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未来を発明するための壁

こんばんは、あるふです。
もともとはロボットビジョンを用いたインタラクションの研究者でした。ただ、現状を見ると、画像生成AIエンジニアが正しいのではないかと思い、そのように自称しています。
このように、最近、画像生成AIをはじめとした生成AIに手をつけているのですが、あまりに発展のスピードが速すぎて不安になってきます。生成AIという技術は無くなることはないでしょうから、どうにかして共存をはかったほうが懸命に思えます。ここにひとつのがあると思います。
そこで、この生成AIと共存するという壁を乗り越える方法を考えてみます。結論から言うと、未来を発明することが不安を打ち消すことになるのだと信じています。

イラスト生成することになった背景

生成AIと出会ったのは拡散モデルによる画像生成が初めてでした。これまで15年間ぐらいは画像認識や強化学習による意思決定を機械化してきましたが、生成の機械化には手を出してきませんでした。そうして趣味で画像生成を研究していたら、拡散モデルが他人の画風をコピーできるということを発見して、これやばいなとなったわけです。そうして、その危険性を広めていた矢先になんかStable Diffusionが出てきました。これ自体は良かったんですが、これを元にイラスト生成するサービスやら画風コピーする技術やらが氾濫してしまったんですね。さてはてどうしたもんかと悩んだ末、イラスト生成の開発力で世界一になれば状況をコントロールできるんじゃね?という謎の発想に至りました。

現状だとこんな感じの出力のAIを開発している

イラスト生成における世界の壁

なんで世界一の開発力を出せるかというと、実はStable Diffusionは当時家庭用の出力程度しかなかったからなんですね。業務用のEDM + Imagenを作ってしまえば勝てる算段ができるというわけでした。また画像生成全般では勝てませんが、イラストに絞れば、日本にいるアドバンテージが得られると考えたからでもありました。とは言っても、それで世界一になり、状況をコントロールできるようになったとして、どのようにイラスト生成と社会とを共存させるか考えないと何も意味ないわけです。そこで考えたのがボーカロイドと同じように画風をクリエーターの方から借りて収益還元スキームを構築するという案でした。
結果として、世界一になるのは現状でも難しいと感じています。日本一ぐらいならどうにかなったかもしれませんが、世界一になると、ここに世界のがあるんですね。特にアメリカの企業の容赦のなさは半端がないものでした。最近ではChatGPTのおまけのような存在であるDALL-E 3もイラスト生成能力が高くなってきて、洒落にならないぞという感じになってきました。本当にどうするんでしょうか。まだ諦めたくはないですが。

DALL-E 3のイラスト生成能力。どうすんだこれ。

未来を発明する壁

とにかく世界一のイラスト生成を目指すのは今後も目指すとして、イラスト生成とクリエーターとの共存を目指さなければなりません。そこでいろいろなひとの協力を元に、いらすとや風の画像生成サービス、AIいらすやとを立ち上げることができました。いらすとやの人はもちろん関係各所の方にお礼申し上げます。AIいらすとやは収益の一部を、いらすとやの人に還元するようにできています。これで収益還元スキームを一つ作ることができました。私の目指した未来を一つ発明することができました。そうはいっても、これからも新しいスキームを考えなければなりません。共存の道は始まったばかりです。

AIいらすとやで作った未来の世界の猫型ロボット


そういえば、今年は大学で講演しました。私から若者に伝えた言葉があります。ノートパソコン (ダイナブック) を発明したアラン・ケイの言葉です。

未来を予測する最善の方法は、それを発明することだ

1971年、パロアルト研究所の研究内容の将来予測を再三に渡って求めるゼロックス本社に対する回答

クリエーターの方の話ばかりしていましたが、エンジニアである自分も何が今後起きるかわからないのです。ChatGPTが汎用人工知能になってエンジニアはお役御免となる話もあるでしょう。この不安の乗り越える一つの方法は、未来を発明することなのでしょう。生成AIと共存する未来を作るためのはとても分厚いでしょう。しかし、諦めずに、AIいらすとやのような未来を作っていきたいと思います。

おわりに

未来は不安なことばかりです。でも、アラン・ケイの言う通り、未来を発明すれば不安は少なくなるでしょう。みなさまも不安だと思います。共に力を合わせ、生成AIと共存する未来を発明していきましょう。そのために私に力を少しでもお貸しいただければ幸いです。お読みいただきありがとうございました。

共に世界の壁を登りましょう。

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