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【雑記#5】芸術家、介護士になる

3月まで、美大に通いながら芸術家をしていた。在学中にテレビに出たし、映画の美術スタッフとして仕事をしたこともある。そんな私が卒業後の就職先として選んだのは、なんと介護職「美大出て介護って珍しい」「芸術家としてずっとやっていくんだと思ってた」「まさか就職するとは…」と、周囲の人にすごく言われた。同業者はもちろん、友人・お客様・顔見知りのギャラリーさんにまで言われた。

前回の話と被るところがありますが、正直なところ、作家活動のモチベーションは1〜2年前から徐々に低下していた。開業届を出して本当にそれが"仕事"になって、あわよくばこのまま作家を続けるのも良いかなと思った時期もあるが、その熱は続かなかった。趣味を仕事にするなと言われているのは事実で、「やらなくてはいけないもの」になった瞬間、活動への興味が薄れていくのを感じていた。それでも展示の誘いが来たり、毎年決まった時期に個展を開催していたため、特に昨年はその準備だけどうにか終わらせるのがやっとという有様であった。
そんなわけで、美術の仕事はお腹いっぱいだった。同時に、恐らく私はリモートワークにも向いていないだろうと気付いた。憧れはあるけどね。ただ、作家活動然り、家が仕事場になると気持ちの切り替えができなくなって、最終的に仕事のことしか考えられず発狂する未来が見えた。通勤時間はスイッチを入れるために必要なものである。なので、就活は敢えて自分がこれまで踏み入れたことない分野で、且つリモートにはならないであろう企業ばかり受けていた。車屋さんとか、外食チェーンとか。何に向いてるのか自分でもよく分からず、なんとなく知らない世界に触れていたくて結構はちゃめちゃな就活だった。

意外と体動かす仕事のほうが向いてるのではないかな、と思って受けたのが福祉系の企業。ここに内定をもらって現在に至る。両親にも「介護向いてると思うよ」と言われたし、初任者研修で実技の勉強をしたときも、身体の使い方や理論を学ぶのは存外に楽しかったので、結果的にはこれで正解だったらしい。離職率が高い職種だし、よく3Kなどと言われていますが、その分やりがいはあると感じる。まだ1ヶ月しか勤めてないけど、私を信頼してくれる利用者さんもいるので、2〜3年くらいは頑張ってみたい。
それと、ルーチンワークじゃないのもありがたい。毎日毎日同じことするのってなんか嫌で、早番・遅番・夜勤と業務内容が違うこの仕事は、毎日何かしら面白いことがあってとても刺激的。

自画自賛になるけども、自分で思っていたよりも筋は悪くないようで、予定より早く研修期間を終えて独り立ちすることが決定しており、不安半分嬉しさ半分といった具合ですが、今のところはノンストレスである。

余談になるが、二度目の給料日が来た。一昨日は仕事帰りに一人で飲みに行き、昨日は本を買い、今日も一人で飲みに行く。ありがとう給料日!

買った本たち

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