メン地下って結局いいの?悪いの?未来あるの?
昨今、主に東京でのメン地下のイメージというのはとある事務所様のニュースにより悪いものになってきてしまった。
あのニュースが流れた翌日には、ほとんどのメンバーのご両親が心配してLINEしてきたなんていうほどには、全くメン地下という言葉を聞いたことがない人ですら、その存在をよくない方向に認知してしまった。
幸い、うちのメンバーは揃いに揃って強いので「うん!うちメン地下じゃないし」
と言ったそうです笑
本当に、私が最後にすると決めたグループのメンバーがこの子達で本当に良かった笑
私は【メン地下】そのものが悪い場所やコンテンツだと思ったことはありません。
何度も言ってるのですが、きちんと需要と供給がなりたった一つのビジネスとしてまわっているから。
ただし、ここが芸能界か?
と聞かれたら、私はNOと言ってしまいます。
芸能界とは?
そう、音楽をしているという点ではまちがってはないんです。社会かと言われれば、まあメン地下という日本ならではの新しい社会ではあると思うんです。
ただ、ここはみなさんがよく知ってるような【芸能界】とは180度くらい違う。
地下アイドルの活動は全て【企業】ではなく【ファン】の方の資金によって支えられている。
例えば、同じアイドル事務所でもいわゆる世間一般でいう【地上のアイドル】はレッスンや運営費などはスポンサーなり事務所が資金を出している。
しかし【地下アイドル】というところは前にも書いたが、初期投資のみで、その後の活動はそのグループのファンの方がどれだけ投資をしてくださったかで、できることややれる事が変わってくる。
もちろん、レッスンは赤字でも常に事務所が負担してくれるところもあるが、それも長く続けば難しく、簡単に解散になってしまう。
どんなに大きな地上グループでも、規模がおおきくなればなるほど、ファンの方からの応援というのはとても大事にはなってくるが、それとこの投資問題とは少し違う。
これは地下アイドルに限った話ではなく、最近で言うとライバーさんなんかも同じ仕組みだと思う。配信をし、投げ銭にて稼ぎが生まれる。
そういう意味ではこのやり方自体が間違ってるとは思わないし、私自身もそれで会社が成長していくものだと思っていた。
でも実際に会社を作って分かったことは
【ファンの方がどんなに頑張ってお金を使ってくださったとしても成り立たない】
という紛れもない事実だ。
バンドマンのようにメンバー折半で活動しているわけじゃない。
遠征があれば遠征費、衣装制作費、楽曲費などかかるものは無限にある。
二つ前の記事でも書いたがアイドルの運営費というものは、会社が全部持っているところはかなりかかる。
しかし売り上げは1枚1000円〜1500円のチェキだけだ。
ライブに出演したギャラが入るわけではない。
スポンサーから出資してもらっているわけでもない。
そこが地下アイドルと地上アイドルの大きな違いだ。
ましてや今チェキの枯渇問題が起きている。
グッズの需要がない地下アイドルで今後、稼いでいくにはどうしたらいいのか?
これは一番の問題である。
まあそうなる前には私はもういないと思うが、、。
メン地下の需要は10年くらい前に比べたらもうない。アイドル自体もコンカフェで働いた方が最低賃金があるし、イケメンと話したいお客さんは5000円ほどで1時間推しを独占できるのだから、わざわざ3000〜4000円のチケットを毎日のように払ってライブを観に行き、さらに話すために5000〜10000円のチェキを払うなんてことをしなくてもいいのだ。
メン地下という現場で特典会がなくなり、スタッフによる物販だけになった時に、何人のアイドルが残り、何人のお客さんが残るのか?
それくらいメン地下の需要の7割は特典会にあると言っても過言ではない。
それはもちろん良くも悪くもだ。
よく言えば、アイドルとこんなに頻繁に言葉を交わせて一緒に成長していくような体験ができるのはこの業界だけだろう。
しかし悪く言えば、頻繁に言葉を交わせる分、地上のアイドルよりもアイドルの事を「アイドル」として尊敬をしている部分は劣っているのではないだろうか?
だからファンの人も、相手は友達や恋人ではなくアイドルなのに、わがままを言ったり、文句を言ったりしてしまうのではないだろうか?
【自分の事をわかってくれている前提で関係性を見てないだろうか?】
果たしてそれはアイドルに求める事なのか?
私にはわからない。
ここ数日でかなり歴のある方々(グループとしては浅いが各々の歴は長い)が立て続けに解散を発表した。
由々しき事態だ。
本当なら世代交代か!なんてポジティブに思えるが、この業態に関してはそんなポジティブには思えない。
どちらもメン地下では中々できないことをしていた。アニメのタイアップ、オリコン1位やZeppワンマン。もちろんどれもお金をかければ掴み取ることは出来るが、そのお金をかけるというのが難しい業界だ。
例えお金で得たものだとしても、私からしたらきちんとメン地下の道を切り開いている人たちだった。
そんなグループが相次いで解散を発表した。
こんな由々しき事態があるだろうか?
でもその気持ちは痛いほどわかる。
なぜなら、僕らがやりたい本来の事は【音楽(パフォーマンス)】をする事であるが、このメン地下という業界では【音楽(パフォーマンス)】だけで勝負ができない。
自分たちが本来目指すべき活動から少し外れてしまう上に、昔のようには稼げなくなってしまっている証拠だ。
そう。昔はまだ【音楽(パフォーマンス)】に特典会がついているようなものだったが、今ではどっちがおまけかわからない。
スタートは、たくさんきてくれてお金を使ってくれる方へのお礼を込めて作っていたデート特典も、今ではデート特典をするために通う、使うに変わってしまった。
やってる内容自体にはどちらも変わりはないが
【気持ちでやっていたこと】
と
【それをやらないと稼げない】
という思いでやるのはかなり違う。
そら、本来のやりたかった事と外れてきてしまうわけである。
賢い運営はこの業態が終わりに近づいていることに気がついている。
夢と憧れだけではどうにも変えることができない、バンドマンのようにここから羽ばたくぜ!!なんていう青春かっこいいようなところではない。
ここがスタートでここが終着地点なのだ。
どんなにステージが大きくなっても、ファンが増えても、運営にお金があっても、この業態から抜け出ることは難しい。
それが何故なのかは本当にわからない。
事務所がメジャーじゃないから?
でも女性の地下アイドルはそんなことはない。
もちろん、メンズ地下アイドルに憧れて、この世界で生きていきたい子達には夢のある世界だと思う。
昔のようにノルマがあるライブなんてほとんどない。ある程度の常識と良識がある子なら簡単にチャレンジができる。
ただ芸能界で見たアイドルを夢見てきた子達からしたら、ここは相入れる事の難しい別世界だ。
どうしたらメンズ地下アイドルとメジャーアイドルの中間、アイドルを夢見る青年達が活動できる場を作れるのか、最近はそればかり考えている。
そんな日々でした。
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