediaに譲るとして、ネタばれ覚悟で自分の解釈を書いてみようかな、と。因みに1巻だけです。その内2巻、3巻と書いていこうかな。というつもり。

因みにサンデーうぇぶりでも読めます。

はじめに

タイトルの通り、フリーレンが主人公です。
フリーレンはエルフ族で長寿です。この設定がちょいちょい出てきます。
物語の時間軸は「年」なので私たちの感覚と似ているのですが、フリーレン的には全然違います。
どう違うかと言うと、例えば。

「たった10年一緒に旅しただけだし…」

という台詞。自分達の感覚では、10年って、長いですよね。
だからフリーレンの感情が中々に伝わってこない。
これを自分達の感覚に合わせる為に、ちょっと変えてみましょう。

「たった10週間一緒に旅しただけだし…」

どうでしょ?
こう見ると、フリーレンの台詞が現実味を帯びてきませんか?
例えば自分がフリーレンだとして。
自分たちの時間で80年生きるとすると、大体4000週。
魔王を倒した後、勇者ヒンメルと再会する迄に50年(=50週間≒1年)。
人間の寿命を80年(=80週≒20カ月≒2年)だと見なして、この物語を読み直してみましょう。

時間について

魔王を倒した時を0年とすると第1巻の時系列はこんな感じです。
因みに作中では勇者ヒンメルが死んだ時を0年としています。

 0年後 勇者一行、魔王を倒して凱旋する。
50年後 勇者ヒンメル死亡。
     フリーレン、人を知ろうと決意する。
70年後 フェルンと出会う。
76年後 僧侶ハイター死亡。フェルンと旅に出る。
77年後 フェルン16歳になる。
80年後 戦士アイゼンと再会。
     フリーレン、ヒンメルに再開する為に旅に出る。

話はフリーレンの時間感覚で進んで行くので、凄くサクサク時が進んでいきます。1巻だけで人間時間で80年。でもエルフ時間(1年=50週)で考えると、2年も立っていない。

勇者ヒンメルが死んだとき、フリーレンはドワーフの戦士アイゼンを旅に誘います。その時、アイゼンが断った台詞。

勘弁してくれ。
もう斧を振れるようは歳じゃないんだ。
そんな顔をするな、フリーレン。
人生ってのは衰えてからのほうが案外長いもんさ。

そしてハイターと再会し、死別するまでの間。
フェルンの髪の長さがボブからロングまでになっています。

蒼月草を探している時のフェルンの台詞。

フリーレン様の魔法に対する執着は異常です。
このままでは何年でも何十年でも探し続けてしまう。

時間に対する感覚が人間とエルフでこれだけ違うんですよね。
フリーレンからすると
「何週でも何十週でも探し続けてしまう」
程度です。

つまり「時間」というのがこの物語の根底に流れていて、それをフリーレンが表現している。

まとめ

もの凄く雑にまとめると、時間って何でしょ?、という事かと。
そしてフリーレン。この世界では圧倒的マイノリティ。

エルフ時間で考えると、仲良くなった人は毎年死んでいく。
人間では想像出来ない時間というのを、フリーレンを通して眺めて見る、というのも面白いかも。

余程の理由がない限り記事は無料です。読まれた方が何かしら刺激を受け、そして次の良いものが生まれてくれると嬉しいです。