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私がPlena【NIKKOR Z135mm f/1.8S】を買った理由

こんにちは、Aliceです♪
少し間が空いてしまい申し訳ありません。
2024年5月11日にPlenaというレンズを購入しましたので、それについて書きます。

1.Plenaとは?

【NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena】という、ニコンZマウントの単焦点レンズです。
2023年10月に発売されました。

Zマウントには【Nikkor Z 58mm f/0.95 S Noct】というレンズがラインナップされており、Noctに続く2本目のサブネーム付き商品です。

サブネームは、ライカでいう『アポズミクロン』等のような、特別な存在である意味を込めているものと考えられます。

実勢価格100万円以上のNoctだけでなく、40万円以下の商品にもサブネームを与えた辺りが、ニコンの思い入れを感じる点です。

Noctと同じイエローのフォントでPlenaと刻まれている

2.135mm単焦点、特徴は?

135mmは、分類すると【中望遠レンズ】です。
(概ね75mm位〜150mm位を中望遠と分類)

各社が70-200mmという、中望遠域をカバー全てカバーする絶対的な存在を例外なくラインナップしているため、135mm単焦点はスルーされがちかも知れません。

ですが、70-200mmは最も明るくても開放f2.8でしかありません。
※技術的には70-200mm f2のレンズも設計可能かとは思いますが、2.5kg〜3kg級の巨大なものになるでしょう→実用的ではないですよね。

それに対して、135mm単焦点レンズは開放f1.8やf2が多いです。
SONY FE135mm f1.8GM
CANON RF135mm f1.8L IS USM
CANON EF135mm f2L USM
SIGMA 135mm f1.8 DG HSM Art
そして、
NIKKOR Z135mm f/1.8S Plena
など各社のラインナップに存在します。
(EF135mm f2L USMには長年お世話になりました)

全長は意外とコンパクト

70-200mm f2.8に対して、同じ中望遠域を開放f値1段+1/3段も明るく撮影できる点が、最大の特徴と言えると思います。
具体的に言うと、f2.8でISO3200が適正露出なシーンで、ISO1250で撮影可能、ということです。
かなりの違いですよね。

3.135mm単焦点、何に使うの?

多くの方が『ポートレートでしょ?』と答えるでしょう。
実際、メーカーの135mmの作例はポートレートばかりです。
若い方ですと、写真家イルコ・アレクサンダロフ氏の影響もあると思います。
かく言う私もイルコさんの大ファンですし、『135mm信者』です笑。

私の500mm f/4を試すイルコさん
135mmでポートレートと言えばイルコさん

135mmでのポートレートは、被写界深度の浅さを活かし背景をしっかりボカして主題を引き立てた描写が可能ですし、思い切り離れてモデルさんの全身を入れても前後が気持ち良くボケる、独特の表現が可能です。

東京競馬場の薔薇
もちろんモデルさん有で撮影したシチュエーション

しかし、135mmはポートレートだけではありません。
前述の開放f値の明るさを活かして、暗いロケーションでの動体撮影に最適なのです!

例えば屋内スポーツやライブ撮影などが該当します。
バスケットボールやバレーボール、バトミントン、剣道、社交ダンスなどを撮影した事がある方は経験済みかと思いますが、屋内競技はとにかく暗いです!

ISO高感度に強いカメラボディなら何とかなるとか、そんなレベルではありません。
何故なら被写体がとても速いからです。

NDフィルターと開放f1.8で金網2枚抜きも可能!

シャッター速度を1/2000秒で切りたいが、開放f2.8ではISO12800になってしまい、ノイズと解像度の低下で他人に見せられるもんじゃない、ましてや業務では…という状況でも、開放f1.8であればISO5000で済みます。
また、70-200mm f2.8よりもレンズ重量が軽いため、シャッター速度を1/1600秒に落としても歩留まりが安定する場合もあるでしょう。
それならISO4000で済みます。

まぁ、フェンシングやフィギュアスケート、卓球など、もっと高速な被写体もありますので、その域になると『わざとブラす』等、ISO高感度を使用しないで済むためのテクニックも熟練のフォトグラファーは使うでしょう。

という事で、望遠が必要なスポーツ撮影において『究極のハイスピードレンズ』とも言えるわけです。
※開放f値が明るいレンズの事を俗にハイスピードレンズと言う

この前ボケは開放f2.8では出せない世界

ここまでお話した理由から、135mm単焦点は【70-200mmでカバーしているから要らない単焦点】なんてことは決して無く、むしろ70-200mm f2.8の上位互換として私は活用しています。

スポーツ撮影も、ポートレートも多い私には最高の存在という事ですね!

