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ドルガバを買ったらクソ客になった話

キャバ嬢たるものブランドのプレゼントされて、やっと一人前。
そんなプレゼントも中洲を卒業するときに全て高山質店で現金にしたから今は1つも残っていません。
だってレディディオールのちっさい鞄見るたびに客の顔が思い浮かんじゃうの嫌だったから><

今回はそのプレゼントの1つ、ドルガバの靴を買ってくれた客のお話。


見た目は品のあるおじさま

その客に初めて出会ったときの第一印象は「品がある、金もありそう、落とせそう」の好印象でした。
その日のうちにボトルを入れさせ、長期契約。
ちなみに、キャバクラだったのでボトルキープをするお客様は少なく他の嬢からは「シャンパンじゃなくてボトル?」と思われてましたが
・派手な遊びが苦手そう
・記念日を大切にしそう
・昭和生まれ
こういう方はシャンパンをねだるとサッと血の気が引いて冷静になってしまうので『ボトル』を早めに入れて
「私たちが初めて出会った記念日(月1)
「初同伴をした日(月1)」
「私が酔っ払って泣きながら電話した記念日(月1)」
と記念日を増やし最低月3回はお祝いと称し好きなシャンパンで乾杯してました。

さて、ボトルキープでウィスキーを入れて同伴の約束に持っていく私。
私「ねぇこのへん詳しくないし、同伴はしたことあるけど気を遣って全然楽しめないんよね。でもなぜか〇〇さんとならめっちゃ素出せる~笑」
客「なんだよ、一応僕も客なんですけど」
私「ねえ、焼き鳥屋さん連れてってよ」
客「焼き鳥好きなの?渋いね」
私「え、そうかな。でも私ナイフとフォークで食べるようなご飯屋さん苦手〜」
さて、このように攻略的に会話を持っていきます。
この会話でポイントなのは
『ギャップ、そして親近感』
中洲で働いてるのに焼き鳥が好きというようなおじさんみたいな娘のイメージをつけて男性心理をくすぐる「あなたなら素でいられる」妹キャラ。
ただし、この作戦は
−8kgのダイエットに成功&マツエクネイルをしっかりするようになってから
効果を発揮し始めました。
芋キャバだったときでは全然効果なし。
いかにも「キャバの大人姉ちゃん」にならないとダメでした。

同伴で岩田屋

さて、1回目の同伴は19時にご飯屋さんに集合しただけでしたが
2回目は岩田屋集合。
「わたし、一度でいいからブランドものの
 ちゃんとしたヒールを履いてデートしたい」
と言って口説いて口説いて押して押して作戦。
そうして作戦成功した私はドルチェアンドガッバーナでヒールをプレゼントしてもらいました。
が、その客がクソ客になったのはその後でした。

同伴出勤をして二時間ほどキャバクラで飲んだ後、
客は中洲行きつけの居酒屋を飲み歩き
閉店間際にこんなLINEが入っていることに気付きました。
23:30 客 「いまどこにいる?もう仕事終わったか?」
25:00客「おい!無視するな!もう家か?」
25:20客「薬やってんのか!?お前ホストにつぎ込んでるんだろ!詐欺女!」
お酒を飲んでスイッチが入ってしまったのでしょうか。
返事をしない間に私はいつの間にか『薬と男にハマってる女』になっていました。
えー、きっしょ。なにこいつ〜笑
と送迎を待っている間にスクリーンショットを撮ってTwitter(X)に
「客、やばい。暴走してはる笑」と投稿して遊んでいると
お店の黒服が心配そうに
「○○さん、来てるけどなんか約束してた?」と聞きに来ました。
約束してないし、こんなLINE送ってきてるから女の子とアフターで天神に行ったって言ってと伝えました。
黒服はLINEの内容を見て
「大丈夫、しっかり追い返すし送迎に乗るときも車まで付いてくから」
とボディガードへ変身。(まじありがとう…ほんと刺されるかと思って怖かった)

暴走する客

閉店後の店先で私を待ち構えていた客。
残念ながら黒服によって追い帰され、
天神でアフターを楽しんでいると思い込みタクシーを飛ばして去っていきました。
その間もLINEで「おい!天神のどこにいる?」などとメッセージが来ていました。
面倒なのでお店にスマホ置き忘れて帰ったことにしようと思い、
その日は既読もつけず翌日の夕方まで放置。

「ごめーん、昨日たくさん飲まされてお店にスマホ置き忘れちゃってたみたい」
と詫びLINEを入れたのは20:00
客「あ、そうなの。昨日はごめんね。酔っちゃっててあんまり記憶ないわ」
とふざけた返答。
酔ったらストーカー&暴走する客は私の客リストからは除外。
こういう人も育てて良客にするのが一流キャバ嬢なのかもしれませんが
どうせ就職したらキャバ辞める身なので
相手にしませんでした。

