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シエナの起源 ☆ パリオのリハーサルを見ながら
<イタリア旅行記(2010年マルケ&ウンブリア&トスカーナ)no.45>
シエナ(Siena)の夏の風物詩・競馬祭のパリオ(Pario)。
翌日の本番へのウォーミングアップの為に、軽く雰囲気を楽しんでと、
前夜のリハーサルを見に行きました。
楽しむ気持ちで、足を運んだ、カンポ広場。
ただ、このリハーサルが、予想以上に凄かったのです。
まずは、参戦する地区(コントラーダ)の行進。
地区の旗を振りながら、続々と、入場し、立ち位置や、流れを確認していきます。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/31333634/picture_pc_3a13b567de4ad2ec85eff62abf6db619.jpg?width=800)
(Leocorno:一角獅子)
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/31333667/picture_pc_052833eab13dd08c72dcbe256077882f.jpg?width=800)
(Nicchio:貝殻)
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/31333734/picture_pc_c2290c599659700e7430a0d293ecf431.jpg?width=800)
(Istrice:ヤマアラシ)
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/31333756/picture_pc_d17a340ff217b9ac42939e25788c0f3d.jpg?width=800)
(Chiocciola:かたつむり)
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/31333783/picture_pc_1034f1e2c124534cdef0b3f8c4b4071a.jpg?width=800)
(Civetta:ふくろう)
中世の衣装に身をまとっている方々の中に、私服の方々も一緒に歩いていますが、この方々は、当日は、中世時代の重厚な甲冑をつけて、行進されるそうです。
最後に、白黒(Bianco e nero)のシエナ旗(Bandiera di Siena)も、入場。
この旗の上には、あの有名な「カピトリーノの雌狼(Lupa Capitolina)」が、装飾されていました。
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/31333864/picture_pc_0ab1e2976e65d44f2ce484145d256e7c.jpg?width=800)
![画像9](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/31333975/picture_pc_51502bebc0ec4892d76634d2ba29848c.jpg?width=800)
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ちょっと、ここで寄り道。
シエナの起源について、綴っておきます。
トスカーナ州に位置するシエナですが、実は、ローマとは縁が深く、
シエナの街角で、この「カピトリーノの雌狼」、「オオカミと乳飲み子像」を、いくつも、目にします。
![画像14](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/31402298/picture_pc_de443fb6e40cedf3b530a8c3cddb4afc.jpg?width=800)
![画像15](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/31408452/picture_pc_e70e0bc1bf26159753f6b519c48d873f.jpg?width=800)
紀元前753年、ローマが建国された時の初代王・ロムルス(Romulus)、軍神マルスの息子です。
彼の名前から、「ローマ(Roma)」と名付けられたと言われていますが、
彼には、双子の弟・レムス(Remus)がいました。
この双子の出生は、望まれておらず、殺害を言い渡されましたが、
乳飲み子2人を哀れんだ兵士が、密かに、生き延びれるよう、川に流したそうです。
その双子を、オオカミが育てたと言われていて、その伝説(神話)を表現したのが、この有名な「オオカミと乳飲み子像」なのです。
成長した双子は、ローマ建国にあたり、兄弟間での争いが起こります。
どちらが、初代王になるかはもちろん、都市の名前はどうするか、等々。
もし、弟レムスが、初代王になっていたら、ローマは、「レモラ(Remora)」と名付けられていたかも、との説もあるのですよ。
ちなみに、「レモラ」は、イタリア語で「コバンザメ」の事。
結局、兄ロムルスに殺された、弟レムス。
享年、18歳の若さでした。
レムスはに、2人の息子がいました。
セニウスと、アスキウス。
彼らは、伯父に殺されることを恐れ、ローマを抜け出し、トスカーナのある土地に、辿り着きました。
その土地が、ここ「シエナ」だったのです。
その名は、セニウスのあだ名「セナ(Sena)」からとられ、シエナの歴史が始まりました。
シエナ大聖堂内の床には、その「セナ」の文字と一緒に、オオカミと双子の姿が描かれています。
![画像16](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/31408497/picture_pc_6820c2c0ee2ed3a307cecf93d05401a5.jpg?width=800)
(Pavimento nel Duomo di Siena)
![](https://assets.st-note.com/img/1699788642386-CaG1PkpU4N.png?width=800)
(Duomo di Siena)
古くからの歴史が残る古都・シエナ。
ローマと縁がある、その起源も、シエナ人の誇りなのだそうです。
こういう街の始まりを知っていると、街歩きも楽しくなりますよね。
シエナ散策中も「オオカミと乳飲み子像」を探しながら歩いてしまいます。
オリジナルの「カピトリーノの雌狼(Lupa Capitolina)」は、
ローマの、カピトリーニ美術館で、鑑賞することができます。
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パリオのリハーサルに、戻りましょう。
地区行進が終わったら、次は、子供たちの出番です。
歌いながら、会場へ。
子供達も、当日は、中世の衣装を着るそうで、可愛いんだろうな。
![画像17](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/31410279/picture_pc_f2dfb56db971d5da97bcaa1b7793fa5f.jpg?width=800)
応援合戦(の練習)も、始まりました。
![画像9](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/31334003/picture_pc_d7fd7b68f040b42e09c81dc57479f307.jpg?width=800)
子供達の声は、本当に、元気よく、パワーがありますね。
本当に、このパリオを楽しんでいる様子が、ひしひしと伝わってきます。
そして、当日の雰囲気に、慣れさせるためでしょうか。
馬達も、ぐるりと一周コースを回っていきました。
![画像10](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/31334036/picture_pc_057756f36a8235b2b1dafc5c0d29532f.jpg?width=800)
凛々しい騎士団も入場してきました。
![画像11](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/31334056/picture_pc_9311535f57aff68a5f69d1ae2fb4683d.jpg?width=800)
ふと気づけば、3時間以上も、リハーサルを見ていて、
そして、最初は、まばらだった観客も、もの凄い人だかりとなっていました。
![画像12](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/31334082/picture_pc_18985f788e05207ad303ae5dda3b67ff.jpg?width=800)
![画像13](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/31334115/picture_pc_e5644060a9b280de0c195459d6e4147a.jpg?width=800)
カンポ広場が、人で溢れています。
リハーサルで、この人、人、人…。
ひと通り、リハーサルは終わったようですが、まだまだ、皆さま、熱気溢れて、帰る様子もなく、余韻を楽しまれています。
私も、興奮冷めやらぬでしたが、明日の本番に向けて、ホテルに戻る事にしました。
明日の本番は、どんなことになるのやら、ちょっと、ゾワゾワ。
楽しみです!
お読み頂き、ありがとうございます。 サポート頂ければ、心強いです。