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ドラマ『いちばんすきな花』

私はハマりすぎる性格なので、ドラマを見ることを生活から遠ざけるようにしていた。(ドラマだけでなく、アニメやゲーム、本なども)
作中の世界に没頭し、自分自信が入り込みすぎて、日常を疎かにしてしまう。物理的に時間も失うし、感情が戻ってこないので心ここに在らずの状態。そうなるのを自覚していたけど、私もアラサーになって成長したので、趣味のひとつとして再開することにした。

なので見始めたところ、短期間で何十作という作品を見てしまったので、せっかくならnoteに残すことにした。

記念すべき1作目~。


作品情報

◎作品名:いちばんすきな花(全11話)
◎あらすじ(Wikipedia参考):
4人が主役。「男女の間に友情は成立するのか」をテーマに、違う人生を歩んできた4人の男女が紡ぎ出す「友情」と「恋愛」、そしてそこで生まれるそのどちらとも違う「感情」を描いたテレビドラマ。

自分用メモ

◎視聴方法:TVer(毎週配信で視聴していたので無料)
◎視聴しようと思った理由:サムネイルが「やわらかい感じだった」から。
◎その他:毎週木曜日にテレビ放送。TVerは放送終了後すぐに配信されるので、お風呂に入りながら見始めて、ストレッチしながら見ていたあの心身共に充実していた時間は幸せそのものだったと記憶している。

感想

一番の感想は「松下浩平(歓喜)」である。

あとは、人生で見てきたあらゆる作品の中で、一番と言っていいほど安らかな感情で見ることが出来た。見た後に考え込んでしまったり、泣きすぎたり、一喜一憂することがなかった。感情移入をしなかったというわけではない。いい意味で私の中での「普通」だった。
ストーリーに関して何か心を動かされるということはあまりなかった。不思議。それよりも、このドラマが、この登場人物が、世間で受け入れられるのかが不安でたまらなかった。
なので感想は以上である。

個人的に思ったこと

言葉選びが難しいけれど、この作品の4人の主人公はみんな少数派と思われる性格。最近でいう「生きづらい人」で表現される人たち。4人とも違うところはあるけれど、4人の中で共感出来るところで深く繋がっていく話。
私もどちらかと言うと少数派タイプに属していると思うので、作中で「わかる」ところが多かった。だからこそこのドラマには多く散りばめられていたものは、私の中での「普通」だったのだと思う。
そしてその少数派の多くの人は、この作品を好きだと感じたり、特別な作品だと感じたりするだろう。多分私も好きな方だと思う。でもここで「好き」と強く言えない自分がいる。

この作品はいわゆる少数派と言われる人たちの感情を丁寧に、かつ過不足なく表現していると思う。言葉だけでなく、俳優さんの演技だったり、間合い、画面の色合いなど、全てがまとまっていた。これが全て心地よかった。不思議だ。なんていうのだろうか、これが「落ち着く」というやつか、と思った。
だがしかし、多数派の人は「分からない」から「つまらない」と感じるのだろうなぁとも同時に考えていた。案の定、私の友人は多分それが理由で途中で見るのをやめていた。「ああ、ハマらなかった、残念。」と思う短絡的な自分もいれば、「期待してはいけないな」と思う孤独を感じた自分がいた。見続けてほしいとは思っていないけど、こういう人たちに興味を持ってほしかったのかもしれない。
ある意味自分を拒絶されたような感じ。「あ、やっぱり?」という感じ。でもこの作品が好きと言う人も多かった。でもその人たちにも私は心の底から「本当に?」とも思ってしまっていた。


私はこのドラマが分かりすぎた。分かりすぎて日常だ。
だけど、分かるからこそ、表に大々的に出してほくないと思った。なんだろう、現実を見せないでほしいというのが近いだろうか。本当の自分を隠しておきたいと思っているのかもしれない。
放送後はXのトレンドに上がっていたのでチェックしてみたところ、16タイプが流行っていることもあってか「この人は〇〇だからこういう思考だ」と一纏めしたり、「まじで共感。誰も分かってくれない気持ちを代弁してくれてる。」みたいな('_')投稿を見てモヤモヤした。まあSNSには私の求める発言は少ないと分かっているのだが…分かっているが…これがトレンドというやつか、と衝撃だった。

少数派とは何だ。繊細とは何だ。
軽々しく「わかる」というのも繊細のふりをした鈍感なのではないか。
本当に繊細な人はそれを求めていないのではないか。
そっとしておいてほしい人もいるのではないだろうか。
いや、そもそも繊細とは何だ。繊細の逆は鈍感なのか?そんな簡単なものなのか?

繊細であることは悪くない。むしろ良い気質である。
人が気づかない部分が分かる。本人にとってそれが負担になることもあるだろうが、生まれ持ったものだから強みとして活かしてほしい。
そのままで、傷つかないままであってほしいと思う。
だが「私は繊細なんだ、私は悪くない」と言って、自分の繊細さを武器に我を出すのは如何なものか。それは果たして繊細なのだろうか。

この作品が伝えたかったことは何だろうか。
私は「分からなくても分かろうとすること(優しく温かく)」だと思う。
世間一般では「繊細=弱い」と思われがちだが、それは決して違う。それを私は再認識した。
彼らはそれを腫れもの扱いされたくない、面倒に思われたくないと思っていると思う。だがドラマ的展開のためにか、若干誇張した表現もあったので、少しヒヤリとするところもあった。
これを見た多くの人が、要らぬおせっかいで干渉してこないかが不安である。実に不安になった。(過去形)


と、色々考えたドラマであった。
総括すると、心が安定する良いドラマであった。(投げやり)
個人的には少数派が素敵に見えるタイミングは、多数派の中にいる時だと思っているので、少数派が集まってしまうとTHE近寄りがたい人たちに見えてしまったのがちょっと悲しい。これも100%好きといえない一つの理由かもしれない。難しいね。
普段生活していて、思うことは沢山あると思うよ、でも言い方ってものがあるじゃないか。この人は自分と違うからって理由で、理解しようとせず、自分の価値観と似た人と馴れ合いのような話をするのは、いただけないなぁ、と思いました。
なので4人の中でも椿さん(松下浩平)が一番落ち着くなぁと思いました。はい。かっこよかった。

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