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#羽柴史莉
【連載小説+エッセイの勉強】恋愛ファンタジー小説:気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました(70)+エッセイの勉強「猫を処方致します2」聞ききった!伏線が山ほど!!!!
前話 力なく首を振りながら、私はつぶやくように言う。 「ちがうの。今までにあった人の死があまりにもつらすぎて。ひとりでどうしたらいいかわからなくて。笑いたいのに笑えなくて。ウルガーのそばにずっといたかった。この腕の中に閉じ込めてずっと抱きしめていてほしいの。あの子たちがいいなくなったことがまだ信じられなくて……」 「あの子たちって。アルポおじいさんの店に出入りしていた子たちかい?」 「ええ。ティナが亡くなったと聞いて。私にすごくなついていた可愛い子なの。それなのにもういな
【連載小説+あとがきと進捗状況】恋愛ファンタジー小説:気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました(64)+あとがきと論文の進捗状況
前話 私達は愛犬の散歩を終えてタピオ達と遊ばせるといつもあの人間をダメにするクッションの部屋に入り浸ってああだこうだと、マチルダ様の事を考えていた。そこへ、いらぬ邪魔、いえ、救い主が現れた。 「最近、宮でいちゃつかないと思えばここか」 「マティアスお兄様!」 その後ろにはダーウィットお兄様もいた。 「いい、逢い引き場所を見つけたようだな。恋に狂っている二人には」 「その肩書きを貼らないでください。で、お二人には何か考えが?」 「本人を連れてきた」 「マチルダ様を?!」
【連載小説+あとがき+論文】恋愛ファンタジー小説:気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました(63)+独学論文「不可逆的幹細胞iPS細胞は宗教と対話できるのか 序」
前話 「ウルガー」 私は名を呼んで彼の肩に頭を預ける。 「わかっている。辛いな。俺も辛い。救えぬ命に出会うといつもそうだ。ゼルマは一層辛いな。トビアスを可愛がっていたから」 それを聞くとどっと涙があふれてきた、会えぬまま引き裂かれた父と息子。そして夫と妻。その組み合わせが悲しかった。 「大丈夫。マチルダ様はもう悲しみから抜け出されている。だから、余計に言わない方がいいんだ」 「もしかして・・・新しい、恋?」 「そう。あの男には辛いだろうがな」 「そう。そうなの。ってウル
【連載小説+エッセイの勉強中】恋愛ファンタジー小説:気がついたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました(58)+エッセイの勉強中「私も阪神も大乱調」
前話 「ウルガー」 私は夕食の料理を持っておチビさんたちと一緒に診療所に訪れていた。 「ゼルマ! 何かあったのかいって。うわっ」 「あにうえー」 トビアス様がウルガーの足にひっついていた。 「トビアス様はウルガーお兄様好きなの? と。これお夜食。お腹空いたら食べて。タピオが作った野菜料理よ」 「タピオが? タピオ料理作れるようになったのか?」 全員で一斉に違うと言う。 「タピオが育てた野菜を料理してもらったの」 「なーんだ。タピオが料理したかと思った」 茶目っ気たっ
台本「恋文×嘘をつかない」をお借りして。改稿:【訳あり姫君スピンオフストーリー「ユメ」と言う名の姫君の物語の一番最初のストーリー】
未曾有の流行り病のおかけで私とウルガーは初めてこの世界で離れ離れになった。もともとはこの世界にない病気で私一人が亡くなるという筋書きが私を都合よく思わない人々に操作されそうになった 。とっさに、来ていた木の宮に私たちは残り、ウルガーは医者として大神官様と都に戻った。初めて離ればなれ。一度、無意識と意識の世界に離れたことはあったけれど、私にとっては一瞬のことで、こんなに不安な夜を過ごすことはなかった。お母様は、そんなウルガーを思って不安定な私に『ユメ』という名前を与えて、忘れ
【連載小説+エッセイの勉強中】恋愛ファンタジー小説:気が付けば自分の小説の中で訳あり姫君になっていました(57)+エッセイの勉強中:感情があっちいきこっちいき……。「収集なさい」と宿主が命令しても飛んでいく。
「愛する方の元へ戻りたくはないのですか?」 私が言うとマチルダ様は悲しげで儚げな表情をなさる。 「きっとあの人はもう忘れているわ。ただ、この子に兄妹を持たせたくて。それにトビアスが妹が欲しいとだだをこねるときが多くなってきて。お兄様がいるでしょう、と言っても一番下なのが気に入らないようで……」 「そうね、弟の時は兄になりたい者よね。兄は弟になりたがるけれど。私とウルガーはスティーナをマチルダ様に預けるつもりです。名前もマチルダ様のお好きな名前にしてあげてください。私がとっさ