ドラマ「恋です!」の獅子王さん。最終回を観て

こんにちは。最終回当日に興奮冷めやらぬまま書きなぐったツイートを、少し推敲・加筆して投稿してみます。

以下、ドラマのネタバレを含みますのでご注意ください。

2021年冬ドラマに、「恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜」という作品がありました。
メインはヤンキーの男の子と視覚障がいのある女の子の恋愛なのですが、ヤンキー君こと黒川くんの親友役である獅子王さんが、実は長年黒川くんに片思いをしていることが、作中で明かされます。さらに、白杖ガールユキコちゃんのお姉さん・イズミさんが獅子王さんに告白するという四角関係まで...!
まあ、詳しいことはHPをご覧ください。

このドラマ、獅子王さんがどうなるんだろう...?と毎回とても緊張していて、最終回前には勝手ながら「こんな感じの結末なんじゃない?」と予想したりなんかしていました。
しかし、最終回は私の予想を大きく裏切ってくれたので、今回はそのことについて書いていきます。(前置きが長い)

観ていない方のために補足しておくと、最終回より前の回でイズミさんは獅子王さんに一度告白して振られ、その後友達(推し?)として2人は関係を築いていました。

私が予想していたのは「いつの間にか好きな人がイズミさんになっていました」と2人が付き合い始める結末。なんやかんや最終的にはヘテロカップルにおさまるのかな?と勝手に思っていました。

ところが最終回では、獅子王さんは黒川くんに告白して振られ(黒川くんの断り方も良かった!)、その後イズミさんとの関係も一歩進展させます。
イズミさんとのシーンで印象的だったのは、獅子王さんから「この先女性に恋をすることがあるかは...(分からない)」という言葉が出たこと。
その言葉の後、2人はお互いを大切な存在だと認め、ハグして終わります。

なぜこの最終回が印象的だったのか。
私は別に、「同性に好意を持つ設定が出てきたらそれを貫いて欲しい!!」と思っている訳ではありません。ただ、新しいセクシュアリティの描かれ方をここに読み取れる気がして、いいなあと思った次第です。

これは個人的な意見ですが、今までのドラマにおける同性愛の描かれ方は、
①君だから(同性だけど)好きになった
②シンプルに同性愛者
のどちらかが多かったように思います。
①は初期のタイのBLドラマ(SOTUSなど)、②は隣の家族は青く見える、きのう何食べた?なんかのイメージ。

ところがドラマでは、獅子王さんの気持ちを①のパターンで終わらせることなく、かといって「私はゲイなのでごめんなさい」と言わせる訳でもない。
セクシュアリティの流動性が脚本の土台にあるように感じました。

きっとドラマ後の2人には、乗り越えなければいけない壁がいくつも待っていることでしょう。
イズミさんがやっぱり相手から恋愛感情を向けてもらえないのは辛いと思うかもしれないし、獅子王さんがイズミさんを恋愛的な意味で好きになるかもしれない。
2人がこれから起こる変化を、その都度コミュニケーションを取りながら乗り越えられたらそれで幸せだろうし、もしかしたらどうにもならなくて距離を置くことになるかもしれない。
どちらにせよ、2人の未来に幸あれ!

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