備忘録 2024年8月 能登半島訪問記

2024年元旦に能登半島を襲った地震から早いもので7ヶ月が経過した。
頭の片隅でずっと気になっていたが、先日能登を訪問する機会があったので備忘録として記しておく。

私が七尾付近、和倉温泉辺りを訪問して見た結論から言えば、震災の傷跡は至るところに残っており、支援はまだまだ必要。
観光産業が壊滅的ダメージの中で、被災した建物の建て替えの支援やインフラ整備に早く取り組んでいくべきではないかと感じた。

大須夏祭りでの輪島朝市の模擬店に遭遇
8月初旬、何気なく買い物へ出かけた名古屋の大須商店街でちょうどお祭りをやっていた。
名古屋のサブカルの聖地らしく、コスプレした人らが多数闊歩する商店街を通り抜け、大須観音の広場に辿り着くと、その中で能登半島支援のための屋台が出店されていた。

‘輪島朝市in大須’との看板を掲げ、輪島塗りの箸や特産の塩や海産物などが売られていた。
夏休み中の名古屋の中学生(?)が売り子をやっていて、暑い中大変そうだったので、せっかくオススメしてくれた塩とクッキーのセットを購入。

購入した塩


中年の独り身ゆえに、会社以外での社会との接点が乏しくなりがちだが、こういうところで僅かながらに社会貢献をすることでウンコ製造機と揶揄されないように気をつけているのだ。

そんな訳で、何となくモヤモヤしていた能登に対して予期せず僅かながらに貢献できた。

気づけば能登に
8月もお盆休みに突入し、仕事を忘れてリラックスした日々を送る中でドライブ欲が出てきた。

何となく行く先を考えていると、能登方面はなぎさドライブウェイのある羽咋辺りまでなら問題なく行けるらしいとの情報を知人より聞いたので、少し足を延ばして羽咋⇒氷見(富山)へ抜ける道をドライブしようと決定した。

車で金沢から羽咋方面へ向かうには、のと里山海道を使ってアクセスするのが一般的だ。地震が起こった直後は路面が寸断され、隣接する国道を使うしか無かったが、6月にはほぼ全面的に通行できるようになっていたらしい。

金沢から国道8号線経由で白尾インターチェンジから里山海道へ合流し、羽咋を目指した。

白尾インターチェンジからは日本海を真正面から見ることができ、夏の晴れて日なら空と海のコントラストが素晴らしく綺麗に見えるのでオススメだ。

里山海道を走ると帰省客と思われる他県ナンバーの車がチラホラいたが、通常の帰省時期に比べれば車は少なく感じた。

里山海道を北上すると、左側に日本海と砂浜が見える。砂浜に車を乗り入れ釣りをする人などがポツポツ見えた。

海岸線を横目に見ながら車を進めていると、予定の羽咋を知らぬ間に越えてしまい、徳田大津JCT手前まで来てしまった。

和倉温泉の地震の爪跡に直面する
正直なところ、復興が進まない中で県外者がここまで足を延ばしても良いものかとの思いもあったが、せめて金が落とせるところがあれば落として帰ろうと、モヤモヤした気持ちを伴いながら和倉温泉と能登島へ車を進めることにした。

徳田大津JCTから和倉温泉方面でまず最初に感じたのは道路の違和感だ。
やけに上下に車が揺れるし、道路の制限速度も50キロに抑えられている。

路側帯をよく見ると、車道と路側帯の境目がずっと地割れしているのが見えた。
道路が地震のせいでずっと波打ってるようだ。
とくに道路の継ぎ目の段差が大きく、速度を落とさないと車が大きく揺れる。シャコタン車は乗り入れしない方が良いだろう。

和倉温泉街へ車を進めると、業務スーパーやラーメン店には車が沢山停まっており人の気配を感じるが、観光施設や旅館には人気がない。
旅館にはブルーシートで覆われたままのところもあれば、解体屋のゴミ入れのコンテナが正面駐車場に置かれたままのところもあり、震災から8ヶ月近く経った今でも手が回ってない様子が見えた。

和倉温泉の中でも有名な加賀屋は、海岸に隣接して建物が建っているため特に影響が大きく見えた。
建物の壁にX字状のヒビ割れが何箇所も入っていて、再建のハードルの高さを感じた。

