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子育てと仕事、両方のチャレンジを諦めなくていい。仲間の幸福を大事にする経営思想【CEO大野×CoS大田対談】

育児を機に、一つの事業に責任を持つカンパニーCEOから、横断的に複数のカンパニーを支援するCoS(Chief of Staff)のポジションに異動した大田さん(@OTA57)。特定のスキルを求めて採用することの多いスタートアップにおいて、異例にも思える配置転換には、どのような背景があったのでしょうか。その経緯を深掘りすると、Algomaticの「人」に対する考え方が見えてきました。

深い信頼と、困難を楽しむ力

大野:大田はAlgomaticに入る前から、幅広いドメインを経験してきたよね。

大田:そうやね。大野やCTOの南里さんと一緒だったFiNCでは、インターンとしてエンジニアをやっていて。その後はビズリーチで人事とM&A系のプラットフォームのエンジニアとプロダクトマネージャーを経験して、2023年の7月にAlgomaticにジョインした感じ。

大野と大田は学生時代の同級生

大野:FiNCでも、僕はエンジニアにフォーカスしていた一方で、大田は営業やビジネスサイド、インターンの仕組み化などいろいろやっていたイメージがある。それは意識的にやっていた?

大田:FiNCの経営陣を間近で見たことで、エンジニアリングを理解した上で、事業を作り会社を経営することがかっこいいと思ったんよね。いつしかそれが自分のありたい姿としてピン止めされて、経営するなら一通り全部できた方がいいと考えて。FiNCの次のキャリアはエンジニア以外で就職しようと決めて、最終的に人事としてビズリーチに入ったという。

大野:そこから、Algomaticに入ろうと思ったのは?

大田:大野とは、インターン後のキャリアは分かれたけど、年に2~3回会って近況報告していたんよね。大野がAlgomaticを立ち上げると決めたタイミングでも話をしていて。「ChatGPTがやばい」「面白いから何かとりあえず触ってみて」と言われて。僕は当時M&Aのドメインにいたこともあって、初めはピンときていなかったんだけど、触ってみたら「これはすげえな」と。

大野:元々エンジニアをやっていたのもあって、自分でいろいろ作って体感できたのはでかいよね。

大田:そうね。元々、「社会課題を解決したい」という軸があって、FiNCではヘルスケアの、ビズリーチでは後継者不在の問題に向き合っていた。でも社会課題は難しいから残ってしまっているわけで、それを突破できるのは技術かもしれない。生成AIを触ってみて、それを解決できる可能性を感じたんだよね。それで、「やるしか!!!」という流れ。

逆に、大野はなんで俺を誘ってくれたの?

大野:FiNC時代に一緒に働いているとき、めちゃくちゃ信頼されてたじゃん。開発・ビジネス・組織のどんなイシューが出てきても「大田任せた」みたいな。特定のスペシャリティの中だけでやるより、一緒に事業を成長させていくことにコミットして、そのために必要なものを何でもキャッチアップしながらやるマインドがいいなと思っていたんだよね。

大田:なるほどね。

大野:人を誘う時に考えていることが二つあって。
一つは「心中できるか」で、一緒に心中できると思えるほどの信頼関係があるかということ。自分が誘った人は、その人が失敗してうまくいかなかったとしても、俺はもう100%信頼しているから、ネガティブに思わないんだよね。仮に刺されても「俺が悪いことしたんだろうな」と思えるくらい信頼できるというか。そういう仲間って、人生において限られていると思うけど、それくらい信頼できる人と一緒にやりたい。
もう一つは「とにかく毎日一緒に楽しくできるか」。うまくいくこともうまくいかないことも体験しながら、困難も一緒に笑って楽しめそうかということ。俺にとってはこの二つが重要で、大田はこの二つにドンピシャだった。

大田:なるほど。笑顔で日々過ごせればと思います(笑)

育児をきっかけに配置転換、そこから見える思想

大野:入社した時は、事業立ち上げをやっていたよね。

大田:そう。生成AIの領域で市場調査をしたり、アイデアの種を探索して検証したりをくりかえしていた。他のカンパニーCEOと同じで、お客さんに会うこともあれば、実際に作ることもあったね。

大野:そこから、Chief of Staff(CoS)※という別のロールに配置転換したわけですけど。

※Chief of Staffとは 経営を縁の下から支えるポジション。組織内の問題を特定し、その解決のために積極的にアクションを起こすことで、会社運営全体の効率・有効性を高める。

参考:Chief of Staff Job Description: Top Duties and Qualifications

大田:2023年10月に子どもが生まれて。事業をゼロから立ち上げるという仕事面でのチャレンジと、子育てというプライベート面でのチャレンジの両立に悩んで。物理的な時間もそうやし、精神的なマインドシェアも含めて、結構しんどいなと。
子育ても仕事も結構やってる先輩に話を聞いたりしていたんだけど、極論「仕事と育児のどちらかを後回しにするとしたら仕事の方だ」と。個人的には納得できる一方で、会社からしたら「仕事を後回しにするってどういうことやねん」とならなくはないはずだから、結構悩んだ。家族とも、大野ともちろん相談して。
最終的には、Algomaticの今の目標である「生成AIの領域での複数事業の立ち上げ」を達成するために、自分はどのポジションが適切なのか考えた。事業の種を検証する打席数×打率を増やすというアプローチにおいて、カンパニーCEOとして自分が打席に立っていくパターンと、他の人の打率を上げる動きをするパターン、どっちの方が全体のパフォーマンスが最大化するのか。ここを考えて大野とも相談して、他の人の打率を上げる動き方をするCoSというポジションに決まったという感じかな。

