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花相の読書紀行№.88『さよならの手口・静かな炎天』

女探偵葉村晶シリーズ、7・8作目

【さよならの手口・静かな炎天】/若竹七海
<あらすじ>
◆さよならの手口
仕事はできるが運の悪い女探偵・葉村晶が帰ってきた!
探偵を休業し、ミステリ専門店でバイト中の葉村晶は、古本引取りの際に白骨死体を発見して負傷。入院した病院で同室の元女優に二十年前に家出した娘探しを依頼される。
当時娘を調査した探偵は失踪していた――。
 
◆静かなる炎天
ひき逃げで息子に重傷を負わせた男の素行調査。疎遠になっている従妹の消息。依頼が順調に解決する真夏の日。晶はある疑問を抱く(「静かな炎天」)。イブのイベントの目玉である初版サイン本を入手するため、翻弄される晶の過酷な一日(「聖夜プラス1」)。タフで不運な女探偵・葉村晶の魅力満載の短編集。

・青い影~7月~
バスとダンプカーの衝突事故を目撃した晶は、事故で死んだ女性の母から娘のバッグがなくなっているという相談を受ける。晶は現場から立ち去った女の存在を思い出す。
・静かなる炎天~8月~
かつて息子をひき逃げで重傷を負わせた男の素行調査。疎遠になっている従妹の消息。晶に持ち込まれる依頼が順調に解決する真夏の日。晶はある疑問を抱く
・熱海ブライトン・ロック~9月~
35年前、熱海で行方不明になった作家・設楽創。その失踪の謎を特集したいという編集者から依頼を受けた晶は失踪直前の日記に頻繁に登場する5人の名前を渡される。
・副島さんは言っている~10月~
元同僚の村木から突然電話がかかってきた。星野という女性について調べろという。星野は殺されており、容疑者と目される男が村木の入院する病院にたてこもっていた。
・血の凶作~11月~
ハードボイルド作家・角田港大の戸籍抄本を使っていた男がアパートの火事で死んだ。いったいこの男は何者なのか?
・聖夜プラス1~12月~
クリスマスイブのオークション・イベントの目玉になる『深夜プラス1』初版サイン本を入手するため、翻弄される晶の過酷な一日を描く。
 
有能だが不運すぎる女探偵・葉村晶シリーズ第4弾。苦境にあっても決してへこたれず、ユーモアを忘れない、史上最もタフな探偵の最新作。〈甘いミステリ・フェア〉〈サマーホリデー・ミステリ・フェア〉〈風邪ミステリ・フェア〉〈学者ミステリ・フェア〉〈クリスマス・ミッドナイトパーティー〉など、各回を彩るユニークなミステリの薀蓄も楽しめます。好評の「富山店長のミステリ紹介ふたたび」も収録。
(解説は大矢博子氏)
 
★感想
若竹七海さんのミステリーを2冊、やっと読み終えました。(時間かかったぁ~)
長編小説『さよならの手口』と短編集『静かな炎天』。
どちらも女探偵 葉村晶を主人公にしたお話。

短編集『静かな炎天』
オープニングの「青い影」は、事故現場の遺体から盗んだ手帳を探すのだけど、終盤になって “えー、そういう展開!?”って苦笑。
けっしてすっきり解決!ではないストーリーに思わず引き込まれます。
最後の「聖夜にプラス1」は、主人公が次々と係わる人に翻弄されながらも目的を果たす。最後はしみじみしてくるストーリー。

長編の『さよならの手口』は、短編集の前にあたるストーリー。休眠中の女探偵が、復活するお話。これも最後は “やってくれる!”って笑っちゃいました。
葉村 晶の、どこにでもいる人間設定が妙に身近に感じて、愛おしくなります。
四十肩を抱えながらも、アラフォー女探偵が街を闊歩する。

私は・・・アラ〇〇だけど(汗)主人公のようにため息つきながらもパワフルに生きていたい!
そんな風に思えた小説2冊、楽しかったぁ~。

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