他人と違わない、少しの個性。

ハジマリ。

10代の夏の朝、私は叫んだ。

「ママ!もう無理だ!」

家を飛び出し、走った。

辿り着いた先はこの辺では「ヤバい病院」と日々皆が怖がっていた建物。

【精神病院】

クリニックとは違う、叫ぶ・走り回る…そんな人達が溢れかえる、精神病院。

「予約もしていない初診です、助けて下さい」

そんなような事を言って、深々頭を下げたと思う。

「何時間待つか分からないけれど、いい?」

確かそんな感じだった。

藁にもすがる思い。

然し乍ら、本当に中は、どこを見て叫んでるのか分からない人で溢れていた。

『来週も来れますか?』

「はい」

『では、来週もっと詳しく心理カウンセリングもやりましょう』

「はい」


外は日が暮れ始めていた。

少しの薬を貰った。

『来週までコレがある…』

『けれど、これを飲むと私はどうなるんだろう』

等と考えつつ帰宅した。


怒られるのかな?

『何回メールした?何回電話した?見てみなさいよ…ビックリした…帰って来ないのかと思った…』

「あ…ごめん…」

ママはただただ心配してた。

来週も行く、事情は話さなきゃ…だよね。

…………。

『分かった、幾らかかった?出すから来週行っておいで』

ママは私の手首を知っていた。


もう、睡眠薬を飲んで居るので先ずはここで、

一旦終わり。

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