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気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました。

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昔に書いていた1話千字程度のファンタジー恋愛小説の再編集版から最新話を載せるマガジンです。当分、再編集版が載ります。159話まで行っても終わらないので困ってます。姫と王太子の婚礼… もっと読む
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#ショートショート

台本【恋文×どっちが?】をお借りして……。【訳あり姫君ショートストーリー】「計られた!!」

「ゼルマ様、ウルガー様から手紙が来ています」  執事のエルノーが渡してくれる。 「これ?」  一緒にあの部屋の鍵が渡された。あの人間をだめにする例の物体がある部屋。ウルガーとは同棲してるとしても最近顔を合わしていなかった。さみしいと思うけれど、これも将来を見据えてのこと、とやせ我慢していた。そんなときにウルガーからこの鍵と手紙。  何なのかしら? 『寂しい時に 「寂しい」と言えるボクと 本当は寂しいのに 「寂しい」と言わないキミ どっちが寂しがりや、 なんだろうね…。』

【訳あり姫君スピンストーリー+エッセイの勉強】恋愛ファンタジー小説:宰相殿下様の奇妙な日々 最終話+あとがきにエッセイの勉強

前話 「価値ってなに?」  タピオ様が聞く。 「それはね、大事なものの物差しよ。それに合わせて人は生きているの。長いか短いかで人は判断するけれど、そこが重要ではない時もあるのよ」  ゼルマ様の説明に、ふーん、とわかったのかわからないのかタピオ様が言う。 「姉上ー。もっと収穫しないと菜園できないよー」 「今日はだーめ。ヨハネスお父様とお母様達も交えて作戦会議よ。さぁ、どろんこの体をお兄様達に洗ってもらいなさい」 「行くぞ。タピオ、クルヴァ」  ウルガー様が優しい笑みで、お二人

【訳あり姫君スピンオフショートストーリー+エッセイの勉強】恋愛ファンタジー小説:宰相殿下様の奇妙な日々 第10話+あとがきは「エッセイの勉強」タブレットの入力問題

前話  菜園にいる間、私もダーウィット様もゼルマ様の明るい笑い声に釣られて笑う。こんなに大きく声を出して笑うのは久しぶり。なんて気持ちがいいのかしら。こんな方に愛されればとても誇らしいでしょうね。少し、ひねた感情が生まれた。 「ニーナ。私はニーナの方を愛しているんだよ」  ダーウィット様が耳元でささやかれて、私はびっくりして尻餅をつく。そこにタピオ様が姉上と言って抱きついてくる。可愛い弟。家にもいるけれど、もう会えないのかしら。少し悲しくなる。 「大丈夫だよ。兄上に退かれる

【訳あり姫君スピンオフショートストーリー】恋愛ファンタジー小説:宰相殿下様の奇妙な日々 第8話

前話 そして、暑い恋の季節がすぎていく。その間も、私はダーウィット様付きのメイドとして仕事のお手伝いをしていた。そして、私は頭を抱えさせるほどのミスをしてダーウィット様を悩ませていた。 「ニーナ。どうすれば銀のお盆を二つに折れるんだい?」 「私にもさっぱり。曲がってるから少し戻そうとすれば手が滑って・・・」 「結婚してもそれじゃ、あっという間にお盆と食器を失うね」 「け・・・結婚?!」  ぐしゃ・・・。 「あ」 「ニーナ。今大事な話をしようとしてるんだ。お盆はどこかに置きな

【訳あり姫君スピンオフショートストーリー】恋愛ファンタジー小説:宰相殿下様の奇妙な日々 第7話

前話  後から聞いた話だと、私が検査を受けている頃、ダーウィット様は国王陛下の菜園におられたらしい。外出できない、未曾有の流行病に陛下はご自身の菜園で精を出されておられたよう。そこへダーウィット様が皆が言うことには爆弾発言をしていたそう。 「父上。恋とはなんですか?」  陛下は固まったそう。振り返った顔はウルガー様と同じだった。 「恋とは・・・お前・・・」 「はい」 「恋だよ。大事にしたいと思う人が出来ればそれが愛だ」 「では、いきなりキスした相手も?」 「そんな事をどこの

【訳あり姫君スピンオフショートストーリー】恋愛ファンタジー:宰相殿下様の奇妙な日々第4話

弟4話 急にメガネを外されて私は戸惑った。 「これ、遠視用のメガネだね。君、近視だろう? こんなメガネかけていればそりゃ、見えないよ」 「でも、幼い頃は遠視だと・・・」 「そんな人でも近視にはなるんだよ。これ、子供用のメガネじゃないか。よくそれをかけ続けたね」 「ウチに・・・!」 「お金はない」  言葉を取られて私もいらだつ。 「怒る顔もまた可愛いものだ。君には近日中に近視用のメガネを作るから、今からウルガーの所か大神官様の神殿に行っておいで」 「って・・・」 「視力を測れる

【訳あり姫君スピンオフストーリー】恋愛ファンタジーショート:宰相殿下様の奇妙な日々 第3話

前話 弟3話 必死に小走りでついて行く。殿下は足が長いから歩もまた大きい。書類をゆさゆさしながらついて行く。途中で、ピタリ、と殿下の足が止まった。見下ろす窓からは華の宮が見えていた。今では、ウルガー王太子様の婚約者ゼルマ姫が住んでいるという。今は、木の宮にいていらっしゃらないけれど。殿下は、もしかして・・・。  考えるだけできゅっと胸が苦しくなった。何が自分に起こったのかわからなかった。それを無視して先に陛下の執務室に行こうとすると何かに引っかかった。  ずべっ。  私は絨

【訳あり姫君スピンオフストーリー】宰相殿下の奇妙な日々 第一話

 それは未知の病の大流行の最中だった。ダーウィット宰相殿下は今日もいそがしい。弟のウルガー様は日夜ワクチンというものを作られては病にかかっていない人達に注射を打っておられた。  私、ニーナ・ケトは人手不足に急にかり出された素人メイド。だからどこに何があって誰が誰だかまったくわからない。わからないまま仕事を命じられる。初っぱなから仕事人間というダーウィット様付きにあてられ、がっくりきていた。ロマンスなんて咲いてないわ。あんな威張りきった宰相殿下なんだから。それにあの方は誰かに恋