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テントウムシとの記憶と記録 2.襲来
2.襲来
昨日見たナナホシテントウと卵はどうだろうか
散歩の時間になり、私は小走りでその場所へ向かった
私が辿り着いたそこには、昨日見たナナホシテントウと卵はいなくなっていた
卵がいなくなったという表現はおかしい
無くなっていたのだ
姿の消えてしまった場所をぼうっと眺めていたら、ちょろちょろと移動する数匹のアリが目に入った
そうだ、アリだ
昨日はアリを見て、少し不安な気持ちを感じながらここを離れた
その時に薄っすら感じた、もしかしたらという胸騒ぎが的中してしまったのだ
現実になったのだ
これはアリたちの仕業であろう
もちろん一部始終を見ていたわけではない
真偽はわからない
あくまでも私の想像にすぎない
しかしそれしか私には考えられなかった
ナナホシテントウはアリの襲来に卵を諦めて逃げたのではないだろうか
成虫のナナホシテントウは、少数のアリが攻撃して来たとしても、避ける事も逃れる事も難しい事では無いのではないかと思う
しかしそれは成虫のナナホシテントウの話だ
ナナホシテントウが自らの事は守れても、複数で卵を襲ってくるアリには為す術もないだろう
あまりにも弱々しく無防備に思える卵はおそらくアリに捕獲され、巣に運び込まれて、餌食になってしまったのであろう
昨日ナナホシテントウと卵を見て、私は私の知らない自然と生命を感じ喜んでいたのが、今はなんとも言えない結末を、何も無いところを眺めていた
言いようの無い切ない気持ちになっていた
To be continue…
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