あの夏と今年の夏

「夏」:四季のひとつで、春と秋にはさまれた季節。天文学的には夏至から秋分まで。太陽暦では6月から9月を指し、陰暦では4月から6月となる(Wikipediaより)

今年は、太陽暦では収まりきらないほど長い夏だった。今年というか近年。4月の終わりから、10月の半ばまでもう夏。そのうち、6月から9月は激夏。日本はもう「春、夏、激夏、夏、冬」の五季になってしまった。春夏激夏冬。


最近昔の思い出に浸ることが多い。

中学時代の夏。部活。朝から夕方まで練習して、クタクタになりながら帰る。帰れば一家団欒。ご飯を食べながらめちゃイケを観る。土曜はこれの繰り返しだったなぁ。夏休みに入ればコーラを飲みながら甲子園をボケーっと観てて、気づいたら昼寝してたり。部活を引退した後は、友達と自転車漕いでイオンに行ったり。この思い出達には「テニスと甲子園とイオンと」と名前をつけて保存しよう。

高校時代の夏。部活には入っていなかったから、友達と遊ぶ時間がめっちゃくちゃ長かった。学区という足枷が外れた俺たちは、自転車さえあればどこへだって行けた。古着目当てに隣の市まで。花火をやりに河原まで。電車なんてものは知らん。車の音にかき消されぬよう、大声で喋りながらペダルを漕ぐあの日々が楽しかった。金なんて今より持ってなかったけど、持ってないなりに試行錯誤して楽しいことを見つけ出していた。俺たちは瞬間瞬間を100%で生きていた。
この思い出達には「サイクリングデイズ 1000」と名前をつけて保存しよう。このファイルは容量が少し大きめだね。「1000」は高校生活が約1000日だからとりあえずつけておいた。

大学時代の夏。高校時代に一生懸命ペダルを漕いでいた日常は去り、ペダルを踏み込む自動車へ俺たちの乗り物はシフトしていった。行ける場所が一気に広がった。県外に、山や海に。本当にどこへだって行けるようになった。でも、仲良い友達がみんな就職したから、土日しか遊べなくなった。平日はというと、バイトするか、昼まで寝てるか。ほんでダラダラしてたら17時とかいう何もやる気が起きなくなる時刻になってる。俺は夏を惰性で過ごすようになってしまった。残念。
この思い出達は「堕落」と名前をつけて保存しよう。


今年、人生最後の夏休みだった。6,3,3,(4)がもうすぐ終わる。本当にこれで良かったのかな。昔を振り返ってみて思う。大人に、社会人になりたくない。ずっと遊んでいたい。でも無理なんだよな。
今までの8月31日は「夏が終わっちゃった」とラフに思っていたけど、今年は「夏が終わってしまった」と感じた。もうあの何も考えずに手放しで楽しめた2ヶ月の楽園はもう二度と来ないのだ。絶望の「しまった」だ。
「堕落」フォルダはサイズが少ない。一番金を持ってて、一番時間のある大学生の夏を惰性で過ごした自分をぶん殴りたいね。でも後の祭り。

これからは中身の少ないフォルダじゃなくて、パンパンに詰まった2TBぐらいのフォルダをたくさん作っていきたいね。
「堕落」から学んだ教訓。このフォルダも後々見返したら、楽しい思い出として残っているのかな。ゴミ箱行きは勘弁。

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