見出し画像

花相の読書紀行№.69『DASPA(国家防錆安全保障会議)-吉良大介』

頭脳と情報の戦い、吉良大

【DASPA(国家防錆安全保障会議)-吉良大介】/榎本憲男
<あらすじ>
DASPA(ダスパ)――国家防衛安全保障会議。テロをはじめ国家の非常事態に的確に対応するため、内閣府に設置された各省庁からの選抜精鋭チーム。
吉良大介――警察庁警備局出身、要となるインテリジェンス班サブチェアマンに抜擢されたキャリア官僚。「日本をバージョンアップする」が口癖の長身イケメンのこの男、仕事はできるが女性に弱い。
DASPAのスタートを目前に控えた日、中目黒のマンションでひとりの白人男性が毒殺された。その目的は? 背後で蠢くものとは? 人気シリーズ『巡査長 真行寺弘道』とリンクする著者渾身の書き下ろし痛快エンターテインメント小説。

 ★感想
『巡査長・真行寺弘道』の一作目から登場し、シリーズの中で折に触れて名前が出てくる警察官僚の“吉良大介”が活躍する国家防衛サスペンスミステリー。

このお話は、真行寺シリーズの事件を吉良の側から描いたストーリーなので、事件は現場と言うよりも、事件を頭脳と情報で解決していくストーリーです。
多少ジレンマを覚えそうでしたが、読み込むとなかなか面白かったです。
ストーリーが進むにつれて、現在の新型コロナウィルス感染の始まりが見え隠れしたことで、ますます興味をそそられ、気が付いたらラストを迎えていました。

官僚然としながらも、目的のためなら手段を選ばない吉良の行動の裏に、意外と抜けている部分や己を卑下する部分も見えて、近親感を抱かせてくれる…これは作者の意図的なものなのでしょうか?
尚且つ、女性に弱いところは、真行寺と同じなのが笑えました。

私たちが蔓延と過ごしている世の中の深いところで、国家として様々な戦いを強いられていることに、もう少し目を向けなければいけないと感じました。

日本の国民として、この小さな一個人に何が出来るのでしょうね。

とは言いながら、次にしなくちゃいけないことは、真行寺の1作目を読むことです…(笑)

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?