桃太郎伝説 if 2

2話「嵐の夜に生まれたもの」


むかーしむかしあるところにおじいさんとおばあさんがすんでいました

そのひはふたりがはじめてだとおもうほどのおおあらし

おばあさんがおびえながらおじいさんにいいます

「ああ、怖い怖い、家が飛んでしまうよ」

おじいさんはじしんまんまんにおばあさんにいいます

「ワシが建てた家がそう簡単に吹き飛ぶもんか!安心せいばあさんや」

するとおばあさんがすこしおちついてそとをみました

いつもとはちがうけしきにきづいたおばあさんがおじいさんをよびます

「ねえおじいさんや、なんだろうねあれは」

「なんだいばあさんや、ん?なんだろうね、山が光っておるな」

おじいさんのいえからみえるそのやまにはむかしからだれものぼったことがありません

やまのうえにはかみさまがすんでいてにんげんがちかよるとたたりがおきるとつたえられていたのです

そんなやまがこのあらしのよるにやさしくひかっています

おばあさんはいいました

「きっと神様が嵐を止めてくださるんだね、ありがたやありがたや」

「そうじゃな、ワシもお祈りしておこう」

ふたりはねむりにつくまでずっとやまにむかっておいのりをしました

なんどもなんども

するとつぎのひのあさはすっかりいいてんき

おじいさんはいつもしばかりにいっているやまのようすを

おばあさんはいつもせんたくをしているかわへいきました

おばあさんがかわにつくとまだまだかわはすごいながれ

「こまったねぇ、これじゃ洗濯が出来やしないよ」

おばあさんはすぐにいえにもどりました

おじいさんもやまにいくみちがふさがっていえにもどりました

そのひふたりはいえでこれからのはなしをしながらのんびりすごしました


ふたりにとてもふしぎなことがおこるのはもうすこしあとのこと

ふしぎなことがおこったのはここからとおくはなれたうみのうえ

やまからながれていったものはうみのうえをどんぶらこ

どんどんどんどんどんぶらこ


ながれたさきにあったもの


そこはおにたちがすむおにがしま


あらしのよるにうまれたもの


これからどうなる


桃太郎



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