2024年10月に子どもが誕生(大田)

大野:そうだね。そのときも喋ったけど、仕事におけるチャレンジの割合は調整可能で。自分が得意なこととチャレンジをブレンドしながら、キャリアを作る方が面白い。でも、人生においてそのタイミングでしかできない大事なことがあって、仕事もチャレンジングで、というのは大変だから。今は大田が得意な領域でバリューを出すことにフォーカスした方が、大田の人生として良さそうだよなと。俺としては、大田が不幸になっていたら嫌だなと思っていたけど、会社として悪い方向に行く心配はしていなかった。そもそも、大田自身が「事業立ち上げというジョブだけやりたい」という感じじゃないじゃん。

大田:もちろん、そうやね。

大野:「Algomaticという会社で一緒に成功しようぜ」という視線の中で、俺も大田も、大田の才能や時間をどう生かすのがベストなのかを、一緒に歩いて考えた気がする。大田に対して、そこへの信頼もあった。カンパニーCEOを続けるにしても別のポジションをやるにしても「Algomaticにとってのベスト」を探索して意思決定してくれる。それを大田は自分で決められる人だから。

大田:泣けるな。その考え方は貴重だと思う。家族にも大野の今みたいな反応をシェアしていて、奥さんは「優しいね」ってよく言ってて。なぜなら、スタートアップ企業として短期的なことだけを考えたら、ポジションを変えるって「何言ってんねん」ともなり得るわけで。そこで、採用やポジションに関する大野の考えが気になった。

大野:結局、会社のために意思決定しているだけなんだよね。優しさというより究極的なエゴだと思っていて。もちろん優しさという人間の気持ちも当然持っているし、バイアスがあったかもしけないけど。
というのも、Algomaticとして挑戦したいのは、短期的な利益ではなく「人生というスパンをかけて、でかい会社を作っていくこと」。それを目指す組織においては、フォローし合える関係が絶対必要。そうしないと短く終わっていくだけだと思う。
人生にはいろんなフェーズがあるから。大田が大変なときはストレッチして動ける人が動いて、大田が動けるときは大田がやるというやり方の方が、長く最強のチームになるはず。「人生というスパンで続けられる」ことが大事だから、正直その意思決定に全く迷いはないんだよね。

大田:確かに。そもそもAlgomaticは(いろんな側面で)中長期を見すえて動いているもんね。

大野:あとこれは、経営思想というか自分の価値観な気がするけど、みんな幸せのために生きてるじゃん。だから、関わっている人が「こっちの方が幸福だよな」というときは、迷わずそっちを選ぶ。俺ら人間に重要なのはこの人生の時間だから。「時代を変えるような事業を作る」という超面白いミッションに立ち向かって、それを実現していく過程を楽しむことには意味があると思うけど、不幸になるべきじゃない。

大田:Algomaticのそういう人間味のある側面は、これまであまり表に出ていなかった話かもね。社内では結構共有されているけど。トップがそう考えて、行動でも示しているから、社内でもそういう認識が芽生えてきて。同じような意思決定ができるから、組織として強くなるんだと身をもって実感した。初期からちゃんとそこに思想を込めるのは大事だよね。

大野:本質だと思うんだよね。正直、そういう仲間とやれること自体がいい人生で。それ自体が目的ですらいい。

大田:わかるわかる。一緒に働いたけど辛くて、あの人たちとはもう二度と会いたくない、とかは最悪やからな。

大野:おじいちゃんになって引退するときに、「おもろかったな」って言えることが理想だよね。
だから、「誰に仲間になってもらうか」にはめちゃくちゃ気をつけていて。こういう基本スタンスで行きたいからこそ信頼できる人、このスタンスで行ける人に仲間になってもらうしかない。そのバランスが崩れて、会社として成長できないと、誰も幸せにならずに終わっていくだけなので。

ライフステージを不安がらずに仲間になって

大野:最後に大田の目線で、Algomaticに興味を持っている人にメッセージがあればお願いします。

大田:Algomaticは、事業ドメインも技術も面白いし、仲間たちも最高。加えて、全員の幸せを最大化することが経営思想のエゴとして、最優先にある。

大野:社内には僕らと同年代の30代前半のメンバーが多くて、ちょうどプライベートも忙しくなる人もいる。手前みそだけど、そこに関しては柔軟な思想があって、仕事とプライベートのバランスはとりやすいよね。

大田:そうそう。下手をすれば、スタートアップだと「もっとコミットしろよ」と思う人がいてもおかしくないと思うのよね。でもAlgomaticは最初からトップがそういう考えで、皆がそれにアグリーしているから、やりやすいと思う。だからもし、家族のことやライフイベントがネックで戸惑っている人がいるのであれば、それは一旦気にしなくていいと思う。

大野:そうだね。10年ぐらい一緒に働けばどこかでバリバリできるんじゃないかと思うので。ロングスパンで一緒に作っていきましょう。

Algomaticのメンバー集合写真

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また、この記事は、先日のPodcastの内容から編集・補足したものです。CoSという役割についても詳しく語っているので、気になる方はぜひお聞きください!