弱さ。


コンプレックスって色々あるけど
私はどこもかしこも愛おしかった。


青髭も広いおデコも、胸毛もすね毛も
頭が悪い所も子供な所も背が小さい所も
全部愛おしかった。


私が「弱みを見せるな」って言った事が彼の中では相当ショックだったみたいで何度も悲しかったと言われた。
私が伝えたかった事が私の言い方が悪いせいで本意ではない伝わり方で伝わってしまった。


「弱みを見せれるのが彼氏彼女でしょ?」

彼はそう言っていた。
そう言って私に甘えに甘えていた。


私は決して弱みを見せるな、完璧でいろ、かっこよく居ないと許されない。
そんな事は1ミリも思って無かった。
ただ口から出たのはカッコ良くいて欲しいと言う願望から

「弱さを見せずに、彼女や好きな人の前ではカッコよくいようとするのが彼氏じゃないの?」

だった。


私が言いたかった事は
「弱い」のをひけらかしてそれを当たり前にして生きようとしているその考え方ってどうなの?って事だった。
人は弱いものだから、弱くて当たり前だから強くあろうとするものじゃないの?


「弱いから、うまく出来ないけど自分はこうなりたいと思ってるんだ。頑張るよ」

自分の弱さと向き合って、その上で自分の意思を貫く姿勢は人として必要じゃないのかい?
なんでそれを他者に求めるのか分からなかった。
自分で弱さを理解して受け止めたらそれで充分じゃないか。
他者に受け止めて貰う事を願うのは、努力を放棄するのと同義じゃないのか?
楽をしたいだけじゃないのか?
楽が悪いと言う訳ではないけど、しんどくても張らないといけない意地や頑張らないといけない事はあると思っている。

貴方の言う「弱みを見せるのが彼氏彼女」は

「努力し頑張り続ける事を放棄させてよ、だって僕は弱いから。」
そう聞こえた。


弱いのを盾に、人を傷つけて、己の弱い部分受け入れない他者を非難して、距離をとって、怒って、出来ないよ!って開き直る
それは果たして、彼氏彼女以前に人としてあまりに稚拙じゃない?本当にそれが理想なの?と思っていた。


弱いのを受け入れ合うのは素晴らしい事だと思うけど、それは受け入れて貰ったから甘えて頑張らなくても良い。と言う事では決してない。



私の中で弱さを受け入れるというのは

『出来ない事で苦しんでいるけど、それを貫く為に頑張っている相手が挫けそうになった時「出来るよ!大丈夫!」ってお互い鼓舞しあっていける事』
だった。


そうしたら彼は
「分かってるよ!だけどこんなに頑張っているのにりりちゃんは一切見てくれない。認めてくれない。」
って泣いていた。


そもそも頑張りを認めると言うのも私は意味がイマイチ分からない。
頑張りなんて目に見えないものを他者に「これだけ頑張ってる!」って我が物顔で叫ぶ人で本当に頑張ってるのを私の29年間の人生で見たことが無い。


頑張ることなんて大人だったら当たり前なのだ。
頑張る事なんてスタートラインに立ったに過ぎない。
そこからどう進んでいくのかなのに
頑張る事がゴールになってたら本末転倒じゃない?


頑張っていたり、自分のなりたい自分の為に生きていたり、夢を叶えていたり、何かを成し得た人は
「頑張る事は当たり前だよ。やりたい事してるから苦じゃないだけ」
って笑って余裕そうにしていた。
私もそう言う人で居たいと強く憧れた。


頑張りなんて後になって付いてくるものだし
他者に認めて貰うものではそもそも無い。
自分が頑張ったと心の底から思えて、自分の事を認めてあげられるのかが1番肝心じゃないのか。
と元彼に対して常に思っていた。


他者にはとんでもなく大変そうに振る舞えても、自分だけはどれだけ頑張ったのかサボったのか…それらを全部知ってるから、嘘は付けない。
自分の中で頑張ったと言える様に生きる事が1番大事なんじゃないの?と思っていた。


そもそも彼は私の事はほぼ受け入れ無かった。
それを伝えたら


「自分にできない事を人に求めるのってそんなにダメなこと?」


って理不尽に怒っていた。
理不尽が嫌いだと言う割に、誰より理不尽だった。
私の少しの理不尽には目くじらを立てて怒っていた。
あまりに稚拙で話にならなかった。


それでも私は精一杯自分なりに向き合ったし、自分なりの愛を与えて、幸せだった。



私はカッコ良い人が好きだ。
これはずっと変わらない。


自分の発言に責任を持って、どんな事があっても自分の決めた事は貫いて、対処していく。
世の中は理不尽な物だと割り切って、決して腐らず諦めないで自己実現の為に努力する。
有言実行。
簡単に折れない意思とそれを実現させる忍耐力。
それらがある人が好きなのだ。


私もそうなりたい。
私も私がカッコ良いと思える人間でいたい。
自分と向き合う事から逃げず、その場その場でしっかり考えて自分の人生に責任を持つ。
そういう風に生きていきたい。


死ぬ時、また自分で生まれてきたいと思える様に生きるんだ。


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