見出し画像

不妊治療は妊娠できない原因を探っていく治療

生殖可能な年齢にある男女が避妊することなく性交渉を行っていても妊娠しない状態がある期間続けば不妊といいます。現在では1年間妊娠しない場合に不妊と考えるのが一般的です。しかし、1 年経っていなくても、その男女の年齢を考慮して、不妊の原因がないか検査や治療をすることもあります。
不妊治療を始めようというときどんな治療法があるの? どの治療を受けるのが良いの? 高いお金を払って高度な治療を受ければ早く妊娠できるの? いろいろ考えるかもしれませんね。
 
不妊の原因は女性、男性、男女両方、原因不明、それぞれ同じくらいの割合です。診察は必ずパートナーと二人で受けましょう。
感染症検査、性ホルモン、甲状腺ホルモン、子宮、卵管に問題はないか、精子はうまく作られているのか、排卵はできているのか専門医に検査をしてもらいましょう。
何らかの問題が見つかった場合には。感染症の治療、血糖コントロール、甲状腺の治療、排卵誘発、卵管や子宮、精巣静脈瘤の手術など問題をクリアするための治療が必要です。
 
その後、タイミング法、人工受精などの通常の不妊治療、それでも妊娠できない場合は体外受精や顕微授精などの高度生殖医療へとステップアップしていくのが普通なのですが、卵管が通っていない場合、精子の数が極端に少ない場合などには、最初から体外受精や顕微授精などの高度生殖医療が必要となることもあります。
 
ステップアップというのは、
①  タイミングが合っていないだけなのかな? 排卵日を確認することで受精の確率を上げるタイミング法、
②  精子と卵子が出会っていないのかな? 精子をより卵子の近くまで届けて受精の可能性を上げる人工授精、ここまでは女性の体内での治療となります。
③  精子と卵子をこれ以上は近づけることができないので、体外に取り出し、確実に受精、胚分割が始まったことまで確認したうえで子宮に戻してあげる、体外受精、顕微授精
このように、どこに問題があるのかということを確認していくということです。
 
ステップアップするにつれて、より自然妊娠に近い治療からより人為的な方法へ、女性の体への負担の少ない方法からより負担の大きい方法へという流れになり、費用負担も大きくなっていきます。
どの方法も、およそ何回くらいまでは繰り返すと累積妊娠率は上がるがそれ以降は妊娠の確率はあまり上がらないということが統計的に調べられていますので、1つの方法をある程度の期間試したら次のステップに進むことをお勧めします。
ステップアップのスピードは年齢、それぞれの方の状況により異なりますが、ご本人とパートナーの方が納得して治療を進めていくことが一番大切なことです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?