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花相の読書紀行№.59『玉麒麟 羽州ぼろ鳶組』

新之助、男になる

【玉麒麟 羽州ぼろ鳶組】/今井翔吾
<あらすじ>
侍火消にして府下十傑に数えられる鳥越新之助。新庄の麒麟児と謳われた“ぼろ鳶組”頭取並は、闇に堕ちたのか?豪商一家惨殺及び火付けの下手人として手配された新之助は、一家の娘を人質に逃走を続け、火盗改、江戸の全火消の包囲を次々と打ち破っていく。一方、幕府の命で動きを封じられたぼろ鳶組頭取松永源吾は、仲間のため、己のため、決意を胸に立ち上がる!

★感想
羽州ぼろ鳶組シリーズ第8弾。
今回のお話は、新庄藩定火消頭取並の“鳥越新之助”にかかる物語。
松永健吾の脇で、いつもへらっと笑う子供っぽい若者の新之助ですが、この非常な状況の中で一人の男として成長する姿が実にカッコよく描かれています。
今回の騒動は、新正藩全体が謹慎状態に陥り、平素の迅速な機動が取れない中で、罠にはまった新之助を助けるのが、いつも脇役の登場人物たち。
火消仲間、藩士や与力の尽力に助けられながらの逃亡劇は、ハラハラ、ドキドキ。
粋でいなせな火消たちに惚れ直します。あの進藤内記でさえも…イイ男。

ぼろ鳶の衣装はやっぱりボロボロの半纏が良く似合う。その心意気は天下一品!!

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