【再掲連載小説】ファンタジー恋愛小説:気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました (11)再編集版
前話
「はぁー。美味しかった」
最初にウルガーはアーダとフローラに追い出され、お風呂に入った。よく考えれば、この宮には風呂部屋があったと思い出した。ウルガーを追い出す必要はなかったけれど、やっぱりすぐ側で待ってられるのは落ち着かない。ということで着替えついでに長風呂を味わった。薔薇の花弁をちらして豪勢なお風呂だった。服に着替えても、まだその香が残っていた。
「ゼルマー。ちゅー」
ウルガーが声をかける。私はお姉様と顔を見合わせてローズウッドのお盆を用意する。
「入ってもい