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軽めのCLAMP話

CLAMPの漫画に初めて触れたのは、『魔法騎士レイアース』からだった。

子ども心に当時の『なかよし』に連載されていた漫画の中でも絵のタッチが全然違うな、少女漫画っぽくないな、カラーの絵も何か違うなと思ったものだ。

そして気づけばその違和感が関係なくなるほどこの作品にはまっていた。第一部も第二部も全部最後まで読んだ。第一部は特に最後が救われなさ過ぎていまだに思い出すだけでツライ。そんなのって本当にない。雑誌のカラー的にあんな悲恋は想定していなかった。

少しだけ背伸びをするきっかけを作ったのは姉だった

このようにちょうどこの作品に熱くなっていたころ。ほぼ同時進行するように、姉に「CLAMPの他の漫画も読んでみる?」と言われることになる。

この姉がまた曲者だった。年齢が結構離れているのだが、当時も思っていたが今思ってもかなりのオタクだった。コミケ等のイベントにも行っていたし、家にはこっそりとだったけど同人誌があり『JUNE』も『ぱふ』もあった。こっそり読んでこんな世界があるのかと悟りを開いたのもいい思い出(?)。

そんな姉がCLAMPの他作品を薦めてこないわけがなかった。おのれ姉め。

最初は確か『聖伝』だった気がする。

最後まで読んだ方ならお分かりかと思う。コミカルな部分もあるものの、シリアスな面がしんどい。そしてえぐい。最後は二人以外○○だよ?(あえて伏せる)。乾闥婆王と蘇摩も好きだったのに……。

でも面白い。絵の描き込み具合も凄いのでえぐさが増しているけど、話の流れも上手く目を離させてくれない。面白い。あれは名作だなと思う。


次は『X』だったはずだ。

これもまた部分部分が重い。これもコミカルな部分もあるものの、反動が重いのだ。そしてこうして語りはするものの、現状未完扱いのため人に中々薦められないのもネックだ。当時はまさかこんな現状がまっているなど考えられるはずもなく単行本を読み進めていた。彼や彼女らの運命って結局どうなるんだとやきもきする。そして予想とは違う方向の話になってきたなと思ったとたんに未完へまっしぐらだ。

『X』に関しては劇場版も姉に連れられて観に行った。あれは新宿のコマ劇場あたりだっだろうか。内容はひとことで言うなら「あんなラストは嫌だ!!」だろう。アレに関しては、『魔法騎士レイアース』のアニメ化時の改変よりも否定的かもしれない。

でもマッドハウスの『散りものの演出が綺麗』という話は理解できた。後々にアニメ化された『カードキャプターさくら』も綺麗だった。


そして最近TVアニメ化が発表になった『東京BABYLON』。これももちろん読んでいる。

メインで動くキャラクターの数は3人と少ないため、上記であげている作品よりも比較的ミニマムな話だ。しかしファンタジー作品でありながらも社会風刺的な話もあってそういう意味ではかなり生々しく重かった。

後々『X』にもつながってくるが、これも完結時の後味は良くない。根底にある設定的に大団円で終わるわけがなかったのだが、それにしたってまさか……であった。北都ちゃん……。

連載誌こそ少女漫画だけれど……

基本、姉に薦められたこれらのタイトルは作品の根底にあるものが重いため必然的に描写も印象もショッキングなものだった。人によっては途中で読むのをやめてしまってもやむなしな描写も多い。

しかしどれもこれも名作で、そのひとつひとつが10代の自分にはなかなかの重さだった。そのせいか今でも「連載誌こそ少女漫画だったけれど、ちょっとまた違う立ち位置の漫画」のポジションに居座って離れてくれない。


そしてここまで書いておきながら、実は社会人になった2000年代以降はほとんど彼女らの作品は読んでいない。

あまりに濃すぎた反動なのかもしれないし、自分の好みが変わり今の彼女らの作品が合わなくなっただけともいえる。もしくはそのどちらもか。いやいや『X』未完のショックもあるのか。

しかしいまだにヒット作を作り続ける力を維持していられるのはとても凄い事だと思う。漫画家生活30年というのも中々続けられることではないと思うのだ。今見ても絵は素敵だし塗りも綺麗だと思っている。



ところで。

また当時の女児が喜びそうなものを……。

モコナ可愛かったんだよな……。