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追悼 八代亜紀さん

演歌なんて殆ど聞かない世代だけど、幼少期にこの方の歌はよくTVで流れていたので、歌詞を見なくてもある程度歌える。

丁度、舟歌が流行った時期は10歳。


『お酒はぬるめの燗がいい

 肴はあぶったイカでいい…』

で始まる歌詞。

当時の俺なんてお酒の味さえ分からなかったけど、何となく路地裏の赤ちょうちんが灯るお店が目に浮かび、冴えない親父が呑んでいる風景が目に浮かんだ。


それって、いま考えると凄いことだよな。


『しみじみ呑めば、しみじみと…
 
 想い出だけが 行き過ぎる

 涙がポロリと零れたら
 
 歌いだすのさ 舟歌を』


これは歳を重ねて分かるようになった感覚。



そういう情景を頭の中に描かせる歌声って、勿論阿久悠さんの歌詞の力でもある訳だけど、それに色を付けるというか、頭の中で鮮明な映像を描かせるだけの歌声の持ち主…

そんな方が八代亜紀さんだったと思う。


ご自身はJAZZがルーツを仰るように、日本独自の魂(soul)を宿らせたアーティストだったような気がします。


まだ、73歳。


この時代に早過ぎますよ…


俺ら50代は美空ひばりと言われてもピンとこないけど、八代亜紀と言われれば、代表曲は歌詞も浮かぶ。


時は流れていくものだけど、段々昭和の思い出が消えていくことがこの歳になると身に染みます。




謹んで、ご冥福をお祈りいたします。

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