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私の人生を変えた「ランゲージアーツ」との出会い

私は子供のころから「海外で外国人と一緒に働いてみたい!」という漠然とした夢を持っていました。その夢をかなえるために英語を必死で勉強してなんとかビジネス英語が話せるようになり(←その経緯はまた別の機会に紹介しますね)、英語圏の国(イギリス・カナダ)に滞在して「海外で働く」という夢をかなえることができました。
「外国人の同僚や上司と英語でコミュニケーションをとりながらオフィスで仕事をする」という憧れの環境に身を置くことができ、それはそれで嬉しかったのですが、その環境に慣れてくると、私は自分の話す英語にだんだんと違和感を感じるようになってきました。
 
具体的には

・自分の英語の説明が外国人にうまく伝わらず、相手から怪訝(けげん)な顔をされる

・外国人の上司や同僚に自分の意見を言っても尊重されない(軽視される)ような気がする、真面目に取り合ってもらえない

・英語の会議や討論で発言できない(話している内容はわかるけれども議論・討論に入れない)
 
といった違和感です。

私が働いていた会社のオフィスでは、英語が母国語ではないドイツ人やフランス人、スペイン人なども一緒に仕事をしていました。彼らは「文法的に正しい英語」を話してはいませんでしたが、自分の意見を堂々と主張したり、文法がめちゃくちゃでも英語ネイティブの人と同等に会議で討論・議論したりしていました。
 

「私だけ英語で意見が言えなかったり会議で発言できないのは、私の英語力がまだまだ不足しているからに違いない。もっと英語を勉強しなきゃ」

当時、私のTOEICのスコアは900点くらいでしたが、それでもまだ勉強が足りないと思い文法をさらに勉強したり、語彙を増やそうと単語を覚えたり、英会話教室に通ったり、英語力を向上させるために有効だと思えることをあれこれ試しました。しかし私が抱えている違和感は消えることはありませんでした。

そしていつしかその違和感が劣等感へと変わり、仕事で空回りしてミスの連発。せっかくあこがれの環境で仕事をしているというのに、外国人の上司や同僚からは〈仕事ができない人〉認定をされ、社内会議にも「どうせアリソンは発言もせず黙って座っているだけだから呼んでも無駄」と扱われて会議にも呼ばれなくなり、会社に行くのがとてもつらい毎日を送っていました。
 
どうしたら他の同僚みたいに英語で自己主張したり、会議で発言できるようになるのかと悩んでいたある日、私はフランス人とドイツ人の同僚のこんな会話を耳にしました。
 
フランス人:ねぇ、明日の会議で司会をしてくれない? 私、学生のときから「会議の司会(ファシリテーション)」の成績が悪かったので、司会するのが得意じゃないの。


ドイツ人:もちろん! 僕は「会議の司会」の成績は良かったので、司会はまかせてよ。


フランス人:じゃあ私は代わりに「議事録」を書くね。私は「議事録」の成績は中学生のころから良かったので議事録を書くのが得意なんだ~。


……えっ?

フランス人やドイツ人は、学校で「会議の司会のやり方」や「議事録の書き方」を習うの? 中学校で? 一体なんの教科でそんなことを習うの??
私は驚いて2人に尋ねてみたところ、フランスやドイツでは義務教育で「ランゲージアーツ」という教科を勉強し(日本では「国語」に相当する教科)、6歳~15歳までの間に下記のようなことを学校で勉強するということでした。

・報告書・記録文・議事録の書き方
・プレゼンテーションのやり方
・会議の司会(ファシリテーションの方法)
・討論・議論のやり方
・相手を交渉・説得する方法

 

しかもこのランゲージアーツで学ぶ内容は国籍に関係なく世界共通の方法のため、例えば会議で発言する方法や話し方(作法)は、会議で使われる言語(英語・フランス語・ドイツ語など)に関係なく、どの言語でも応用可能だということでした。

日本の「国語」教育とは全く異なる教育を受けている外国人たちは、いわば世界のビジネス社会で「共通ルール」と言えるものを共有しており、その共通ルールのもとにコミュニケーション、意思疎通を図っているのです。
私は、私の全く知らないところで「コミュニケーションの基本ルール」が存在していたことにショックを受けました。そして、英語が母国語でない同僚たちが堂々と英語で自己主張をしたり、会議で討論・議論できる理由がわかったのです。


彼らは「世界共通のコミュニケーションの基本ルール(ランゲージアーツ)」を知っていたので、使う言語が自分の母国語ではない英語だとしても「基本ルール」にのっとってコミュニケーションをすれば、たとえ英語の文法がめちゃくちゃでも議論・討論に参加することができたのです。
 