すると、クソ客は今夜も同じLINEを送りつけ
私を店先で待ち伏せして
「○○(私の本名だと教えた嘘の名前!!出てこい!いるんだろう!」
と叫ぶ始末。

お店にも迷惑がかかる上、
他の女の子たちも怖がっていました。
しかも翌日になると『酔ってて覚えていない』と言うクソっぷり。
酔ってたから何をしても良いと言うわけではありません。
悩みに悩んだ私は、派遣キャバのときにお世話になったクラブのママへ相談しました。
そこで、クラブのママ流『クソ客成敗&縁を切る方法』を試すことに。

バイバイクソ客

さて、私は自分の身を守るためクソ客に
「実は親の介護が必要になって地元に戻ることになっちゃった。今までありがとね。最後に1回だけ会えないかな」とLINEしました。
最後の最後だと知ると「えっ!最後?その地元まで俺が会いに行くから!」と慌てた様子。
まぁその地元も嘘なんですけどね。
※こういうことがあるからキャバ嬢をするときは本当の情報を教えちゃダメだよ事件になる前に自分の身は自分で守ろうね💦

クソ客と私は中洲最後の夜を一緒に過ごすため同伴出勤。
「最後だから普段飲まないもの飲んでみたい…」とお願いしショット系を注文。
コカボム、テキーラを浴びるほど飲み
最後だからと好きなシャンパンを注文。
クソ客は金銭感覚が無くなりつつある状態に。
私とクソ客は散々飲み、クソ客は酔って暴走を通り越し潰れてしまいました。
私はというと、普段から飲みまくっていたのでアルコールに対する耐久性がついていたので「ぽわん」とする感覚だけ。
一体普段からどんだけ飲んでたんだ?!
とびっくりされるかもしれませんが、当時わたしは
同伴で3杯
出勤し指名宅で5杯
フリー客で1~2杯
VIPルームのヘルプでテキーラ祭り
ラスト客でコカボムタワー設立
というようにメチャクチャな飲み方をしていました。
また、指名宅でシャンパンが入れば率先して飲み
ヘルプ席でシャンパンがあれば、指名嬢を助けるため頑張って残量を減らしておりました。
今では「飲めないキャバ嬢」も話題ですが
飲んだ方が緊張しないし手当も入るので私は率先して飲んでました。

普段からこんなにアルコールを体内に入れ
血液がお酒になるほどの生活をしていたので
クソ客が泥酔して道端でくたばっているのを横目に送迎車でサクッと帰宅。

翌日クソ客に
「昨日はいっぱい飲ませてくれてありがとう。
中洲は卒業しちゃったけど〇〇さんの指名で入れて幸せでした。
今日引っ越しをして地元に戻ります😭落ち着いたらまたLINEするね💕」
とLINEを送り、お店の店長には
「〇〇さんって言うお客さんが閉店間際に店先で待ち伏せしたり、こういうLINE送ってきて怖いので系列店含めて出禁にしてください😢」と報告。
店長はクソ客の写真を見るなり
「あぁ、このお客さんね。
うん、やっぱり無理して付き合うより事件に繋がるようなら
手を切ったほうがいいと思ってたんよ。
顔写真と出禁の連絡は系列店にも連絡入れとくから心配しなくていいよ。
もし家がバレたり大学まで付きまとわれたらすぐ言って」
と超迅速&完璧な対応で出禁に。

事件になる前に

キャバ嬢は世間から反感を買うような職業ですが
やっぱり時給が高いのには訳があります。
たくさん稼げるけど「いつか刺されるかもしれない」と思いながらの生活。
一流のキャバ嬢ならそんなことない、とは思いますが
私は就職までの足掛けキャバ嬢。
辞める日は決まっていて、社会人になるまでの生活費や引っ越し費用を貯めるために働いていたので『一流』になることはできませんでした。
また、今ではインスタやTikTokで顔出しして
指名に繋げると言うやり方もありますが
当時まだTikTokは女の子が胸を揺らしてダンス動画をするだけのコンテンツ。
インスタ営業はそこまで主流ではない、と言う感じでした。
今でも「自分偉い!」と思うことは
お店のSNSでも一切顔出しをしなかったことです。

就活でも、私生活でも不利になるかもだしデジタルタトゥーは一生残る!

そこまで有名なキャバ嬢ではないにしろ、
同じ県内で就職する予定だったのでいつどこでバレるか分かりません。

危険な客、そしてネットでの顔出しは
自己責任となる職業。
キャバ嬢は自分の目を養う良い勉強です。
自分の身は自分で守る、付き合って良い人と縁をきる人を自分で決める。
もしガールズバーやキャバクラに行って
「え、こいつアホそう」と思った女の子でも頭の中はこの考えを持っているかもしれませんね。

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