そして以前に訪れた和倉温泉の総湯に向かうと、建物の中の電気は点いていた。
調べたら3月末から営業再開していたみたいだ。
今回は生憎温泉セットを持参しておらず、安価で日帰りで気楽に入れる良い温泉なので、和倉へ再来時は是非寄りたい。

しかしながら、お盆の時期というのに観光客の姿は皆無でゴーストタウン化してる状況は深刻だと感じたし、復興への道のりの遠さも感じた。

被災した民家の中には【危険】と貼り紙された家があったり、売りに出ている被災した家には【公費解体認定済】などと貼り紙されてる家があったりで、まさに被災の真っだ中といった感じだ。

地方都市ほど観光産業に依存している現状で、能登もその例外ではないと思うが、これほどに復旧が進んでないものかと落胆する気持ちになった。

そして能登島へ上陸
和倉温泉街から少し足を延ばし、能登島へ。
能登島へは島の南側にある能登島大橋と西側にあるツインブリッジのとの2つの橋からアクセスできたが、今は能登島大橋からのアクセスだけしかできない。

能登島大橋から見る日本海と島の景色は綺麗な光景でテンションが上がる。

能登島へ入り、カーナビを見ると通行止めの地点がいくつもあった。
のとじま水族館へのアクセスは以前と違うルートでアクセスしなきゃならないようだ。

島内の道沿いの民家を見ると、屋根をブルーシートで覆っている家が無数にあった。
恐らく暫定的な対策のまま、夏を迎えてしまったのだろう。
ブルーシートの耐久性もそんなにないだろうし、冬へ向けでどうなるか心配だ。

プレハブの仮設住宅を島の中心部で見かけた。
もしかしたらブルーシートの家は空き家になっていて、ここへ避難しているのかもしれない。

車を走らせて、道の駅のとじまへ。
駐車場には車が何台かいたが、建物には立入禁止とのビラが貼ってあった。

建物の脇にテントの仮設店舗があり、小規模ながらそこでお土産の販売をしていた。
屋外で暑い中にも関わらず、お店を続けているのは大変なことだ。

お店の方と雑談すると、海底の隆起のために漁に出ることはできずにいるままだとのこと。
なまこ入のうどんが売っていたが、なまこ漁の再開は目処がたたなさそうな感じだ。

海辺が地震の影響を大きく受けているため、海岸に近い和倉温泉の旅館は被害が大きかったらしい。

お店の方にこんな時にボランティアでもないのに来て迷惑が掛るかと思ってたと話をしたら、そんな事はないですとおっしゃって頂き、少しモヤモヤが晴れた。

他にも観光客が何人かいたが、復興を願ってか心做しか多めにお土産を買っていってるように見えた。

ここでも特産の塩を勧められたが、大須で買ったばかりなので棒茶と能登ミルクのソフトクリームを購入。

能登ミルクのソフトクリームはオプションのカラメルソース付きで大変おいしかった。

仮設店舗の奥の建屋ではガラス工房が稼働しており、ガラス工芸の体験もできるようになっていた。

七尾市内へ
お昼になり、能登島を出て道の駅能登食彩市場へ。
こちらはお昼時ということもあってか混雑していて活気があった。
屋外のテントで浜焼きコーナーがあったが、暑い中で炭火焼をするのは厳しく断念。

牡蠣の蒸し焼きと寿司を購入し、軽めの昼飯とした。

お土産コーナーでは能登土産定番の竹内のみそまんじゅうを購入。これは安定の旨さなので買うしかない❗

七尾市内もブルーシートで屋根を覆った民家が多数あった。
七尾でこうなのだから、輪島や珠洲などもこれ以上な状況なのだと思うと、本当にどこから手を付けて行けばよいのか分からなくなる。

最後に
人手不足の世の中で、特に地方ではより深刻に人手が足りない状況だと思う。
平時でも人が足りないのだから、このような有事の場合は本当に厳しいのだと思う。

これは災害が多発する世の中で、能登たけの問題ではないと思う。

現地に行ってみて復興に貢献するには、行ける場所へは行ってみて金を落とすことが大事なのではと思った。

しかしながら、道の情報や店舗の営業情報など十分ではないように思う。

機会損失にならない為にも、こうやって備忘録で情報発信して次に続く人を作っていかなばないと感じた。

この備忘録も能登に対してモヤモヤした気持ちを持つ人に届き、少しでも支援の在り方を考えるキッカケになれば幸いと思う。

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