多項式と線形方程式と微分方程式の次数


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多項式

単項式

単項式は、一つの項のみから成る代数式です。単項式は以下の形式を持ちます:

$$
a \times x_1^{n_1} x_2^{n_2} \dots x_k^{n_k} 
$$

ここで:

  • $${ a }$$ は単項式の係数で、通常は実数や複素数といった数体の要素です。

  • $${ x_1, x_2, \dots, x_k }$$ は変数です。

  • $${ n_1, n_2, \dots, n_k }$$ は各変数の指数(次数)で、非負の整数です。

例えば、以下は単項式の例です:

  1. $${ 3x^2 }$$

  2. $${ -5y^4 }$$

  3. $${ 7x^3y^2z }$$

単項式は多項式の基本的な構成要素であり、多項式は一つまたはそれ以上の単項式の和として表現されます。

多項式

多項式とは、数学や代数学における基本的な概念の一つで、変数と係数を持つ代数式のことを指します。多項式は以下のような形式を取ります:

$$
 P(x) = a_n x^n + a_{n-1} x^{n-1} + \dots + a_2 x^2 + a_1 x + a_0 
$$

ここで、

  • $${ x }$$ は変数

  • $${ a_0, a_1, \dots, a_n }$$ は係数(実数や複素数など)

  • $${ n }$$ は非負の整数で、多項式の次数を示します。

多項式の特徴は次のとおりです:

  1. 各項の次数(変数の指数)は非負の整数である。

  2. 係数は通常、実数や複素数であるが、より一般的な数体上の要素でも良い。

  3. 多項式の次数は、最も高い指数を持つ項の次数で定義されます。

例えば、$${ 3x^2 + 5x - 7 }$$ は次数2の多項式であり、変数は $${ x }$$、係数は3, 5, と-7です。

多変数多項式

多変数多項式とは、2つ以上の変数を持つ多項式のことを指します。一般的な多変数多項式は以下のような形式を持ちます:

$$
 P(x_1, x_2, \dots, x_k) = \sum a_{i_1, i_2, \dots, i_k} x_1^{i_1} x_2^{i_2} \dots x_k^{i_k} 
$$

ここで:

  • $${ x_1, x_2, \dots, x_k }$$ は変数です。

  • $${ a_{i_1, i_2, \dots, i_k} }$$ は多項式の各項に対する係数です。

  • $${ i_1, i_2, \dots, i_k }$$ は非負の整数で、各変数の次数を示しています。

例として、以下は2変数($${ x }$$ と $${ y }$$)の多項式の例です:

$$
 f(x, y) = 3x^2y + 4xy^2 + 2x - y 
$$

多変数多項式は、多変数関数の性質を調べる際や、多変数の代数方程式を扱う際に用いられます。その他にも、多変数計算の基本的な構造として、多くの数学や応用分野で出てきます。

次数

  1. 単項式の場合:
    単項式の次数は、その単項式の変数の指数の合計として定義されます。
    例: $${ 3x^3 }$$ の次数は3、$${ 7x^2y^2 }$$ の次数は $${ 2 + 2 = 4 }$$ です。

  2. 1変数多項式の場合:
    1変数多項式の次数は、その多項式における最も高い次数の単項式の次数として定義されます。
    例: $${ 2x^5 - 3x^3 + 4x^2 - x + 7 }$$ の次数は5です。

  3. 多変数多項式の場合:
    多変数多項式の次数は、その多項式に含まれる単項式の次数の中で最も高いものとして定義されます。そして、各単項式の次数はその単項式の変数の指数の合計として定義されます。
    例: 多項式 $${ f(x, y, z) = 2x^3y^2 + 4xy^4z + x^2 }$$ において、最初の単項式の次数は $${ 3 + 2 = 5 }$$、2番目の単項式の次数は $${ 1 + 4 + 1 = 6 }$$、3番目の単項式の次数は2です。したがって、この多項式 $${ f }$$ の次数は6となります。

