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膀胱癌の話③放射線治療

化学療法は、抗がん剤投与と放射線治療の合わせ技ということで、
今回は放射線治療の体験を書こうと思う。

癌にはさまざまな種類があるので、治療に関しても様々だ。
放射線治療に関しても、喉や舌だったりする方の話を聞くと、
かなりの苦痛・激痛を何度も、あるいは長時間にわたり
伴われた方もおられて、その方の強さに驚いたりした。

それを思うと膀胱への照射は一切痛みを感じることなく
数分間寝転んでいるだけという、苦しみのない治療だった。
30日間、土日を除いて平日5日連続で6週間通った。

台の上に寝転び、その周りを大きな機械が動いて照射する。
その際、同じ場所に放射線を当てることが大事だということで、
お腹には刺青シールで4センチ角の十字の印を6つつけてもらった。
生活の中で擦れて薄くなってくると、
書き足して黒々としっかりマーキングされた。

照射台に寝転ぶたびに毎回微調整が必要で、
5ミリくらい下に下がってくださいなどと言われるが、
寝転がっていて5ミリ下がる感覚は難しく上手くいかない。
技師さん達が私の身体を右に左にひねって、印合わせをしてくれる。

一番最初に寝転んだ際の型をとって、その型に体を入れて
あとは微調整する、そうやって毎回同じ場所への照射をしてもらった。

膀胱は、尿の残量によって形が変わる臓器なので、
毎回直前に必ずトイレに行き、尿残量がない同じ形の膀胱にして
同じ位置に照射する。

放射線で軽いやけどをしてヒリヒリしたという話も聞いていたので
怖がりの私は嫌だなあと思っていたが、
よく照射中の数分間、眠りに落ちてしまう事もあるくらい
そういう痛みもなかった。

唯一、ちょっと何か言うとしたら、
お腹の上から膀胱に照射する為、
体にバスタオルをかけてもらい
はいているボトムスと一緒に下着を降ろされること、
終わったらずり上げてもらうことが
ちょっと恥ずかしかったくらいだ><;

副作用もたしかにあり、下痢や膀胱炎のような症状、
これが抗がん剤の副作用と同時に起こり
とにかくすっきりしない日々ではあったが、
拍子抜けするほど、酷い苦痛を感じる事はなかった。
放射線を当てることで髪の毛が抜けないか心配だったが、
それも、頭から遠い場所に当てるので心配なかった。

最後の一週間だけ、膀胱に水分をためた状態で
照射をうけたのだが、
膀胱の形を同じに保つため、
毎回、1時間前にトイレに行ってから300mlの水を飲むように言われた。
膀胱炎のようにトイレが近くなっているので、
照射が終わるまでトイレに行けないのが不安だった。
そういったことも、いろいろ考慮してできるだけ短時間の我慢で
照射を受けれるように調整してもらったりもした。

こうして30日間続けて、予定通りそれで終了となった。
この間、放射線のスタッフの方々がいろいろ言葉かけをしてくれて
体調がどうかチェックしたり応援してくれたりで、
嫌な思いを一切せずに通えたことを思い出す。


放射線に関しては、このように治療の痛みはなかったが、
地域連携の他の病院へ通ったことで金銭的負担が大きくなった。
次回はその辺の医療費制度や、癌の治療費用に関する話を書こうと思う。



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