「尺度を知る」こと

わたしが暮らすバンコクの高架鉄道の初乗り運賃は、16バーツ。日本円にして56円。

この値段を「高い」と思った人がどれくらいいるだろうか?

多くの人が「安い」と感じたのではないか?
日本もこのくらいの価格にならないかなぁ〜と思った人もいるだろう。わたしもそう思った。バンコクの自宅の最寄駅から終点まで乗ってもたったの200円。某日本の私鉄の初乗り並みの料金だ。

しかし、タイ国内ではこの高架鉄道の料金が高すぎるとして、値下げを検討しているのだという。

それもそのはず、タイの最低時給は40バーツ(つまり日本円で140円)を下回るというのだ。

高架鉄道で始発駅から1番遠い駅行こうものなら、その料金(片道)は最低時給の3倍にもなるという。1番遠いと言っても運行範囲はせいぜい日本の私鉄のそれと同等もしくは以下だ。

先の最低時給というのが、政府が定めたものなのか、政府が目をつぶっているものも含んだものなのかは分からない。いずれにせよこうやって聞くと、高架鉄道は誰もが気軽に使えるものではないというのは明らかだ。


尺度を知ると、
世界がまるで違うものになる。

自分から見えている景色は、
他人から見たらどんな景色なんだろう。


たまにはそういうことを考える日もあっていいんじゃないかな。

#エッセイ #コラム

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