見出し画像

「硬さ」に耳を澄ませる ―― 股関節の6つの動きを感じて

11月のプライベートヨガのテーマは、生徒さんのリクエストにお応えして「股関節」。股関節って、どんな動きをしている?股関節には大きく分けて6種類の動きがあると言われており、それぞれの動きを観察してみました。「硬い」と思うときに、その身体の硬さは何を伝えようとしてくれているんだろう?という問いにも向き合ってみる時間になりました。
日々のセルフケアのヒントになりましたら、と願いを込めてシェアです^^

股関節が硬い、とは‥‥‥?

「股関節が硬いので、股関節をテーマにして練習してみたい」とリクエストをいただきどんなアプローチにしようか、と思ったときに浮かんだのが3つのポイントでした。

(1)無理をしない:アヒムサ

硬いところを柔らかくしたい、伸ばしたい、という向上心はとても素敵なことだと思います。一方で、無理に伸ばそうとすると、筋肉が緊張して、かえって伸びにくかったり、反動で痛みが出てしまったりすることも。心地よいところ、最大でも痛気持ちいいところで留まること。身体の声に耳を澄ませることがベースとして大切だなと思います。八支則の最初のステップ、ヤマ(禁戒:しないこと)の中にある、アヒムサ(非暴力)にも通じることかなと感じています。
「伸ばしたい、伸びていない、硬い‥‥‥と思うのはどういう時なのでしょう?」とふりかえりを伺ってみると、”集団のヨガクラスで、他の人がすごくやわかく開脚しているとき”という情景が。憧れたり、あんなふうにポーズをとれたらいいなぁと思ったりする向上心はとても素晴らしいこと^^ それと同時に、いまの自分の身体の状態も、これもいいね、って受け止めることや、ゆっくり変化を味わうことも、大切。
伸ばそう、と強く能動的に思うよりも、気持ちいいな。リラックスしているな。あ、少し伸びたかも。伸びても、伸びなくても、まぁどっちでもよくて、いまの状態を味わってみよう。と、もう少し受動寄りな、中動態的な態度が、結果的に伸びることにつながるのではいかな、とも思います。
グレゴール・メーレさんの『アシュタンガヨーガ 実践と探究』では、こんな一節が。(p100)

ハムストリングを伸ばしたいなどという願望を新たに持つのではない。実は、欲のためにハムストリングが短く収縮するだけである。そうではなく、求めるものはすべてすでにそこにあり、ハムストリングは自然に緩むのだという知識の中に、解き放たれるのである。野望を持てば、ハムストリングは短くなるだけである

グレゴール・メーレ『アシュタンガヨーガ 実践と探究』(p100)

できるようになりたい!けど、なかなかできない‥‥‥と思うポーズほど、欲が湧いてしまうことは自然な反応だとも思います。そんな自分もいるんだなぁ、と観察すること自体もヨガの醍醐味なのでしょう。

(2)股関節やその周りの筋肉が何かメッセージを伝えてくれているとしたら?

2つ目に浮かんだポイントは、身体からのメッセージは何だろう?ということ。生徒さんと、股関節をいろんな視点から動かしていると、ハムストリングに硬さや、重だるい痛みを感じることがある、という面が見えてきました。
「もし、ハムストリングの硬さや痛みが、何か自分にメッセージを伝えてくれているとしたら、何なのでしょうねぇ^^」
と探究していると、”頑張りすぎないで!”という声が出てきました。
ついつい頑張りすぎているとき、身体は教えてくれているようです。
頑張りすぎる、無理しがちな自分に気づいていること、それだけで十分なのかもしれません。こういう考え方になっちゃう自分、変えないと!、と思いすぎると、いまの自分を否定しすぎる可能性もあるのかな、と感じます。こういう自分もいるよね。少しずつ、きつく締めがちなネジがゆるんでいくといいな。そのくらいの、のんびりした感じでもいいのかな、とも思います。

(3)股関節が硬い、を分解する――6つの動きをそれぞれ見てみると?

