【読書】葬送のフリーレン(2巻)

書ける時に書いておこうフリーレン第2巻。

前回はフリーレンを「時間」という軸で見て見ました。
今回は話毎に考えて見た。でもフリーレンを中心に語っている場合、どうしても時間が関わってきますね。うん。

時間の単位の話

時間の単位って、何でしょうか?
秒、分、時、週、月、年
本当にそれだけ?
%はどう?というお話。

フリーレンが魔王を倒す旅は10年。これは仲間の誰でも一緒でしょう。
これを%にして見ましょう。
分母を人生とすると、フリーレンの1/100に満たないそうです。
ヒンメルやハイター、アイゼンについては言及されていないので分かりませんが、もっと大きいでしょう。多分、1/2とか1/3とか。
これがフリーレンの死生観に影響を与えています。

時間の無駄だからね。
色々教えてもすぐ死んじゃうでしょ。

前回で考えたように、10年を10週と考えてみましょう。人生を80週(約2年)だと考えて見ましょう。
毎年、弟子が変わる気持ちです。近いのは何だろう?学校の先生かな?
そこにモチベーションが無いと、中々に難しいのかも。

でもフリーレンはフェルンと言う弟子を取りました。何故か?
ヒンメルが死んだ事が切欠になっているのは1巻で語られています。
では何故ヒンメルが死んだ事が切欠になったのか?
アイゼンのこの台詞が語っています。

その百分の一がお前を変えたのだ

10年と言う冒険の時間が、フリーレンを変えました。
少なくともフリーレンにとって「時間の長さは関係ない」という話です。
これについて、もう一つの示唆があるならば

時間の単位は長さである

という思い込みを捨てると、また違う見方が出来るかな、と。

私の中のあなた

幻影鬼は幻影魔法で「あいての大切だった人(死者)の幻を見せる」魔物です。

フェルンにはハイター、フリーレンにはヒンメルが出ました。
実は自分、この魔物に会ってみたいです。自分には誰が出るのか、そして何と言うのか。

因みにフリーレンのヒンメルは「撃て」と言います。
幻影魔法は相手の記憶を読んでいます。
つまり「フリーレンのヒンメル」はこういうシーンでは「撃て」と言うのですね。他の人のヒンメルは何て言うのだろうか?

因みに、〆の言葉は。

次は本物に会いに行こう。

つまり、「フリーレンのヒンメル」「フェルンのハイター」は本物のヒンメルでもなければ、本物のハイターではない、という事です。
私たちの中にいる誰か、私たちの語る誰か、それは本物ですか?という問いです。
つまり

私たちの中の誰かとは本物足りえない
貴方たちの中の私も本物足りえない

という基本的で当たり前で、そして誰しもが忘れやすい事実、と言うのを表現しています。

この恐怖が俺をここまで連れてきたんだ

新しい仲間。アイゼンの弟子。シュタルクさんの登場です。
アイゼンさんにぶん殴られて家出した子です。
家出した後、3年間、村の英雄をやってた臆病者、という設定です。

必要なものは覚悟だけだったのです。
必死に積み上げてきたものは決して裏切りません。

フェルンのこの言葉、真に受けちゃいけません。
そもそも「裏切り」って何でしょうか?裏切られたって思うのは誰?
つまり本来的に「自分が裏切られた」と思わない限り裏切りは発生しません。(これ、変な理屈じゃないですよ)
あと「必死に積み上げてきた努力が裏切らない」なんて誰も決めてません。
自分の努力に対して、思った通りの結論にならなかったから裏切られた、と思うのは、自分です。
ただ、この一言でシュタルクが覚悟を決めたのは確かなので、結果オーライです。

さて置き。
恐怖や苦しみや悲しみといったネガティブな感情、悪いものと決めつけるのはどうでしょうか?
過去の歴史を見て見ましょう。
苦しみを背景にして偉大な結果を残した人は沢山います。例えばフロイト。アドラー。ウィトゲンシュタイン。などなど。
上の3人は第一次世界大戦に従軍してます。フロイトやアドラーは従軍医です。医者としてケガを直してまた戦場へ送り出す気持ちってどんなんでしょうか?
そしてもう一つ。苦しみを背景にして、そのままダメになった人も沢山いるでしょう。歴史には名を残していないかもしれません。

唯一つ言える事は、アイゼンは

この恐怖が俺をここまで連れてきたんだ

という事です。
つまり

全ての人にとって必ずしも恐怖が立ち止まる理由にはならない

という事です。
これは恐怖に限った話では無く、つまるところ、私は何をしたいのか?、という話です。

おとぎ話

実在って、何でしょうか?というお話です。
例えば、豊臣秀吉は実在したんでしょうか?
例えば、ガッキーは実在するのでしょうか?
例えば、あなたは実在するのでしょうか?
それはどうやって証明するのでしょうか?
というお話です。

未来で一人ぼっちにならないようにするためかな。

ぶっちゃけ、これが全て。
「私だけが覚えている」という状態は、傍から見るとおとぎ話や妄想と区別がつかない状態です。

さて。そんな世界に住んでいるフリーレン。
彼女は何故、今も生きているのでしょうか?という背景を想像すると、何か見えてくるかもしれません。

疲れたので、ココまで。

余程の理由がない限り記事は無料です。読まれた方が何かしら刺激を受け、そして次の良いものが生まれてくれると嬉しいです。