りょう書店員

南の孤島と呼ばれる地方の書店員です。気ままに本の事を中心に呟きます。時々音楽のことも。

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最近の記事

水嶋書房くずは駅店さんの閉店に寄せて

2024年7月31日に、大阪の水嶋書房くずは駅店が閉店するという この書店の存在を知ったのは、青山美智子さんのオンラインイベントで、一緒に参加していた、書店員さんと知り合ったのがきっかけだ。 そして、旧Twitter(X)を通じてお店の売場を見ることになる たまげた!それが第一印象である あまりにも、作品いや作家さんへの愛が凄いのだ!POPはもちろんのこと、コメントも愛に溢れている ここまでしてもらった作家さんは嬉しいに違いない、そしてそれは訪れるお客様にも伝わる。 ※こ

    • 青山美智子著 「月の立つ林で」レビュー

      どの登場人物も今の自分を一生懸命生きているが少し歯車が噛み合わずもがいている。でもふと、あるPodcastから流れてくるタケトリオキナの「ツキない話」の物腰やわらかい口調に心落ち着く。そう物語全体に流れてくるこの温かさは何だろう?あらためて繋がりの大切さに気づかされたとき自然に涙がこぼれ落ちる。 順風満帆な人も、なんかうまくいかずにもがいている人も、少し立ち止まって夜空の月を見上げたくなる1冊。 青山美智子という作家の大切な芯の部分を描きつつ、この3年間のパンデミックで人が

      • 青山美智子さんと宮崎本大賞

        2022年8月26日、作家の青山美智子さんのnoteが更新された。 作家デビュー5年が経ち、その記念作として、「いつもの木曜日」が出版された。 この作品は、彼女のデビュー作「木曜日にはココアを」の前が描かれている。 この記念作の話の前にまずは、この「木曜日にはココアを」に触れておこう。 私がこの「木曜日にはココアを」と出逢ったのは宮崎本大賞の第1回大賞作としてだ。それにはこの宮崎本大賞とは?についてだが、この賞は宮崎県内の本に携わる全ての人が、普段本に触れることがない

        • 「赤と青とエスキース」が投げかけた私達へのメッセージ

          読み終えた後、とても不思議な感覚に襲われました。 この物語は、もちろん画家・画廊・絵を飾る額縁・それに関わる人達のそれぞれのストーリー なんだけど、「はっ!これはどんな職業、いや全ての人達にあてはまる壮大なテーマが込められてる んじゃないかって・・・」 そしてそこには著者のこの作品(本)が時代を超えて永遠に人々の心に残って欲しいんだと・・・ 人はどうしても目の前に見える姿や形で物事をとらえがちだけど、そうじゃないんだ、その奥底

        水嶋書房くずは駅店さんの閉店に寄せて

          青山美智子さんオンライントークショーを見て

          2021年7月18日に、椎葉村交流拠点施設katerieさんの開館一周年記念のイベントとして、青山美智子さんのオンラインでのトークショーが開催されました。 本来なら、実際に椎葉に青山さんが来館予定だったのですが、新型コロナウイルスの影響で青山さんのお住まいの関東圏に緊急事態宣言が出てしまいオンラインとなったこのトークショー。 私も実際椎葉まで出向いて青山さんにお会いできるのを楽しみにしていましたが、今回は次に笑顔で会うための神様が与えてくれた機会と思い配信を待ちました。

          青山美智子さんオンライントークショーを見て

          宮崎本大賞のこと

          昨年の夏ぐらいに、某◯◯屋書店のIさんから電話があり「今度、書店の垣根を越えて宮崎本大賞というのを設立したいのですが、そちらのお店は協力いただけますか?」と。私「はい、いい企画だと思います。協力できるところがあればぜひ」と快諾しました。それからうちのグループで集まった際に、実行委員と選書メンバーを選ぶことに。実を言うと私は表にバーンと出ていくタイプでないため、いつのまにか他の同僚に決定した。それからそのメンバーを中心に他書店と月に何回かミーティングを重ねて選書されていった。そ

          宮崎本大賞のこと