股関節は球関節という種類の関節で、大腿骨の球状の骨頭が、大きな骨盤に受け止められている形。肘や膝に比べて、動きの種類や動きのバリエーションが豊富です。それゆえ、硬いと思ったときに、具体的にどの動きに硬さを感じるのか、解像度が粗くなりやすいかもしれません。
股関節の主要な6つの動きをそれぞれやってみて、動きの中でやりやすいもの、やりにくいもの。同じ動きでも左右差があるかどうかを観察してみました。

股関節の主要な6つの動き

屈曲、伸展、外転、内転、外旋、内旋。屈曲のときにハムストリングの硬さを感じるサポートツールとして、ひざ下や座骨の下にブランケットなどを敷いて高さを出してみる実験も。
いずれの動きも、可動域には問題がなさそうで、硬いと思っているけれど、実は意外と動けているのでは!?という視点も生まれました。

伸ばすとき、拮抗する筋肉は縮む

屈曲でハムストリングが伸びるとき、実は、腿の表にある大腿四頭筋が収縮していることも大事です。(参考:グレゴール・メーレ『アシュタンガヨーガ 実践と探究』p58)
伸びると縮むがセットになって、心地よく伸びが深まる感覚。大腿四頭筋をはたらかせるには、膝蓋骨(お膝のお皿)を引き上げてみます。慣れない動きで、こうかな?と試行錯誤…参考までに、インストラクターの大腿四頭筋に触ってみていただくことも。
背骨も同じで、背骨を伸ばすときには、反対側の腹筋群、丹田にしゅっと力が入ると、背骨がすーっと心地よく伸びる度合いが変わってきます。
言葉で言われて、すぐにしっくりくるときと、その場では分からないときと、いろいろですが、知ることで、日々の練習で思い出しながら、少しずつ咀嚼できるといいのかなと思います。私自身、先生から助言をいただいたすぐに感覚が掴めなくて、もどかしい気持ちになることが多々ありますが><

じっくりマイペースで観察。……ヨガプライベートレッスンはたとえばこんな流れ

今回のレッスンの流れのまとめです◎

【生徒さんのニーズ/背景】
・股関節が自分では硬いと思うので、股関節をテーマにしてみたい
・体調は良好♪
 ↓
【本日のテーマ】
無理しない(アヒムサ)
・股関節や、周りの筋肉がメッセージを発しているとしたら‥‥‥?
・股関節の6つの主要な動き
Check in】
・今日の気分、体調(痛いところなど)確認

パワンムクターアーサナ】
Pawan:風、空
Mukta:解放
Asana:座法
足を中心に。膝蓋骨の引き上げを意識したり、股関節の内旋、外旋の動き確認したりしながら。

【股関節の6つの主要な動き】
・上記でご紹介した6つの動き、それぞれをやってみて観察

【座位】
・ジャーヌシルシアーサナA
 外旋で入り、入った後は内旋。
 実は、背骨に少しねじりが入るポーズでもある!
 サポート調整:角度を浅くする、ブランケットなどで股関節を高くする
・バタコナアーサナ
 やりやすさはどうでしょう?硬さは感じるかな?
・カポターサナ(鳩のポーズ)
 どこが伸びているかな?観察しながら^^

【臥位(寝る体勢)】
チャイルドポーズ
・バッタのポーズ(うつ伏せ)
・針の穴のポーズ(仰向け)→寝たまま足をばちゃばちゃ遊ばせる


本日のご感想 :)
いつも楽しい時間をありがとうございます^^
優しいアドバイスがいつも心地よくて、自然に無理なく気持ちよく柔軟性をあげられるようにゆる~く目指します◎

シャヴァーサナのあとは、座ってしばし瞑想タイム。
いつも頑張っている身体さん、ありがとう…(。-人-。)
今日もお疲れさまです。
秋のすがすがしい空気を楽しめますよう。


ご覧くださって、ありがとうございます。
◆初心者の方向けのオンラインヨガクラスも開いています。
身体の声が聴けるようになると、心地よい時間が増えるなぁと感じます^^

緊張肩こりさんの楽しいリラックスヨガ【初心者歓迎・質問タイム多め】

https://www.street-academy.com/myclass/147675?conversion_name=direct_message&tracking_code=1faa34b30409b4df0e3d3673b6a88889

いいなと思ったら応援しよう!