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#ファンタジー小説
【連載小説+あとがきとエッセイの勉強】恋愛ファンタジー小説:気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました(76)+エッセイ「サロンに遅刻した」
前話 「ウルガー!!」 「おわっ! ゼルマ! 元気全開じゃないか! 何があったの?」 思いっきりウルガーに抱き着いてにっこり笑う。 「華の宮に託児所を作ることにしたの。お母様が陣頭指揮を執ってくださるって!! 子供たちが華の宮にいつもだれかいるのよ!」 嬉しそうに話す私にウルガーも笑顔になる。だけど、すっとまじめな顔になる。 「ウルガー?」 「この際結婚する?」 「け、結婚??」 どぎまぎしているとウルガーが額をくっつけて言う。 「タピオ達に出会って、ゼルマはより一層
【連載小説+エッセイの勉強】恋愛ファンタジー小説:気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました(74)+「後書きという名のエッセイの勉強」
前話 予想を覆すことなく、翌日、キンモクセイの宮は人であふれかえっていた。まず、最初にタピオとクルヴァがお父様とやってきた。この子たちはいつもここだからいいけれど。でも質問攻めにあう。お父様も大丈夫かと何度も聞くし。 そうこうして朝食となったらフローラお姉様夫婦、ダーウィットお兄様夫婦、マティアスお兄様夫婦、が一挙に押し寄せた。一斉に病気がどうのこうのと聞かれるけれど、こんな大人数の言葉を聞き分けられることもなく、ウルガーにアイコンタクト。そこでウルガーのちゅー魔が発動
【連載小説+エッセイの勉強】恋愛ファンタジー小説:気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました(72)+エッセイの勉強:なんややることがようさんあるなぁ。
前話 スティーナとトビアスにもらった元気で心に明かりがともった私は、ウルガーやダーウィットお兄様、マティアスお兄様に交じって春祭りの施策を考えることとなった。ウルガーはこもっているよりはいいからと強引に引っ張る。心が少し楽になっていた私は連れられるままカシワの宮へ来た。アウグストお兄様もいる。 「はい。母上からの宿題」 さすがにこの人員の中で膝にのせて執務をする気はないらしく、私が座ったテーブルの前にどん、と冊子が積まれた。 「何これ?」 ページをめくるとドレスが並ん
【連載小説+エッセイの勉強】恋愛ファンタジー小説:気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました(70)+エッセイの勉強「猫を処方致します2」聞ききった!伏線が山ほど!!!!
前話 力なく首を振りながら、私はつぶやくように言う。 「ちがうの。今までにあった人の死があまりにもつらすぎて。ひとりでどうしたらいいかわからなくて。笑いたいのに笑えなくて。ウルガーのそばにずっといたかった。この腕の中に閉じ込めてずっと抱きしめていてほしいの。あの子たちがいいなくなったことがまだ信じられなくて……」 「あの子たちって。アルポおじいさんの店に出入りしていた子たちかい?」 「ええ。ティナが亡くなったと聞いて。私にすごくなついていた可愛い子なの。それなのにもういな
【連載小説+あとがきと進捗状況】恋愛ファンタジー小説:気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました(64)+あとがきと論文の進捗状況
前話 私達は愛犬の散歩を終えてタピオ達と遊ばせるといつもあの人間をダメにするクッションの部屋に入り浸ってああだこうだと、マチルダ様の事を考えていた。そこへ、いらぬ邪魔、いえ、救い主が現れた。 「最近、宮でいちゃつかないと思えばここか」 「マティアスお兄様!」 その後ろにはダーウィットお兄様もいた。 「いい、逢い引き場所を見つけたようだな。恋に狂っている二人には」 「その肩書きを貼らないでください。で、お二人には何か考えが?」 「本人を連れてきた」 「マチルダ様を?!」
【連載小説+あとがき+論文】恋愛ファンタジー小説:気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました(63)+独学論文「不可逆的幹細胞iPS細胞は宗教と対話できるのか 序」
前話 「ウルガー」 私は名を呼んで彼の肩に頭を預ける。 「わかっている。辛いな。俺も辛い。救えぬ命に出会うといつもそうだ。ゼルマは一層辛いな。トビアスを可愛がっていたから」 それを聞くとどっと涙があふれてきた、会えぬまま引き裂かれた父と息子。そして夫と妻。その組み合わせが悲しかった。 「大丈夫。マチルダ様はもう悲しみから抜け出されている。だから、余計に言わない方がいいんだ」 「もしかして・・・新しい、恋?」 「そう。あの男には辛いだろうがな」 「そう。そうなの。ってウル
【連載小説+エッセイの勉強中】恋愛ファンタジー小説:気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました(59)+気ままに書くエッセイ「阪神ファンの心配と試験」
前話 数日してスティーナは健康を取り戻した。ウルガー一人に任せるのは大変だと、おチビさんを連れて度々会いに行った。そうすると必ずトビアス様がスティーナを泣かせてしまう。クルヴァがあかちゃんには優しくね、と言い聞かせているのを見て兄弟もいいものね、と呑気にも思っていた。やがて、スティーナはマチルダ様に引き取られて行った。 診療所はまた空っぽになった。むなしい気持ちがぽっかり空いている。そんな沈んだ気持ちの私をウルガーはヘレーネとアルミの散歩に誘ってくれた。 いつまでもう
【連載小説+エッセイの勉強中】恋愛ファンタジー小説:気がついたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました(58)+エッセイの勉強中「私も阪神も大乱調」
前話 「ウルガー」 私は夕食の料理を持っておチビさんたちと一緒に診療所に訪れていた。 「ゼルマ! 何かあったのかいって。うわっ」 「あにうえー」 トビアス様がウルガーの足にひっついていた。 「トビアス様はウルガーお兄様好きなの? と。これお夜食。お腹空いたら食べて。タピオが作った野菜料理よ」 「タピオが? タピオ料理作れるようになったのか?」 全員で一斉に違うと言う。 「タピオが育てた野菜を料理してもらったの」 「なーんだ。タピオが料理したかと思った」 茶目っ気たっ