私はこの事実を知り衝撃を受けて、フランスやドイツ以外にランゲージアーツを勉強している国がどのくらいあるのかを調べてみました。その結果、イギリス、スペイン、イタリア、アメリカ、カナダなどの欧米諸国、オーストラリア、ニュージーランドのオセアニア、そしてブラジル、メキシコなどの中・南米の国々でも義務教育で国民全員がランゲージアーツを勉強していることがわかりました。世界の全部の国を調べたわけではありませんが、私の個人的な調査では、ランゲージアーツを義務教育で勉強していない国のほうが少数派でした。(日本含むアジアの国々に、ランゲージアーツを義務教育で勉強していない国が多かったです)。

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私は、やっと自分の英語に抱えていた違和感の正体がわかりました。
 
「外国人たちが堂々で自分の意見を主張したり議論できるのは、“意見の言い方”“議論のやり方”をランゲージアーツで習っているからなんだ。私はランゲージアーツを知らないから、どういう風に自己主張したり議論したらいいのか、そもそもその方法を知らなかったんだ……」
 

その事実に気づいてから、私は外国人が義務教育で勉強していた「ランゲージアーツ」を理解しようと本屋でランゲージアーツに関する本をかたっぱしから購入し、独学で勉強を始めました。外国人の同僚たちには「ランゲージアーツは具体的にどんな風に勉強したのか?」としつこく聞きまわりました。小中学生のお子さんがいる同僚には、お子さんが学校で使っているランゲージアーツの教科書を実際に見せてもらったり、お子さんが使わなくなった古い教科書を譲り受けてもらったりもしました。
周りの外国人同僚たちからはきっと「小中学校で習うような(当たり前の)勉強を、アリソンはなぜ今頃になって勉強しているのか?」と不思議がられて、あきれられていたことでしょう。

同僚たちからウザがられながらも、私は必死でした。私も周りの外国人たちと「同じルール」でコミュニケーションできるようになりたい、英語で堂々と意見を言ったりプレゼンテーションができるようになりたい、せっかく夢がかなって英語で働く環境を手にいれたのだからきちんと仕事で成果を出せるようになりたい。この焦り・モチベーションだけが私を突き動かしていました。
 
こうして独学で学び始めたランゲージアーツでしたが、私は徐々にランゲージアーツの方法論を自分なりに解釈・理解し、その方法論を使って英語を話すと、話している内容が相手に伝わりやすくなることが実感として感じられるようになってきました。英語の会議でも自分の意見を積極的に言えるようになり、上司や同僚からも「最近アリソンは変わったね」と認めてもらえるようになりました。


そのうち上司や同僚から英語の会議の司会やプレゼンテーションをまかされるようになり、「アリソンの説明はわかりやすい」と周りから褒めてもらえる機会が増えました。そして、新入社員で入社してきた(英語が母国語の)アメリカ人とイギリス人に、英語が母国語でない私が英語で新入社員研修を行うなど、以前の自分では考えられなかった仕事もまかされるようになってきました。


ランゲージアーツを学んだおかげで、私は自分の話す英語に自信を持つことができ、私の仕事生活はとても実りのある、充実したものに変化したのです。

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海外での仕事を終え日本に帰国後、私はかつての自分が抱えていた悩みと同じ悩みを持つ人が日本にたくさんいることに気づきました。

特に、すでに英語学習の初級・中級の段階を過ぎて、ある程度自分の言いたいことが英語でスラスラと話せるようになる上級レベルに相当する方(TOEIC800点以上の方)は、下記のような悩みをかかえているように見受けられます。

・自分の話す英語に満足できないけど、どうやったらうまく話せるようになるのか具体的な方法がわからないのでモヤモヤする
・自分が英語ネイティブの人みたいにカッコよく英語を話せない原因は、もしかしたら英語以外のところに原因があるのではないか? でもそれがなんだかわからない
・外資系の会社で働いているが、周りの外国人と比べると自分の話す英語は明らかに幼稚に感じる。もっとビジネスプロフェッショナルな英語を話せるようになりたい

私は、自分が苦労して学んできたランゲージアーツが上記のような悩みの解決に役立つことを確信し、私が海外で学んだランゲージアーツの方法論をベースに、ビジネス環境での英語コミュニケーションに応用できるように進化させた独自のメソッド「Alison's Language Arts(アリソン's ランゲージアーツ)」を完成させました。

現在はランゲージアーツ講師として、職場・ビジネス環境で外国人と英語コミュニケーションに問題を抱えている人向けにAlison's Language Arts(アリソン's ランゲージアーツ)」を教える講座を開催しています。

今後このnoteで「Alison's Language Arts(アリソン's ランゲージアーツ)」のメソッドを使った英語のブラッシュアップ法の情報を発信していきます。

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