![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/32513125/rectangle_large_type_2_ed463b45aaa18ef8e39d470a484acede.jpg?width=800)
時感のズレ
初めて組んだり、外の人と仕事するときに注意してることって何ですか?って質問をいただいた。いろいろあるけど、一番はこれかなぁ…感覚の違い。
感覚(間隔)の違い
あたりまえっちゃあたりまえだけど人によって感覚は違う。結論から言えば、この感覚が近い人、合致する人は一緒に仕事しやすいと言える。
感覚の中でも時間の感覚(間隔)❝ 時感 ❞ は最も大事だろう。例えば、都会の人が10分歩くことなど日常茶飯事だが、田舎で10分歩くと言ったら車で送っていくと言われるくらいシンドイことのようだ。同じ10分でも環境や立場によって時間の感じ方 ❝ 時感 ❞ が違うものだ。
こんな経験はないだろうか。
・急がないからこれやっといて
・時間があるときにやっといて
もちろん本気で、心から「いつでもいい」なんて思って言ってるわけじゃないが、それを心の底から何の疑いもなく真に受けて作業してるピュアな人も居る。ここでコミュニケーションの齟齬が生まれ、揉めるケースも少なくない。
ではなぜ、こういった時感のズレが起こるんだろう。
立場の違い
これには「自分が置かれてる立場」の違いが大きく影響する。どういうことか。
・頼む側は、頼んでから出来上がるまで「待つ」立場
・頼まれる側は、頼まれてから出来上がるまで「待たせる」立場
制作現場では、クライアントは常に待たされ、制作や開発は常に待たせる側になる。制作側でもクライアントに近いディレクターなどは、感覚としては待つ側になるだろう。
つまり待つ側は一日千秋の思いで、待たせる方は光陰矢の如しの思いで、時を過ごしている。
デートの待ち合わせで、待つ方は5分遅刻されると5分以上待たされた感覚になり、逆に待たせる方は急いで向かっているので5分があっという間に過ぎ去ってしまい、それほど待たせた感覚がない。
この感覚のズレがこの後の態度に出てしまうと、楽しいはずのデートが台無しになってしまう。
さらに、待ってる側は依頼することで自分のタスクは終わっており、ただひたすら待つのみなので、
まだかなぁ...急いでないって言ったけど、普通はそうは言っても、ナルハヤで対応してくれるよね?朝、頼んだから夕方には上がってくるでしょう。そうすれば今日中にクライアントに投げられるからスムーズに行くな。
と、自分の時感で予測やスケジュールを自分勝手に立てる。
一方、待たせる側はというと、
急いでないって言ってたし、まだ着手しなくていいよね。明日くらいには着手できるかな。今やってる作業を優先しよ。朝一で着手して、お昼くらいに出せば意外と早かったねってなるよね。
と、こちらも自分の時感で予測やスケジュールを自分勝手に立てる。
この後どうなるかは想像に難くないだろう。
依頼する側は、当然、スケジュールや進捗を管理しなければならないし、この後に続く作業や相手が居る事も多いので、なるべく早く対応してもらいたい。
依頼される側は、並行して作業が複数ある場合、当然、優先順位を考えて作業を進めなければならない。
どちらも、置かれてる立場で時感に差が出てしまうことはおわかりいただけただろうか。
時感を合わせよう!
では、こうならないためにはどうしたらいいか。
実は意外と簡単に解消できる。
時間の感覚にズレは、端的に言えばコミュニケーション不足で、これはお互いの怠惰によるものなのです。
つまり以下の内容をお互いが確認することで齟齬は回避できます。
依頼する側は、「いつまでに」「どこまで」やるかを時間を切って明確に指示を出し、依頼される側はその内容を再確認する
これだけ。たったこれだけを事前にお互いが共通認識することで、半日ズレる感覚のロスを防げます。
もう少し細かく言うと、「いつまでに」は言うまでもなく時間で、夕方という曖昧なものではなく「17時までに」といった具体的な時間を提示する方がいい。
「どこまで」というのは、17時までにどこまで(質や範囲)できていればいいのか?ということで、クライアントに提出できる状態にまで仕上げる期限が17時なのか、一旦提出してそこから修正などを掛ける時間が17時なのかを再確認する必要があります。
こうすることで、依頼する側は目途が立てられるので、いつ出来上がるのかとヤキモキと気を揉まずに済むし、依頼される側も、タイムスケジュールが把握できるので、優先度や予定がいろいろと立てやすくなります。
いつも待たせる側の制作や開発側のみなさんも、画像やテキストなどの素材待ちや、提出後の修正待ちをしている状態を想像してもらえば、わかりやすかろう。
また、すぐに着手できない状況でも、それを事前に摺わせておけば、あとで揉めることはありません。
さて今回のまとめ。
こうすると美しいっていう遣り取り。
依頼する側:
「悪いんだけど、こっち優先で作業してもらえる?これを17時までにクライアントに提出したいので、16時に一旦上げてもらって、その後修正って感じで進めたいのでお願いします」
依頼される側:
「了解です!では、こっち優先で。昼過ぎに一旦、ラフと進捗を出しますね。方向性に問題がなければ、16時までにアップします。何かあったら都度、連絡します」
あるいは、
「スミマセン!今、作業が詰まってて、スケジュール的に難しいです。明日の12時までにアップでよろしければ対応可能ですので、引き伸ばしてもらえますか?」
依頼する側:
「了解!クライアントは抑えますので、そのスケジュールで進めてください。後程指示出しておきますので、確認だけ先にお願いします。不明点はご連絡を」
この遣り取りをしておくだけで、詰まらないロスが防げるし、精神衛生上も健全で居られるし、下らない喧嘩で関係も悪くしなくて済むので、是非是非、相手が誰であろうと少しの時間と相手の立場を思いやって、実践してください。
コミュニケーションによるロスはばかばかしいですからね。
時というものは それぞれの人間によって
それぞれの速さで走るものなのだよ
ウィリアム・シェイクスピア(英国の劇作家、詩人)
『時感のズレ』ってお話でした。
弊社のクエストは「関わったら最後まで」。クリエイターやフリーランスの目指し方、働き方を提案。育成からマッチングまでを紹介するサポートマガジン || https://note.mu/aljernon