ブックオフの従業員による架空買取 ダブルチェック導入と現金買取をやめること

愛知県のアルミリサイクルカンパニー
株式会社豊アルミ工業 代表の桐山です。


最近、こんなニュースを見て、デジャヴを見ているようでした。

要は、実際に無いものを仕入れたように見せかけて、従業員が店のお金をくすねると言ったものです。横領ですね。
まあ、我々、金属スクラップ業を営んでいるものからすると「あるある」です。(ウチは一切ないですよ!)
古典的な手口です。
架空仕入れはどの業種でも起きうるものですが、現金でやり取りする業種や金属スクラップのようにモノの形が定まらない原料的な品物で起こりやすいと思います。


金属スクラップ業者で起きた例をご紹介します。
とある現場責任者A氏(雇われ)がいました。A氏には、ヤードに持ち込まれたスクラップの品質を見定め、買取価格を決定する権限があります。
この会社には他の現場スタッフと事務所の会計を担う事務員がいます。
ただ土曜日は現場スタッフは最小限の人数になり、事務員は休みになります。
彼は土曜日を狙って、架空仕入れを起こしました。
実際には、持込など無いにも関わらず、あったことにしました。ここにもう一人の登場人物が現れます。スクラップの持ち込み業者B氏です。A氏とB氏は結託して、B氏がひと気の少ない土曜日に持ち込みをしたことにしたのです。そしてその架空仕入れ分のお金がB氏の口座にA氏の会社から振り込まれます。B氏はA氏からいくらかのマージンをもらい、A氏は会社のお金を自分の懐に入れることに成功しました。
しかしA氏は愚かにも、その金で豪邸を立ててしまったのです。
ここから足が付きました。税務署が怪しんだのです。
なぜA氏の給与で、豪邸と言われるほどの家を建てることができるのか?と。
税務署は会社にも調査に入り、A氏の悪事は暴かれてしまいました。もちろんクビです。
またA氏は上手く事を進めているつもりでしたが、実は他の現場スタッフにはバレていたそうです。
その後はどうなったか分かりませんが、雇われゆえに、このような魔が差してしまったのだと思います。
最初は小遣い程度の金額だったと思いますが、数万が数十万、数百万となっていきます。本当によくある話です。
これを防ぐ有効な手立てとしては、計量をダブルチェックにすることです。または計量のログを残し、人為的に改善できないシステムを構築することです。
なかなかこうしたシステムを構築できないために、経理の担当は身内で固める、という前時代的な対応をしている会社も多いです。
しかしブックオフならできると思います。


現金買取については、やめるべきでしょう。
弊社も相当少額でない限りは振込にしています。
現金買取はもらう側にとってはうれしいかもしれませんが、不正の温床になりやすいですね。
同業だと「現金買取」を売りに出しているところも多いですが、もうそういう時代ではないと思っています。
現金は金の流れがつかみにくいことがダメですね。
政治資金パーティーと全く同じです。
現金は不正の指揮温床になりやすい、ということは良識のある方ならお分かりだと思います。
少額の買取に対して振り込みは、振込手数料負けしてしまうことがあります。
これに対しては、ブックオフは買取価格の下限を決めておいて、それ以下であればポイント制にする、といったような対応もあるかと思います。
ある程度の金額を超えたら、ダブルチェック体制にするなど。
お金を触る仕事ですからね。
スーパーのレジでも、極力、人がお金を触らないようなシステムになってきています。


今の時代、現金のやり取りは何らかの不正が行われていると疑われます。
昔ながらの不正は通用しません。
やり口はバレバレですから、真面目に仕事をしましょう!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?