【大人も楽しめる童話】羊飼いの少年
ちひろは小学一年生の冬休みに,
初めて眠れない夜を経験した。
あまえん坊で,小学生になってからも
両親と一緒の寝室で寝ていたのだが,
ある日突然,お母さんに
「もう小学生なんだから,
そろそろ一人で寝られるようにならないとね」
と言われて,両親と違う部屋に寝かされてから,
眠れなくなってしまったのだ。
ちひろは夜中に何度も寝返りを打っては,
枕もとの時計の音を聞いていた。
次の夜も,その次の夜も,ちひろはなかなか寝付けなかった。
夜中に布団をかけに部屋に入ってきたお母さん