「次は自分で来よう」と思ったまま≡タイ

この暑い日差しの中、何度か自転車通勤をした。とくに坂道を下っているとその先に海がありそうな、東南アジアの匂いがする時があるので日本はすでに亜熱帯なんだと思う。

冷たいうどんや蕎麦も美味しいけど、辛いものを欲するようになりタイ料理やスパイスカレーをえらぶ率が上がったのもそういうことなのでは?

△ガパオライス作るのはわりと得意な方だよ。

タイに行ったのはもう20年前。地元が田舎だったからかな。少なくともうちの家庭では出てきたことないし、両親にタイ料理という選択肢がないので外食でも食べたことがなかった。あの頃そんなにタイ料理とかなかったよね?

海鮮が並ぶ中から好きな魚、海老や貝をえらび、調理の仕方をえらび、ビールを飲みながら前菜食べてるうちに、それらのメインが出てくるシステムのレストランも初めてで感激したし、プーケットのとくにピピ島は自然がいっぱいで人工的なものが少なくて、きれいで大好きになった。のちにディカプリオの「THE BEACH」の舞台だと知った。

本題。​その時、年上の彼氏に連れてってもらったんだけど、まさにこれは成田離婚だ…という体験になった(結婚いてはないけど)。英語もできるし、海外も行き慣れてて、石垣島生まれでダイビング教えたりツアコンしてたこともあるような人だったので、誘われたとき、絶対楽しいはずだと思ったんだけど。

その人がほとんど決めてしまう。ごはんも遊ぶコースもマッサージも。お金払ってない自分には我儘を言う権利はないと思って「次は自分で来よう」と思いながらついていっていた。でも何より、嫌だったのは、「おれ現地の人と話すの大好きで〜」と、ずっとガイドや店員と英語で話している。なんだか本当にただの付き添いみたいであった。

来れたことだけ感謝しようと思いながらも、だんだんと横にいるそいつが憎くなってくるものだ。「おれ現地で髪とか切っちゃうんだ〜」といって散髪して出てきたら(控えめに言って)木の子みたいになってて、気持ち悪くなってた。そいつが後悔したり、観光中ろくに話もしなかった私に、何度も「どう思う?」って確認してくるのを見て散髪屋が私の仇を打ってくれたのかと思った。

憎さに気持ち悪さまで加わり、解散したくなったけれど当時はLCCなどなく帰国のためのお金がなくて解散できなかった。お金で他人に頼るとこういうことが起きるのかと学んだ。

そんな気持ちは態度に出ていたと思う。負けじと向こうも嫌な態度になってきたのは好都合で無事に清らかな身で帰国の日を迎えられた。


飛行場からの車の中で「おまえヒゲ生えてるw」って笑いながら言ってきたので「ふーん」って言いながら車のサイドミラーでヒゲを見ながら運転席の方をを見ないようにしながら帰った。ヒゲっていうか産毛は確かに生えてたからすごくイライラした。

(控えめに言えば)木の子のくせに!!! 

その後もめることなく、お別れしました。

という結果に終わったのはタイのせいではないのに、その後、旅先に選ぶことなく20年も経ってしまった。「次は自分で来よう」それは叶えたい気もする。きっとそれは楽しい旅行になるはずだからね。

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