見出し画像

花相の読書紀行№50『夢胡蝶 羽州ぼろ鳶組』

吉原の空に蝶が舞う

【夢胡蝶 羽州ぼろ鳶組】/今井翔吾
<あらすじ>
花魁・花菊は死を願った。吉原の大見世で最高位の花魁となるも、やはりここは苦界でしかない。父母と彼岸での再会を望み、燃える妓楼に身を置いた。だが紅蓮の炎に飛び込んできた男がいた。花菊は業火の中、ぼろ鳶組纏番・彦弥と運命の出会いをする――。吉原で連続する火付け、下手人と思しき者の殺害、黒幕が? 新庄藩火消頭・松永源吾が情念渦巻く吉原で謎に挑む。

★感想
今井翔吾さんの羽州ぼろ鳶組シリーズの第6弾。
今回は、吉原を舞台に町娘にモテモテの纏師“彦弥”の本気の心が動く恋バナを含んで、吉原に暗躍する火付けを追うストーリーです。

見目麗しき遊郭の蝶と江戸の空を飛び回る火消しの色男の取り合わせは、ちょっと粋なラブロマン仕立てになって、いつもの鬼気迫る迫力に加えてドキドキ感と胸キュンも味わえます。
好きなキャラクター5本の指に入る“谺の彦弥”。
本作の山場で見せる彦弥の蝶のような飛躍にも魅了され、私の番付も急上昇しました。

この記事が参加している募集

#読書感想文

191,569件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?