「輪郭を抜く表現」(2023年10月3日の日記)

・こんにちは。お久しぶりの日記となっています。先ほどアルコールをちょっと飲んだので頭が若干痛いです。

・最近、何かを表現したい時に使える新しい(?)技法みたいなものについて考えていた。その名も「輪郭抜き」である。例えば、あなたが楽しみにとっておいた冷蔵庫のプリンを家族に食べられてしまったとしよう。この気持ちをうまく言葉で表現したいが、一つの単語「切ない」とか「悲しい」とかでは、どうも芯を食っていないと感じていたとする。
・こんなとき、とにかくその感情の輪郭を少しでも掠める表現を全部使う。いくつかの形容によって、その全体像をぼんやりと想起させることを狙う。例えば上の例ならば、以下のように表現するといいだろう。

悲しい」や「虚しい」に近いんだけど、色でいうなら赤みがかったピンクって感じで、数字でいうなら9って感じ。天気で例えれば夕方から降り始めた雨って感じで、楽しみを裏切られた腹立たしさも混在しているイメージ。

・実際は「悲しくて虚しくて腹立たしい」と言えばいいので、こんなまわりくどい表現方法は鬱陶しい上に滑稽で仕方がないのだが、実際に役に立つ場面は意外とある。

・例えば、ある人の性格がどんなふうか表現したい時、人の性格を表現する単語は日本語にはそんなに数はない。「竹を割ったよう」とか「破天荒ではちゃめちゃ」だとか「サバサバ系」だとか、どれも言葉が持っている意味がノイズとなって正確な形容を妨げてしまう。ここで先ほどの輪郭抜きが力を発揮する。

数字で例えれば「4」みたいな人で、属性でいえば闇属性、武器を持っているとしたら魔法の杖で、相手の体力を吸収して味方を回復させる魔法を使いそうなタイプ。

・このように表現すれば、一言では正確に表しきれなかった人の性格もノイズなくすっきりとイメージが入ってくる。ただ、あくまで比喩の一つ一つは輪郭を掠める「穴」に過ぎず、相手が言わんとしている方向を察してその輪郭を切り抜くのは聞き手なので、相手を選ぶ必要はある。




・例の「クックック….」と笑うラスボスギャルの後輩とご飯を食べてきた。実際は見た目以外はそれほどギャルでもないんだけど、初対面の時の印象と底抜けに明るいコミュニケーションによってそういうイメージが定着してしまっている。
・この子はめちゃくちゃモテるタイプで、その魅力の振りまき方について結構悩んでいるらしかった。大量の知人に言い寄られるのは体力を消耗するし、誰もをぞんざいに扱えないせいで誘いを断りきれずトラブルになりかけることが多々あるらしい。モテない人からすれば贅沢な悩みだなあとは思うけど、当事者は普通に困っているっぽいので幸福の基準は人それぞれだ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?