見出し画像

ドラマ『殺意の道程』

作品情報

◎作品名:殺意の道程(全7話)※1話30分弱
◎あらすじ(Wikipedia参考):金属加工会社の社長であった父が自殺し、その復讐のために息子である主人公(井浦新)と従弟(バカリズム)が「殺人計画の打ち合わせ」や「必要物資の準備」などを周りの人々の協力を得ながら進めていく過程を描く。

自分用メモ

◎視聴方法:Netflix
◎視聴しようと思った理由:ブラッシュアップライフが面白かったので、バカリズムが脚本・出演ということで興味が湧いたから。
◎その他:見始めてから『最愛』で活躍していた井浦新も主演ということに気が付いた。最初は歓喜したものの、役柄的にあまり魅力的ではなく…やはり人は見た目だけではないのだな、と実感した。(松下浩平現象再びである)

感想

作品名に「殺意」が入っているあたりサスペンスかと思ったが、どちらかというとコメディに近かった。ヒヤッとする描写もなく、一人暮らしでも安心しながら見れる作品。
サスペンスドラマは犯人が誰かとか、トリックが明かされたときのワクワク感などがあるが、このドラマは主人公が復讐のために殺人を決意し、それを実行するまでの過程を描いているので、サスペンスドラマの裏側を見るような感覚。
そして殺人の計画段階を描いているので、主人公たちは普通の生活を送っている。暗い描写はほぼなく、音無しで見ればヒューマンドラマのような映像。そんな日常の中で「殺人計画」という異質なものを話しているので、その違和感というかミスマッチな感じが新しいと感じた。
ただ全体的に大きな展開というものが少なくて最後の2話くらいで一気に展開を持ってきて終わる。サスペンスドラマとして見ていると物足りない、いや全然足りないと思うので、コメディを見たいくらいの態勢で臨んだ方がちょうどいいかもしれない。


このドラマは考えさせられるというより、何も考えずに見るタイプのドラマだと思う。
主人公の井浦新と従妹訳のバカリズムは、作中でほぼ表情が変わらない。表情から感情を読み取るようなドラマではない。
でもセリフで十分彼らの性格をつかむことが出来る。そこも面白かった。そして殺人に関係のない日常会話の部分では、「あ、わかる」と思うような何の意味もない会話(褒めている)があって面白かった。
例えばカラオケに行ったとき、時間を何時間で取るか。あとはコンビニで感動するほど美味しいものに出会ったときの話とか。バカリズム脚本ってこういうことなんだろうな、という感じ。


そんな中で私が一番印象に残っているのは、主人公の信念のようなものを感じたとき。ドラマの中で主人公の思考をナレーションで語ってくれるので、主人公の井浦新は頼りないタイプだなと思いながら見ていた。「あまり意思が固くないのかな」とか「最後の最後でやっぱりやめるとか言いそうだな」とかそう感じていた。根からの悪人ではなく、いたって普通の人。そして本来なら殺人とは無縁のような人。むしろところどころ抜けていたり、思考が偏っていたり、感情的な部分があったりするので、殺人は向かないタイプだと思っていた。
だが物語の割と後半で、彼が自分の気持ちをしっかりと話す場面があった。私はそこに意外にも感動してしまった。(バカリズムとカフェで話すシーンだったと思う。多分。いや、車の中だったかもしれない。)あまり重要なシーンとして描かれてなかったが、私的にはそこで主人公にグッと近づけたような気がした。途中で見るのをやめようと思った時もあったけど、この言葉を聞けたから見てよかったと思った。


と思ったドラマでした。
見るものがないときに見る、何も感じたくない、気を張らずに何か見たい、というときにお勧めかなと思いました。個人的にはストーリーを楽しむというより、雰囲気や登場人物の話し方とかを見て楽しむ系のドラマでした。

私は平日に家に帰ってご飯を食べながら見てた。その節はお世話になりました。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?