多項式の場合、基本的には最も次数が高い項の次数をもってその式の次数とする。ただし多変数の場合、着目する変数に応じて、その変数に関するその変数の次数の式とみなすこともできる。この場合、着目されてない変数は固定される。

線形方程式の場合

線形性

$${\mathbb R^n}$$の全てのベクトルと
全てのスカラーcに関して以下のような操作ができること。

加法性
$${f(\mathbf x_1+\mathbf x_2)=f(\mathbf x_1)+f(\mathbf x_2)}$$

斉次(同時)性
$${f(c\mathbf x)=cf(\mathbf x)}$$

微分方程式の場合

微分方程式では、混乱なければ階数のことを次数といいます。
微分の階数と代数的な次数は、微分方程式を考えるときに区別される概念です。

  1. 微分の階数: これは微分方程式に含まれる最も高次の微分の次数を指します。例えば、$${\frac{d^2y}{dx^2}}$$ の場合、微分の階数は2となります。

  2. 代数的な次数: これは関数やその変数の累乗の次数を指します。例えば、方程式 $${y^3 = x}$$ における $${y}$$ の代数的な次数は3です。

微分方程式の文脈で、これらの違いを明確にするための例を考えてみましょう。

方程式

$$
\left( \frac{dy}{dx} \right) ^2 - y^3 = 0 
$$

では、

  • 最高の微分の階数は1($${ \frac{dy}{dx} }$$ が最も高次の微分)

  • しかし、yの最高の代数的な次数は3($${ y^3 }$$ の部分)

  • $${ \left( \frac{dy}{dx} \right) ^2 }$$の代数的次数は2

このように、微分の階数と代数的な次数は同じ方程式内で異なる値を持つことができ、それぞれ異なる意味を持っています。

また、定数の次数は0。変数を0乗して1になったと考えると思われる。変数は固定して定数化した時点で次数を失う。

2階3次
2次の項
これも2次の項(2変数)
これは3次の項(2変数)

斉次(同次)

多項式において、全ての項の次数が等しい状態。
ということは、基本的には多変数の多項式に使用される概念である。
特に多変数であり、変数の組み合わせが問題になる場合に同次であることは重要性を増す。
たぶん、おそらく、定数項が入り込むと問答無用で非同時になると思われる。だって全ての項が0次ならば式としてほとんど機能しないから。
例外的に$${f(x)=c}$$のようなものは0次の同次であろう。

微分方程式における同次形とは、変数$${x}$$と関数$${y(x)}$$において

$$
\frac{dy}{dx}=f(\frac{y}{x})
$$

なるもの。
また、同次線形微分方程式は以下。

線形微分方程式

線形微分方程式とは、未知の関数とその導関数(微分)の線形結合のみで構成される微分方程式のことを指します。一般に、次のような形をとります。

$$
 a_n(x) \frac{d^ny}{dx^n} + a_{n-1}(x) \frac{d^{n-1}y}{dx^{n-1}} + \dots + a_2(x) \frac{d^2y}{dx^2} + a_1(x) \frac{dy}{dx} + a_0(x) y = g(x) 
$$

ここで、$${ a_n(x), a_{n-1}(x), \dots, a_1(x), a_0(x) }$$ は与えられた関数であり、$${ g(x) }$$ は既知の関数です。求めたいのはこの方程式を満たす関数 $${y(x) }$$ です。

上記の微分方程式は n 階の線形微分方程式と言われます。

特に $${ g(x) = 0 }$$ のとき、この方程式は同次線形微分方程式となります。それ以外の場合、非同次線形微分方程式と呼ばれます。

線形微分方程式は、その特性や既知の関数 $${ g(x) }$$ の形に応じて、特定の方法で解くことができます。たとえば、定数係数の微分方程式や、既知の関数が特定の形(例:指数関数、三角関数など)を持つ場合などには、特定の解法が適用可能です。

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