4.Plenaに買い替えた理由は?

まず先に、私の135mm遍歴をお話します。
EFマウントユーザー時代は、EF135mm f2L USMを2度買いました。
安い中古で買って非常に気に入ったので、新品に買い直したのです。
その後SIGMAから135mm f1.8 DG HSM Art(EFマウント)が発売されて買い替えました。
どちらかと言うとポートレート向きというより、カリカリシャープな描写でした。

SONY Eマウントを併用していた時代は、FE135mm f1.8GMを買いました。
Gマスターレンズらしく、ケチのつけようがない描写力・表現力で、SIGMAよりかなり軽量でした。
ポートレート向きの柔らかさと、ピント面の高解像度を両立しており、今でも最上級のレンズだと思います。

私のSONYα7Ⅲと135GM

Nikon Zにマウント移行してからしばらくは、Z70-200mm f/2.8Sの高性能に満足していましたが、結局明るい中望遠レンズが必要になり、FマウントのSIGMA135mm f1.8 DG HSM ArtをFTZⅡアダプターで使う事にしました。

ちょうどその頃、競馬場で1日中Plenaをお借りして撮影させて貰う機会がありまして…。

SIGMA135mmも充分に高解像で、ボケも綺麗な方なのですが、一眼レフ時代のレンズには違いありません。
大口径Zマウントのミラーレス専用で設計されたPlenaとは、描き出される1枚1枚の空気感・質感がまるで別次元でした。

画面の隅まで均一な玉ボケ

要するに『使ってみてノックアウトされてしまった』という事です。
500mm f4や400mm f2.8などのハイエンド機材の描写に目が慣れ切った私でもヤラレてしまったのです!

しかし、いかに135mm信者と言えども、中古で10万円もしなかったSIGMA135mmを40万円近いPlenaに買い替える事は抵抗がありました。

なぜなら、前述のSONY FE135mm f1.8GMは、SONYのハイエンドに位置する『Gマスター』で新品20万円程度であり、一眼レフ時代のCanon EF135mm F2L USMが新品10万円で買えた事を覚えているだけに、Plenaの40万円弱という値付けはあまりに割高に思えたからです。

CanonがRF135mm f1.8L IS USMを発売した時に、30万強という値付けに『アホか!』と斬り捨てた私がPlenaを買う?頭悪くないか?と…。

PlenaとSIGMA135mmのサイズ比較
意外な事にSIGMAの方が短い

しかし、その後も135mm f1.8が必要となる撮影が連続しました。
SIGMA135mmの出動率はほぼ100%、私の撮影の6〜7割を135mmが占めている状況が続いていました。

『ここまで135mm f1.8の稼働が多ければ、Plenaを買っても充分元が取れるのでは無いか?』と考えるようになり、大事な撮影が控えていたこともあり購入に至った訳です。

Z9とのバランス感覚も良好!

5.実際のところ、Plenaはお勧めか?

届いた週末から即、ポートレートや競馬・お花の撮影に数百枚使用しましたが、全ての撮影が大成功を収めました。
薔薇が咲き誇る美しい季節に、Plenaがあって本当に良かったと思いました。

また、Nikon純正マウントアダプターのFTZⅡを噛ませたSIGMA135mmという、節が多く根元が細い非常に不恰好なルックスとお別れ出来た点も、個人的に軽量化以上のメリットでした。

Plenaは、そして135mm f/1.8は前述の通り、70-200mm f2.8の代わり(むしろ上位互換)として使ってみて欲しいレンズです。

70-200mm f2.8の使用頻度は高いが、
①いまひとつ写りに満足出来ていない
②明るさ(開放F値)が足りていない
③他人と差別化したい

という方にとてもお勧めです!

特に、純正70-200mm f2.8よりも135mm単焦点の方が価格が断然安いSONY Eマウントに関しては、絶対的にお勧めです!


Plenaに関しては、純正70-200mm f2.8よりも10万円程高価で、尚且つその【NIKKOR Z70-200mm f/2.8 VR S】の写りが極上なので、難しいところではあります。


Plenaが勝っている点は、下記3つです。

①開放F値が1と1/3段も明るい
②重量が435g軽い
③全長が3/4くらいでコンパクト

このメリットに価値を感じる方には、Plenaをお勧めします。
買えば幸せになれるレンズである事は間違いありません。

日本ダービーはPlenaで流し撮り!

今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。


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